誰かの一日
人の一日とは、自分の想像を絶するところにある。
今目の前にいる大切な人が送った一日でさえ、そのすべてを知ることは決してできない。
今日、「お手洗いに間に合わなくて洋服が濡れてしまいました。」と幼稚園の先生から報告を受けた。
私は家に帰ってから、ふと想像した。
洋服が濡れて、きっと気持ちの悪い感覚がしただろう。
悔しかったかもしれない。恥ずかしかったかもしれない。
自分から先生に言えなかったかもしれない。
気付いてもらえるまで不安だったかもしれない。
そして、気付いて着替えさせてくれた先生がいてくれたことを。
濡れた洋服を着替えさせるのは一苦労だったろうことを。
誰かとの関わり合いの中で一日は過ぎていく。
嬉しいことや悲しいこと、楽しいことや悔しいこと、いろんな感情を言葉にする暇もないまま、何色かもわからない気持ちだけを残して一日は過ぎていく。
私は、そうやってがんばったあなたの一日を想像する努力をすることにした。
正解にはたどり着かないだろうから、勝手な自己満足だけど。
それでもそうすることで、私はいつもよりあなたに優しい気持ちで接することができるから。
たとえ優しい人が損する世の中だとしても、
私とあなたの世界では優しい気持ちが最も重要だと思うからだ。
まずはこの狭い世界から、優しさで始めてみるんだ。
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