ざっくり音楽ニュース/2020年2月2週目
今週は、泉まくらの『春に』を紹介していきます。
泉まくらの『春に』は、受験期の不安や卒業を迎える方の心の機微を拾ってくれるような曲です。
春の訪れを感じれるような気温になってきました。もう受験と卒業の時期、電車の広告や駅のポスターに流れてくる言葉の羅列を見て「この時期がきたのかあ」と感じながら日々過ごしていきます。これから、この歌詞が織りなす物語を書いていきますね。
この歌詞の登場人物は、男女二人の高校生
最初に登場してくるのが、劣等生の「僕」
「転校を繰り返しても不安なんてなかった」の歌詞から、少しだけ悪さを働かしてる男子高校生の姿が思い浮かぶ。
彼はテストで100点とる自信もなく、行いの悪さから「反省文」を書くような生徒だ。
「返せずじまい又貸しのマンガ」から、転校を繰り返しながら借りていった漫画本が家にに積もっている切ない情景が浮かぶ。
転校を繰り返しても不安なんてなかった
暗いままの部屋 カーテンすらなくても
100点とる自信もないけど
持て余す少し長い袖
帰り道 道端 花のミツ
微かな甘ささえ象りとらえた
もたれた樹に ほら僕らと同じ音が鳴る
返せずじまい又貸しのマンガ
昨日書いた反省文なんか
胸もやつかせたのはいつでも
誰かへの似たような後ろめたさ
「あっそ」「だから?」
そんな返事がこわくてまたからかう
消しゴムにあの子の名前 おまじない
分かってるよ 全部僕次第
また、後半の歌詞の「誰かへの似たような後ろめたさ」、「あの子の名前」から、この後の歌詞に出てくる女の子を異性として感じていることが暗示されている。
「あっそ」「だから?」の歌詞から、自分とは対照的な真面目な女の子に相手にされるのが怖いコトがわかる。
「消しゴムにあの子の名前 おまじない 分かってるよ 全部僕次第」という部分から、僕が彼女の名前を消しゴムに書いて恋が成就するように願っていることがわかる。
リフレインの歌詞では
あしもと濁る薄い花びら 自分を重ねて怖くなったのは
大人が急に「もう子供じゃない」と 選択と決断を僕らに迫った頃
明日目が覚めればネクタイの結び目の仕組みを知る
戸惑いの中 置いてきぼりの春が来る
この部分の歌詞は、受験前の男子高校生の心情が描き出されている。と仮定すると。
「大人が急に「もう子供じゃない」と選択と決断を迫った頃」は、受験前の不安な心情が浮かんでくる。
「明後日が冷めればネクタイの結び目の仕組みを知る」から、のちに出てくる頭のいい彼女は大学に行ってしまい、僕は就職の道を選ぶことを決意していることがわかる。
だから戸惑っている。「戸惑いの中 置いてけぼりの春が来る」から
彼女が遠くに行かないでって。って感じてる気持ちが読み取れる。
第二節では、優等生である「私」の心情が描かれている
一見順調そうに生活をしている彼女の心にも卒業と受験の不安がのしかかっていることがこの歌詞から汲み取れる。
何になりたい? 何になれるの?
「それなりに」した努力の行き先
バカみたい「間違いだった」と言い切りたい
身長刻んだ柱も 夕飯で出た赤飯も
私を置いてくだけ
塾帰りうとうと電車揺られ
あと数ページめくってしまえば
いっしょに何かも終わる気がしてる
「何になりたい?」「何になれるの?」「「それなりに」した努力の行き先」この歌詞から、受験に向かった日々前に進んでいるけれどこの先のことはわからない不安が浮かび上がる。
「塾帰りうとうと電車揺られ」や「あと数ページめくってしまえば」から、自分に向かって問いかけながら受験というステージが近づいていることがわかる。「いっしょに何もかも終わる気がしてる」からは、彼女自身何が終わるかは分かっていない。だから、彼女は自分自身に問いかける。
答え催促する態度 謳い文句
うまくやれれば獲れる一番も
嘘吐きたくない私の意志だと
胸張れないのはどうしてだろう
あの日言ってた「春は嫌いだ」って
待って なんでかって教えて
最初の歌詞で「僕」は、彼女に戸惑いの中 置いてきぼりの春が来ることの不安が歌われていたのに対して、この歌詞で「僕」と「私」の立場が同じになる。
側から見たら、順調に歩んでいるはずの彼女だったけれども「うまくやれれば獲れる一番も 嘘吐きたくない私の意思だと」「胸腫れないのはどうしてだろう」から、一人で不安と自問自答してきたことがわかる。
「あの日言ってた「春は嫌いだ」」って、春は嫌いと言っている人は劣等生の僕だということがわかる。
僕に対して彼女は、手探りに進んでいる日々の中で、見つけられない糸を導いてくれるような僕に不安な感情の理由を教えてって言っている
2回目のリフレイン
あしもと濁る薄い花びら 自分を重ねて怖くなったのは
大人が急に「もう子供じゃない」と 選択と決断を僕らに迫った頃
明日目が覚めればネクタイの結び目の仕組みを知る
戸惑いの中 置いてきぼりの春が来る
劣等生の「僕」と優等生の「私」
一見して対照的な両者だけれども、二人に共通している大人になることに対しての不安を感じていることがこの歌詞からわかる。
僕と私のこれから
揺れる 合図をまって
暮れる 風相まって
結えないえりあし冷やされて
思い出したのは恥じらいの冬
ゆるく巻いたマフラー 滲む汗のズル
望まない変化に足は竦む
「聴いて、聴いて、聴いて...」
ひとりよがりな問いかけを追いかける時だけ
もしだめでもいいかもって思えて 時間重ねて
まだ寝てるけどアラームには気付いてるんだって
少しだけカーテンを開けて 今日の晴れを疎ましく思う
そんな朝に起こされても問題なく電車は走る
受験の季節が終わり、春が近づいていることがわかるような歌詞になっている。「揺れる 合図をまって」「暮れる 風相まって」から、彼女に想いを告げようと思ったいた劣等生の僕の姿が浮かぶ。
「結えないえりあし冷やされて」から、これから就職をする「僕」は髪の毛をバッサリ切ったことが伝わる。
春が訪れに向かって、「思い出したのは恥じらいの冬」や「望まない変化に足は竦む」から優等生の「彼女」に想いを告げることができなかったことがわかる。
三度目のリフレイン
あしもと濁る薄い花びら 自分を重ねて怖くなったのは
大人が急に「もう子供じゃない」と 選択と決断を僕らに迫った頃
でも明日目が覚めたらネクタイの結び目をほどき走る
戸惑いの中 置いてきぼりの春は来る (ああ 待って いまだけ)
三度目のリフレインは、最後の2行の歌詞が異なっている。
「でも明日目が覚めたらネクタイの結び目をほどき走る」
就職した「僕」は告げられなかった想いを背負って彼女のもとへ行こうと考えていることがわかる。
戸惑いの中 置いてきぼりの春は来る (ああ 待って いまだけ)
容赦無く訪れる春に、置いてけぼりにされないようにしがみつきながら「僕」と「私」が桜の花が舞う中、お互いに走っている姿が思い浮かぶ。
ライター / maru
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