ミニシアターを運営していて、よくお客様からこのように言われる時があります。
「映画のお話しをされるときの表情が本当に楽しそうですね」
いつも自然体でと自分自身は思っている感覚がそうして受け止めてもらえる…私には‘有り難い気づき’に他なりません。
自分が確信できるモノ=信条を伝える喜びに迷いが生じることがない所為とも言えるのでしょう。
それ自体がある種の幸せなことに対して、マニュアル的に売上げを得ることを主な目的の接客が仮にあったとしても、凡そ来客者を不快にしてしまって良いとするには、カスタマーハラスメントの対象になってしまっている場合が該当します。
もう来てもらわなくて構わないという意思表示と受け取られるからです。
一般的にはコンビニやファミレスでやや起こり得る光景です。
では何故、不快感が双方に芽生えるのか、‘慣れ’に原因があると推察します。何を言っても良いと勘違いしてしまい、実は相手を傷つけていることに気がつかないケースです。
常連であるが故の‘慣れ’から生じる落とし穴とも言い換えられます。
世の中、自分を含めて様々な個性があって、それぞれが勝手な思い込みをしながら比較的にトラブルには遭遇しないように過ごしていても、予期せぬシチュエーションが用意されてしまうことも大なり小なり現れてしまうものです。
その時に誤解であれば解消に努めるのは自然な行為であっても、基本は間を開けてみるのがベターで、昔からよく云う“ほとぼり冷める”忘れた頃にまた訪ねるというのが人の常だと考えます。
そうした意味で接客業の目的が自己利益に基づくものか、自己利益を離れたものかで尺度が異なると思います。
つまりは丁寧な仕事とは何か、そこに行き着くのです。
丁寧な仕事の捉え方は人によってこれまた違うかもしれませんが、明らかに来客者を不快にするケースは該当しないでしょう。
とは言いつつ、もちつもたれつ。
心はいつも寛容でありたいものだと…
シネマポストで現在公開中の台湾映画『本日公休』には接客や人と人との触れ合い方、バランスについて、関心できる要素も多々あります。
機会がありましたらぜひご覧ください。
【漁港口の映画館 シネマポスト 現在上映作品(12月13日まで)のご紹介】
台中にある昔ながらの理髪店を舞台に描くヒューマンドラマ。3人の子供たちが独立した後も一人で理髪店を営む女性が店を休み、病床に伏したという遠くの町に住む常連客のもとへ向かう。監督などを手掛けるのは『恋する都市 5つの物語』などのフー・ティエンユー。『海をみつめる日』などのルー・シャオフェン、『戦慄のリンク』などのフー・モンボーのほか、ファン・ジーヨウ、チェン・ボーリンらが出演している。
【『幽霊はわがままな夢を見る』上映情報】
年明け、まだまだ続いていきます。
今後の情報にもどうぞご期待ください。