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"趣味"の考え方

「趣味はありますか?」


みなさんもこのような質問をされた、あるいはしたことがあるのではないでしょうか?

私もつい最近、この質問をしました。

相手は年齢の近いアメリカ人の先生でした。
簡単な英語で、
"Do you have hobby?"
と尋ねました。

すると、彼女は「その質問はおかしい」と言うのです。

私の英語が間違っていたのかな?と思い、詳しく聞くと、どうやらそういう事ではないようでした。


彼女曰く、趣味は誰でも持っているものだから、もし尋ねるなら、

"What's your hobby?"
「あなたの趣味は何ですか?」

であるべきだと。

初めて話す日本人にはよく聞かれる質問なのだそうですが、聞かれるたびに違和感を持っていたようです。


この会話を通して、私も少しの違和感を覚えました。

なぜなら、今、身の回りの30人に「趣味は何ですか?」と尋ねたら、おそらくそのうち5,6人は「趣味かぁ。ないんだよね〜」という人が出てくるだろうと思うからです。

そしてこの受け答えを少なからず経験している日本人は、趣味は持っていない人もいるから、まずはあるかどうかだけ聞いてみよう、と思い、「趣味はありますか?」という質問に違和感を持たなくなってしまうのでしょう。


では、アメリカ人は本当に全員趣味を持っているのでしょうか?

この答えは、先ほどのアメリカ人女性が答えた、彼女の趣味を聞くとわかるかもしれません。

彼女の趣味は(その中で覚えているものは)、

・絵を描くこと
・本を読むこと
・バレーボール
・野球
・音楽を聴くこと
・テレビを見ること
・ネットショッピング
・寝ること

などなど多数列挙…


日本人の考える"趣味"と、彼女の"趣味"の違い、おわかりいただけたでしょうか?

絵を描くこと、読書、スポーツなどは、日本人でも趣味に挙げる人はいることでしょう。
しかし、彼女と話していて、そのクオリティというか、熱中度は、日本人が趣味と言う感覚とは違うな…と感じました。

例えば、「絵を描く」というのも、彼女の場合は時々思い立ったら、いらない紙の裏側にラクガキをする程度。

野球も、ルールもちゃんとはわからないし、やったことはないけど、時々見るのは好き、という感じでした(笑)

その他、ネットショッピングや寝ることなど、
それって趣味って言う…?と思ってしまうようなものでも、彼女にとって、好きなことであればそれはすべて"趣味"なのです。


私達の多くは、趣味=そのことに詳しい、極めている、というイメージを持っています。
だからこそ、そこまで熱中できることがない人の中に、趣味はない、と答える人がいるわけです。

アメリカ人の彼女の意見を聞いてみると、確かに私達日本人は、趣味のハードルを上げすぎてしまっているのではないでしょうか。
もっと気軽に、「自分の好きなこと」で良いと思うのです。


趣味に関する話題はよく使われます。

趣味はありますか(あるいは、何ですか)、という質問をする人には、その質問により相手のことをもっと知りたい、という意図があることでしょう。

それなのに、趣味はありません、と答えてしまっては、相手に自分についての情報を与える機会が減ってしまうのです。

自分のことを知ってもらい、さらには会話をスムーズに進めるためにも、
また、趣味と答えることに抵抗があるのなら「そんなに詳しくないのですが」などの前置きをしてでも良いので、「趣味=自分の好きなこと」について話してみてはいかがでしょうか。

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