とあるデリヘル嬢との出会い⑧

ドライブデート当日。
余裕を持って早めに家を出た。
向かう途中、ウキウキワクワクでなんか20代前半に戻った気分だった。
コンビニでお茶とお菓子類を買った。避暑地まで時間かかるから食べたり飲んだりしてくれればいいなと思って。
順調に向かっていたが、やはり高井戸の辺は渋滞する。それでもなんとか約束の時間に着いた。

“着いたよ！◯◯ってとこにいるけどわかるかな？”

すると

“私も着いてるよ！でも◯◯ってどこだ？”

と、お互いで連絡を取り合っているうちに無事に合流できた。
今回で3回目。毎回何度見てもほんとにかわいい。この子を助手席に乗せてドライブできるだなんて夢みたいだった。

じゃあ行こうかって、駐車場に向かい車に乗った。ナビを設定したりして出発した。
その子が

“今日何時くらいに帰る？20時までに新宿帰ってこれるかな？靴買いたくて”

どうも靴とういかサンダル？が壊れたらしく急遽ドンキで買ってから来たらしい。
だから

“いいよ！それまでに新宿に帰って来ようか”

そう言った。

避暑地まで約1時間半くらい。
道中、いろんな話をした。
その子の家族のこととか最近の仕事の話とか。
そんな流れの中、思い切って聞きたいことを聞いた。

“彼氏いるの？？”

なぜ聞きたかったか。
もし彼氏がいたらもうこういうのはやめようって決めていたから。たとえその子がいいよって言ってくれたとしても、自分の気持ちが嫌だったから。

“彼氏いないよ”

安心した。だし普通に答えてくれると思わなかったからびっくりした。でもこんなかわいいのに彼氏いないんだって思った。

“こんなにかわいいのいないんだ。”

すると

“今は彼氏とかそういうのはいいやって感じ”

今は彼氏とか考えてないみたい。だからこれならこの先も会えるって思った。
その他にもたくさん話して少しその子のプライベート的なのがわかった気がした。

話しているうちに目的地周辺に近づいてきた。
だが、ナビの方向が違う気がして、あれ？この道でいいのかなとか言ってたら、すぐスマホで調べてくれてこの道で合ってるっぽいよって。
気が利くし優しいなって。
そうこうしてたら目的地に着いた。車の温度計が25度って表示されてて、涼しいねって言ってた矢先雨が…
2人で、嘘でしょ？って。
雨が止むか少し様子見ようかって車で様子をみた。
だが止む気配はない。これはダメだねって断念した。
とりあえず違う場所に行こうかって車を走らせた。
少し下ったところにご飯とか食べれて、いろいろ売ってたりちょっとしたメリーゴーランドがある施設があったからそこに立ち寄った。雨は止まない。傘が1つしかなくて一緒に入ったけどドキドキした。いい歳した既婚者がドキドキして自分ヤバい奴だなって思ったけど、やっぱり自分の1番タイプの子。もういいかってなってしまった。
ご飯とか食べよとかしたけどお互い食べたい物なくてトイレだけ立ち寄って車に戻った。

最初の目的地でゆっくりする予定だったから予定が狂ってしまった。お互いでどうしようかってスマホで検索したが避暑地周辺はなにもない。だし時間も微妙で飲食店は14時までなところが多くて間に合わない。
すると

“大きいサービスエリアとかでご飯食べない？”

その子が提案してくれた。
じゃあそうしようかって、とりあえず東京方面に戻ることに。
相変わらず自分ってダメだなって。計画立てるはいいけどもしものこととか考えてないし、反省しかなかった。
まだ時間もあるし、途中に一つ寄りたいところがあるだけど寄ってもいい？って聞いたらいいよって。たからそこに寄った。そこはまだ自分が20代前半に夜な夜な友達とドライブに行っていたところ。夜景がとても綺麗な場所だ。まぁ昼間だから夜景もクソもないけど少し懐かしかった。
そんな話をその子にしながら少し歩いたが暑すぎてすぐ車に戻った。
そこからまた車を走らせた。
道中、

“今日はいくら払えばいいかな？”

すると

“わからない”

わからないってどういうことだ？？疑問だった。

“わからないってどういうこと？？”

そしたら

“相場とかわからないし、どうなんだろう？”

だから

“だって他の人と店外とかする相場あるでしょ？”

すると

“あんまりそういう人いないからわからない。”

衝撃だった。
自分の勝手な想像でその子は店外デートとか結構してると思っていた。ってことは自分は特別なのか？そう思ってしまう。
どうも聞いた話だと自分と2人くらいしか店外しないらしい。ただ体の関係がないのは自分だけだと。素直に嬉しかった。

“じゃあこのくらいでいい？”
って5万を提示した。

“そんなにいいの？？”
いいどころか、1日デートをしてもらってるのに逆に安いんじゃないかって思った。

“少なくてごめんね”

そしたら

“うんん、ありがとう。”

今回は最初からおかしかった。本来は自分からお金の話をしなければいけないのに、その子から前日の夜に返事が来たりして、ちょっとバタバタしてたからお金の話をするのを忘れていた。前はその子からお金の話をしてきたのだが、今回はそれがなかった。でも普通はそういう仕事だしお金のことが真っ先に出るはずなのにどういうことなんだろうとか疑問だった。

この金額でいいのかわからないが、ありがとうって受け取ってくれたからいいとしとこうと思った。

そこから少し大きいパーキングに向かった。
途中で眠いって言った。聞くと昨日も出勤で全然寝てないとのこと。だから、自分といるときは仕事とか思わなくていいし、気を遣わないでって伝えたらありがとうって寝落ちしてた。寝顔もほんとに可愛くて癒された。

1時間くらい走ってパーキングに到着した。
起こして、何食べよっかってほうとうを食べた。
前からだが、食べ方ととても綺麗で箸の持ち方とかもすごく綺麗。それに毎回食べる前に写真を撮る。その写真は何のために？って思うけど…
でもそれから食べてる間は一切スマホに触れない。きっと育ちがいいんだろうって思った。
食べ終わってアイス食べようってアイスを食べたりもう2人ともお腹いっぱいだった。
帰ろうかってまた新宿に向かって走りだした。
いろいろ話をしながら走ってるいるとトイレ行きたいって。自分も行きたかった。どこかのパーキング寄ろうって言ったけどまさかの渋滞。
お互いでもう少しって励まし合いながら我慢した。
到着してトイレを済ませてまた走り出したが渋滞の影響で少し時間がギリに。
軽く車を飛ばしてもう着く寸前で首都高の出口を間違えてしまった。慌ててUターンして無事に新宿に到着。予定より30分遅くなってしまった。
約束守れなくて申し訳なくて車を降りるときに

“足りるかわからないけどこれで靴の足しにして”

って1万円を渡した。そしたら

“間に合うし、全然いいよ”

と断られたけど無理に渡したら、ありがとうって受け取ってくれた。
そのまま、またねって別れてドライブデートは終わった。

自分の中ではちゃんと線引きをしておかないとおかしくなる。
その子には自分の前では仕事だと思わなくていいよって伝えたけれど、
“あくまでもデートに付き合ってもらっている”
って自覚がないとダメだ。
この自覚がなくなると、どんどん沼っていく。
帰りの道中、そう考えながら車を走らせた。
それと同時に次はどうしようかなとか考えた。
でも本当に楽しい1日だった。

だが…
このあとまさかの展開が起こるとも思ってもいなかった。

続く