2024年1月 おすすめ新譜紹介 アルバムレビュー
1月の終わりくらいからメンタルがやられていて、noteの更新が遅くなってしまいました。今年からnoteのやり方を変えようかなと思っています。月間のレビューは1ヶ月のリリースをさらっと振り返る形にして、これまでのような詳しいレビューはアルバムごとに分けてあげていこうかなと思います。
まず1月よかった新譜30枚のプレイリストです。
ヒップホップはKid Cudi『INSANO』と21 Savage『american dream』という大きいリリースが2つありました。どっちも良かったのですが、今回プレイリストのほうにはKid Cudiを入れています。Cudiのほうは21曲もあるのですが、一曲はそれほど長くなくてビートもバラエティがあるので、飽きずに1時間聴ける楽しいアルバムでした。
21 Savageは、20年代に入ってもアトランタ勢がまだまだ面白いことを再確認できたいいアルバムでした。個人的にはMary J. Blige「I Don’t Want To Do Anything」をサンプリングしていた「shoud’ve wore a bonnet」がドツボでした。
あとはブーンバップ系でBruiser Wolf『My Story Got Stories』とMasta Ace & Marco Polo『Richmond Hill』がよかったです。Bruiser Wolfはラップが引っ込んでいる感じの音像がすごく面白くて、スポークンワードっぽいフロウを相まって独特の雰囲気のあるアルバムでした。Masta Ace & Marco Poloはシンプルに良質なヒップホップという感じで、NasとかTalib Kweliとか好きな人に聴いてほしいです。
R&Bでいうと、Kali Uchis『ORQUÍDEAS』は安定感があるというか、もはや貫禄を感じさせるような出来栄えだったと思います。ラテンミュージックとR&Bの融合を一番高いレベルで完成させているし、今後も彼女の作品は楽しみです。レゲトンブームが一段落しつつある今だからこそできる音楽かなと思いました。
Samaria『Even Paradise Rains』はKehlaniやTinasheの影響を感じさせる現代の王道っぽいスタイルのR&Bでとてもよかったです。自分はこういうR&B大好きなので無限に聴けちゃいました。
男性シンガーもDESTIN CONRAD『SUBMISSIVE 2』、Kyle Dion『If My Jeans Could Speak』、MiLES.『Life Thru New Lens』など良作ぞろいでした。DESTIN CONRADは昨年リリース『SUBMISSIVE』の続編ですが、前作よりもしっとりとダークな感じになっていました。Kyle Dionは相変わらず陽気でチャラい感じがたまらなかったです。MiLES.はこれが2作目のEPで今後が楽しみなシンガーの一人ですね。派手さとメロウさのバランスがものすごくいい作品だと思います。
1月はなぜかインディーロック、インディーフォークをよく聴いていて、とくにMarika Hackman『Big Sigh』がよかったです。アルバムのなかにかなり緩急がある作品なんですが、その分オルタナ~グランジっぽい曲の際立ち方がよかったかなと思います。
The Smile『Wall Of Eyes』については別でnoteを書いています。
ジャズはあまり聴けてなかったのですが、Mary Halvorson『Cloudward』はかなりよかったです。あとはプレイリストには載せてないのですがYussef Dayesのライブ盤も最高でしたね。
そんななかでも、1月とくによく聴いていたのがLoukeman『Sd-2』、Ms. Boogie『The Breakdown』、Astrid Sonn『Great Doubt』の3枚でした。
Loukeman『Sd-2』はハウスの快楽のなかに内省的なサウンドが落とし込まれている感じが最高でした。クラブで踊りながら聴くのもよさそうですが、一人で真っ暗な部屋のなかで聴くのにも向いてる作品だと思います。
Ms. Boogie『The Breakdown』は、どことなく去年の11月にリリースされたH31R『HeadSpace』と似た雰囲気を感じました。ベースミュージック、アンビエント、ヒップホップ、R&Bを発展的に融合させた感じが最高でした。全体的にオブスキュアな質感を持った作品だと思うのですが「Build Me Up」とか「Black Butterfly」のメロウな感じが結構ハマってるのも面白かったですね。正体不明だけどとにかくかっこよくて、Pitchforkにはブルックリン・ドリルって書いてあったんですけどどうなんでしょう。
Astrid Sonn『Great Doubt』はTirzahとかが好きな人におすすめできる一枚です。前作はがっつりアンビエントなエレクトロニカという感じだったんですが、今作はそこにアンビエントR&Bやインディーフォーク的な要素が加わったアルバムになっています。ミニマルながら不明瞭なテクスチャーによって、不穏さと心地よさの間を揺れ動くような不思議な作品でした。この作品についてはまた個別でnoteを上げられたらと思っています。
今年はこんな感じで毎月noteを書けたらなと思っています。よろしくお願いします。