#33:「日本で3番目に高い山」奥穂高岳へ
10/19〜10/20の週末は、奥穂高岳への登山に向かった。今回はその登山日記。絶景写真をたくさん載せたので、ぜひ息抜きに楽しんでいただきたい。
10/18金曜日、夜行バスで上高地へ
毎日新聞社系列の旅行会社が出している「毎日アルペン号」に仕事終わり22:30に乗り、東京から上高地へ。上高地は10/19朝の5:20に着いた。
10/19土曜日、上高地から涸沢へ
涸沢小屋の予約を取っていた。上高地から涸沢へは約6時間、ゆっくり歩いても相当時間があるし翌日の行動のほうがハードになるので思いっきりゆっくり行った。
明神池にも寄り、徳沢→横尾と過ぎていく。天気予報通り、ところどころ雨もパラついてきた。
横尾からは本格的な登りが始まるが、雨も降り始めた。木もあるしそこまで濡れないだろうとレインウェアは上だけ羽織り足早に歩いたが、雨脚が強くなり、また僕自身が極度の暑がりで通気性の悪いレインウェアを羽織ると内側から汗が止まらなくなり、外からも内からも濡れて地獄のようになってしまった。
涸沢まで登ると、全身びしょびしょに加え、穂高から冷風が激しく吹き下ろしてきて極寒だった。低体温にならないようにハイペースに歩き、一気に山小屋へ。身体に付いた水を落とし、濡れた服を着替え、お昼にカレーライスをいただいた。生き返る。
夜行バスで熟睡できていないのと、翌日の登山を考え、その日は山小屋でゆっくりしていた。昼寝して、晩ごはんを食べて、就寝。
10/20日曜日、奥穂高岳登山
朝起きると、あんなに吹いていた風も収まり、日の出前だが空の雲も捌けている様子で気持ちが高まる。6:00出発予定で5:30朝ごはんだったので、もたもたせずに食べた。
日の出と共に、穂高連峰がモルゲンロートで赤く染まる。涸沢カールの終わりかけの紅葉と良い色彩のグラデーションだ。
涸沢小屋〜穂高山荘
厳しい登りなんかやめてこの景色を堪能すればいいんじゃない?という悪魔の囁きを振り払い、涸沢小屋から登り始める。
景色もきれいだし見た目ほど緩やかではないし、で、なかなか進めない。本日1つ目の難所、ザイテングラートが近づいてくる。この岩たちを登るのか、と身体に緊張が走る。
前日の大雨予報でたくさんキャンセルが出たのか、この晴天で登っている人は僕だけだった。
○印を一つ一つ確かめるようにザイテングラートを登る。振り返ると上高地〜横尾にかかる雲や常念岳の向こうに広がる雲の上にいた、大雲海だ。はるか向こうには浅間山が見えている。
しばらくすると「穂高山荘まで20分」と看板があり、その後も集中して足を進め、穂高山荘が目に入りホッとした。しかし問題はここから。
穂高山荘〜奥穂高岳山頂
穂高山荘の左側のこの絶壁を登っていく。全身に緊張が走る。その前の週に、どこかの山の岩場で少し慣れておこうと思いながら面倒になってやめた自分を呪った。
気温もマイナス1度を指していて、岩も触ると冷たい。だけど慎重にやれば行けるはず。深呼吸して、グミをいくつか食べて、水を飲んで、よし行こう。
振り返ると涸沢岳が美しい。だけど怖い。バランスを崩せば穂高山荘の赤い屋根までゴロゴロと転がり落ちるしかなさそうだ。標高も3,000mを超え、余計な動作をすると息も上がってしまう。深呼吸を意識して進んだ。
しばらく登るとだいぶ傾斜も緩み、奥穂高岳の山頂が近づいていることが分かった。振り向くと槍ヶ岳を始め、日本を代表する北アルプスの山々が並んでいる。
山頂
そして、山頂!
山頂はおそらくマイナス5度ほどだっただろう、風も吹き、写真を撮ってもらっても顔がかじかんでうまく笑顔を作れなかった。
日本最難関登山ルートと呼ばれるジャンダルムへ挑む女性の後ろ姿がかっこよく、写真を撮った。僕もいつか挑む日が来るのだろうか。
また、稜線を歩いてみたいと考えている笠ヶ岳も目の前で雲海に浮かび、かっこよかった。
360度絶景の中、感動の嵐過ぎて逆に感動がボヤッとしている現象に見舞われてしまった。今来た道を戻らないといけないという緊張も身体にある。寒さもあるし、と、戻ることにした。
奥穂高岳〜涸沢小屋
戻りこそバランスを崩したら大変なので、本当に慎重だった。なんとかかんとか涸沢小屋へ戻り、ホットコーヒーをいただいた。生き返る〜
上高地からのバスは17:30で予約しているが、ウカウカはしていられないので足を進めることにする。ここから下は紅葉の全盛な場所もあるはずだ。
涸沢小屋〜上高地
昨日の大雨爆風はなんだったのか、と思いながら涸沢カールの絶景を目に留め、下山を開始した。
横尾と涸沢の間がおそらく紅葉全盛で、それらを楽しみながら降りた。昨日はあんなに辛かったのに。
横尾に到着すると、後はほとんど平坦なのだが、2日目の疲れがどっと脚に出て足取りも重くなった。穂高登山としては最もベーシックなルートでこれと考えると、もっと鍛えないといけないなあと思う。
上高地までは無心で歩き続けた。上高地に到着する頃はまた霧がかってしまった。たくさんの観光客に溢れ、さっきまで奥穂高の頂上にいたことが嘘のようだった。
予約したバスに乗り帰京。疲れ果てていて、家に帰るとすぐに寝てしまった。
まとめ
2日間、(特に仕事用の)デジタルデバイスを離れ一人でいることでまた英気を養えた気がする。この時間はやはり必要だなと思える。
2日で歩いた距離は約37km。お疲れ山でした
※よければ先日の焼岳登山記事もどうぞ