1歳5ヶ月のアメとムチ
外に出ると、風に乗って金木犀の香りが鼻をかすめる。
季節の変わり目は気温差に体が追いつかず、体調を崩しやすい。
我が家では息子が鼻風邪をひいてしまい、現在進行形で鼻水ズピズピマンである。
わたしも喉の痛みを感じ始めたが、今晩は生姜入りスープを作ることにして、気にしないこととする。
健診に行く予定があったが、キャンセルの連絡を入れた。
高圧的で苦手な保健師と顔を会わせなくていい。心の平和が保たれた。
余談だが、里帰り中に新生児訪問でお会いした、地元の保健師のことが忘れられない。
寄り添って聴いて肯定してくれて、産後の硝子のハートがどんなに救われただろう。
多分、一生心に残っていく温かい優しさだった。
息子はグルメなベジタリアンだ。
たまご、肉、魚(しらす以外)は、どんな調理法でも口にしてくれない。
蒸しても、焼いても、茹でても、細かくしても、ひと口大にしても門前払いで、床に餌付けをし始めてしまう(床は食べたくないって言ってるよー)。
野菜や果物は好きでよく食べてくれるが、離乳食レシピを見ながら拘って作ったメニューは食べてくれない。
味の違いが分かる男である。
素材の味を楽しめる味噌汁の具が、彼にとってベストらしい。
ご飯の時間が憂鬱になってしまうが、少しでも食事は楽しいと思って欲しくて、今日もめげずに作っている。
体調が悪いと、ただでさえ偏食なのに、いつも以上に食べてくれない。
食べやすいようにお粥と、湯豆腐と、息子が好きな玉ねぎとさつまいもの味噌汁を作ったが、なかなか口まで運んでくれない。
納豆と一緒にお粥をスプーンに乗せると、パクっと食べてくれた。
息子は枝豆、納豆、豆腐の大豆3兄弟が大好きだ。
特に納豆!いつも助けてくれてありがとう!!!
1歳を過ぎた頃から、大人の話している内容を理解していると感じる場面が多い。
おしり拭きをばら撒かれた時、ジップロックの袋を近付けて「ここに、無い無いしてね」と言うと、袋におしり拭きを入れてくれる。
食後に「お皿持ってきて欲しいな」と言うと、台所までお皿を持ってきてくれる。
昨日、取り込んだ洗濯物を畳んでいると、息子がテチテチ近付いてきて「どぉぞ」と喃語で言いながらオモチャを手渡してくれた。
へ????
どぉぞって言われた????
可愛い!喋ったぁああああ!成長!成長記録更新!拍手喝采!と脳内カーニバル状態のまま「ありがとう」と受け取り、直ぐさま夫に自慢した。
激しく泣いている時に切羽詰まった様子で「まま!」「いたい!」と喋ることはあるが、平常時に喋ったのは初めてのことだった。
なんて可愛くて心優しいお喋りだろう。
その優しさをずっと持っていておくれ。
「あぅ」「だー」「ばぶぶ」と話すボリュームが増えているなと最近癒されていたが、喋る準備を進めているのだろう。
喃語で話している声も愛らしいけれど、会話ができる日が近付いているのかな。
今日も楽しみに、見守っている。
聴いていると癒される、シナぷしゅの「喃語協奏曲」を添えて。