第1回 定年退職後の状況(就労に対する動向)【2022年度シビルエンジニアの定年退職後の活動に関する意向・実態調査結果】
皆様こんにちは。
今回は、「シビルエンジニアの定年退職後の活動に関する意向・実態調査」で得られたアンケート結果のうち、定年退職後の就労動向について調べてみました。
分析対象者
定年年齢は、各社や社会情勢によっても変化しますが、ここではこれまでの一般的な定年年齢である60歳以上を対象としました。
全回答者3,318名中60歳以上の方は672名でした。
672名の就労状況と年齢構成がこちらです。
定年延長や定年廃止の影響がみられ、60歳以上でも定年退職前で就労中の方が2割弱でした。
60歳以上で定年退職された方は、504名でした。全回答者のおおよそ1/6というところですね。定年退職した多くの方がその後も就労し、回答者の中では就労中の方がほとんどでした。
就労中の方の半数以上は、60~65歳が占めています。就労中の方は65歳以上になると次第に少なくなりますが、70歳以上で就労中の方が、就労中の方の1割以上を占め高齢者の雇用が進んでいることがわかります。
定年後やりたかったこと
定年退職を迎えた当時、定年退職後にやりたかったことをまとめてみました。
高齢になるに従い「当時の組織・企業での就労」や「当時とは異なる組織・企業での就労」など就労の割合が減り、「趣味・習い事」や「国内・海外旅行」などの娯楽の割合が増えています。
定年退職後の就労理由
定年退職後に就労したいと思った理由を見てみましょう。
年齢別の就労理由を見ると、60歳代までは「収入を得る」が最も多くなっていますが、70歳以上になると「自分の経験を社会に役立てたい」という割合が増えていて年代によって就労理由が変化していることがわかります。また、全年代に「組織・企業からの要請」が15%程度あり、高齢者の継続雇用制度が浸透してきていることがわかります。
次に、定年退職後に就労を希望される方の中の「当時と同じ組織・企業での就労」と「当時とは異なる組織・企業での就労」を選択された方の就労理由をまとめてみました。
「収入を得る」と「組織からの要請」は、どちらにも共通した主要な理由になっています。違いがみられるのは、同じ組織を希望された方は「仕事内容・職場が好き」の割合が異なる組織を希望された方よりも多く、異なる組織を希望された方は「経験を社会に役立てたい」や「社会とのかかわりを維持したい」の割合が多くなりました。
定年退職後の就労希望と現実
上記の就労の希望と現実はどうなっているのでしょうか。
慣れ親しんだ組織で働くか、新たな環境に身を置くかの選択は、多くの方が希望を実現しているようです。
定年退職後の就労に必要な能力
60歳以上の方が定年退職後の就労に必要と考えているスキルをまとめました。
「専門知識」はもちろんですが、それ以外に「柔軟性」や「コミュニケーション能力」が必要と感じている方が多いです。特徴的なところでは、雇用側の立場の方が、「若手社員育成能力」に高い割合を示しています。後継者育成の重要性が感じられます。
まとめ
今回の分析では、60歳以上の就労状況について調べてみました。
60歳以上の多くの方が就労中でした。定年退職前の方、70歳以上で就労中の方もいて、高齢者の雇用が進んでいることがわかりました。
また、高齢者の就労に必要な能力は、専門知識以外に柔軟性やコミュニケーション能力も必要ということがわかりました。
今回の調査分析が、皆様の参考になれば幸いです。
次回は、定年退職後の状況(業種、職種変化) について、分析結果をご報告する予定です。お楽しみに!
2023.8.18 執筆:たま
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