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信頼と主体性を生みだす1on1に必要なこと[Ando-sanが導く1on1のあるべき形]
こんにちは!シンギュレイトnote編集部です。
メンバー育成やコミュニケーション活性を目的に導入が進む1on1。シンギュレイトは、信頼と主体性を生みだす1on1を実現する1on1支援ツール「Ando-san(あんどうさん)」を通して、マネジメント・組織開発を支援しています。
Ando-sanを開発した代表の鹿内は「1on1とは、個人の動機づけを引き出す場であり、メンバーの成長を促す場だ」といいます。
そこで今回は鹿内に、「鹿内にとっての1on1」を伺いました。さらに、「Ando-san」に込めた想いについても迫ります。
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メンバーの成長のみならず、組織をも変える1on1の可能性
ーーなぜ1on1が大切なのでしょうか。そう思ったきっかけを教えて下さい。
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鹿内:認知神経科学の研究者から、リクルートに移り事業開発を行うなかで、物事を成功に導くのは「コミュニケーションにあるのではないか」と思ったことがきっかけです。そう思った2015年前後は、「HRテック」や「人事データ」が注目され始めたころ。人にまつわる様々なデータをみて、脳科学との融合で、事業化を考えていました。
そんな折に仕事として携わったのが「集合研修での振り返り」です。参加者に音声デバイスをつけてもらい、コミュニケーションを計測。創造性の高いチームを創れないかと模索しました。これがいま提供している「Ando-san」のはじまりでもあります。
しかし、チームMTGの中身を参加者みんなで振り返ることは難しい。そういったこともあり、僕自身の興味は「チームMTG」から「1on1」へと、より小さな集合体に移っていきました。
1on1というテーマがよかったのは、「2人の関係性」という密な情報が取れること。さらには、1on1が組織への介入施策にもなりえることです。マネージャーが良い1on1を実践することで、1on1を受けるメンバーが変わります。1on1が組織を変えるきっかけになるのです。ここに興味を惹かれました。
信頼と主体性を生みだし、組織を変える1on1ツール
ーーその着想から得たのが、1on1サポートツール「Ando-san」ですね。「Ando-san」がどのようなサービスか改めて教えてください。
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鹿内:Ando-sanは、信頼と主体性を生みだす1on1支援ツールです。1on1の音声データを分析し、話し方・聴き方を見える化します。1on1を受けたメンバーにとって、1on1がどんな時間だったかを教えてくれる1on1のアドバイザーです。
1on1において目指す話し方は、「コーチング」です。特にティーチングは避けるべきでしょう。マネージャーから一方的に行われるティーチングは、メンバーの創造性と主体性を奪いかねない行為。コーチングを行い、相手の話を傾聴することがメンバーの主体性を育み、信頼関係の醸成へとつながります。
とはいえ、1on1でコーチングをしようとしても、自分がコーチングできているかを正しく把握するのは難しいもの。半分以上の時間でコーチングができたと思っていても、Ando-sanで可視化するとできてなかった、ということがよくあります。自身の話し方・聴き方を、正しく認知するのは難しいのです。しかし、1on1であるがゆえに、他の誰かに参加してもらって、指導してもらうことはできません。
そこで、Ando-sanの出番です。Ando-sanが、1on1における話し方・聴き方を評価・指導してくれるアドバイザーとなります。なので、人っぽい名前にしています。名前の由来はよく聞かれるんです(笑)
とはいえ、当初はAndo-sanによって改善された1on1が、組織全体に影響を及ぼすかは未知数でした。ただ良い事例が生まれています。Ando-sanを用いて1on1を3か月間実施すると、「上司と部下間の信頼」が増えるだけでなく、「以前よりも他部署の人を信頼するようになる」というデータが出てきているのです。1on1を行うことで組織全体がよりイノベーティブな状態になる、という事例が出てきています。
傾聴とコーチングを促す情報を提供する
ーーAndo-sanによって1on1はどのように変化するのでしょうか?
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鹿内:Ando-sanは、メンターとなるマネージャー・上司に、「傾聴」を促せることが強みです。良い傾聴は、メンターとメンティー間の信頼の向上につながります。1on1での傾聴の効果は5つです。
不安低減:不安が小さくなる*¹*³
信頼/主体性:自発的に自分の考えを開示・共有しようとする*¹
高い自己認識:自分の強みだけでなく、弱みも認識し、自己防衛的にならずに内省する*¹*²
多様性の受容:議論の二面性を理解し、考えの幅がでたり、考えの偏りが少なくなる*²*³
フィードバックの受容:評価などのフィードバックが生産的になる*⁴
これらを傾聴が実現します。お互いに信頼し合って物事を進めることで、新しいアイデアが生まれ、新しいことにも取り組めるようになる。その積み重ねがイノベーションにつながります。
ーー今回のアップデートでAndo-sanはどのように変わったのでしょうか?
鹿内:最近個人的に取り組んでいる筋トレで言えば、エニタイムからライザップへ移ったような感じでしょうか(笑)。エニタイムは設置された器具を用いて、自分でトレーニングを進める形式です。一方ライザップは、トレーナーが付いて、筋トレだけでなく食事メニューや生活習慣も一緒に考えてくれます。エニタイムのようなAndo-sanが、ライザップのように人に寄り添ってくれるようになりました。
Ando-sanが見せてくれるデータをチェックし、傾聴を意識した1on1を続けていれば成果は出ます。しかし、1on1の実施の後押しや定着といった機能がなかったので、Ando-sanを用いて1on1を実施し続けることには、本人のコミットが必要でした。
そこで、今回のアップデートでは定着・継続を後押ししてくれる機能やAndo-sanを利用する障壁を取り除く昨日を盛り込んでいます。
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これまでは、会話行動を変えるための情報だけをユーザーに届けていました。今後は、続けるために楽しくなるような情報提供をより増やしていきたいと思っています。
Ando-sanの未来とは
ーー今後、Ando-sanはどのような進化を遂げていくのでしょうか?
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鹿内:進化の方向は大きく2つあります。それは、技術面と継続面です。
まずは技術面について。データによって「マネジメントを変える」がコンセプトなので、「〇〇をしたら、よりコーチングに近づく」ような会話行動を変えるためのナレッジを提供するような仕組みを入れていきたいですね。
また、計測データを増やすことも考えられます。僕は、会話内容は行動を変えるうえでは不要だと思っているので、他の1on1サービスにある「会話内容の文字起こし」などの機能はAndo-sanにはつけていませんでした。ただ、大阪大学松井研究室との共同研究を進めるにつれて、会話内容の取得も視野に入れています。それは、会話内容が本人の価値観を知るヒントになりそうだからです。
このように、会話内容のみならず、「対話を変える」「行動を変える」きっかけになるデータであれば、取得を考えていきたいですね。
ーーこれを見れば効果が出る!という厳選されたデータをみていくことで、より1on1の質が向上していきそうです。継続面の進化はどうでしょうか?
鹿内:Ando-sanを継続して使ってもらい会話行動を改善していけば、1on1でコーチング・傾聴ができるようになります。ただ難しいのが「継続」すること。新しいことを学ぶのって大変です。なので、できるだけ楽しく続けられるような仕組みを増やして、使う人をより良い1on1へ導いてくれるリーダーシップをAndo-sanに持たせたいですね。
そのため、継続していくための機能・仕組みは改善していきたいと思っています。ゲーミフィケーションだけでなく、ゲーム理論や行動経済学などのノウハウを用いた機能があると面白いかもしれません。
ーー1人のユーザーとしてこれからの進化が楽しみです。それでは、最後にAndo-sanの未来のユーザーに向けてメッセージをお願いします。
鹿内:1on1は、組織をも変える可能性を秘めた施策です。マネージャーがよい1on1をすることで、メンバーが変わり、メンバーが変われば、ボトムアップに組織が変わっていく。僕たち自身の調査でも、コーチング・傾聴によって「組織内の一般的信頼が高まる(組織に他者を信頼する人が増える)」ということが見えてきました。
「1on1の成果が出ていない。質が上がってこない」という課題をお持ちの企業はもちろん、「これから1on1を実施していきたい」という場合でもAndo-sanは活用できます。むしろ、自己流の1on1を続けてしまうことでメンバーとの関係性が悪化してしまう場合も。このことを考えれば、はやいうちから適切な1on1を学んでほしいですね。
メンバーの成長に資する1on1や、1on1を通した組織開発を考えるとき、Ando-sanをぜひ思い出してもらえたらと思っています。
*1 Itzchakov, G., DeMarree, K. G., Kluger, A. N., & Turjeman-Levi, Y. (2018). The Listener Sets the Tone: High-Quality Listening Increases Attitude Clarity and Behavior-Intention Consequences. Personality and Social Psychology Bulletin, 44(5), 762–778.
*2 Itzchakov, G., Kluger, A. N., & Castro, D. R. (2017). I Am Aware of My Inconsistencies but Can Tolerate Them: The Effect of High Quality Listening on Speakers’ Attitude Ambivalence. Personality and Social Psychology Bulletin, 43(1), 105–120.
*3 Guy Itzchakov & Avraham N. Kluger (2017) Can holding a stick improve listening at work? The effect of Listening Circles on employees’ emotions and cognitions, European Journal of Work and Organizational Psychology, 26:5, 663-676
*4 Marie-Hélène Budworth,Gary P. Latham,Laxmikant Manroop. (2014)Looking Forward to Performance Improvement: A Field Test of the Feedforward Interview for Performance Management. Human Resource Management. Volume54, Issue1,45-54 .
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