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【金がないなら、成功しているビジネスモデルからアイデアを探ってみる】

「そのリゾートに3000万円の価値があるとは思えません」──銀行からこの一言で融資は却下されてしまいました。

オーナーさんと話し合い、引き継ぐことを決めてから、銀行に融資の相談をしていました。今回の事業承継は、マッチングサイトで見つけた案件で、「買収希望価格3000万円」と提示されていました。しかし、現在の売上から事業価値を算出すると、実際の価値は1/10程度ではないかと思われました。それでも、買収価格はあくまでオーナーさんが決めるもの。マッチングサイト側もアドバイスはするかもしれませんが、価格の適正性をオーナーに要求することはありません。実際にマッチングサイトの担当者に相談してみても「高いとは思いますが、あくまでオーナーの希望額なので、双方で話し合って決めてください」という返答がありました。

オーナーさんは「1億円以上かけて建設しているので、3000万円は安い。現在の売上が低いのは、客数を制限しているから」と話していました。一方、銀行は「土地が含まれていないため、現状の売上では3000万円の融資はできない」とのこと。私自身、どちらの意見も理解できます。オーナー夫婦は30年以上もこの施設を運営し、たくさんの資金を投入してきたため、できるだけ高値で売りたい。一方で、銀行からすれば、現在の売上では3000万円の融資はリスクが高すぎるという判断も当然です。事業計画も提出しましたが、現状の売上が最も重要視され、融資の判断は厳しいものでした(さらに、花屋の事業でも借り入れがあることが影響しているかもしれません)。

どうにか両者が納得できる「落としどころ」を探す中で、あるアイデアが浮かびました。それは、「2年間ほど私がリゾートの運営を担当し、その間に結果を出せば銀行から融資を受けられ、オーナーさんに納得できる金額をお支払いできるのではないか?」というものです。

このアイデアのヒントになったのが、星野リゾートのビジネスモデルです。通常のホテルチェーンは、自らホテルを所有し、運営も行うことで収益を上げていますが、星野リゾートは自社で物件を所有せず、運営に特化したビジネスモデルを採用しています。つまり、所有せずに、運営面──食事、接客、掃除といったサービス提供に特化しています。

これを参考にして、「オーナーさんに家賃を支払いながら、リゾートの運営は私が行う」という提案を考えました。もしこれが受け入れられれば、私がリゾートを運営し、売上を改善させ、最終的に銀行から融資を受けるという流れで、オーナーさんに納得してもらえる金額を支払うことが可能になるかもしれません。

つづく。。。

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