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『漁港口の映画館 シネマポスト』は第1週と第3週の土曜日から1週間限定で上映するというスタイルを採っているので、年間で第5週が土曜日の月が4回あります。つまり2週間準備期間が設けられることになります。この2週間を有効に活かして勿論、次回公開作の準備も含めて、活動できる貴重な時間でもあるのです。

今回、念願の鳥取の松崎地区にある廃校施設を再生して独特の運営スタイルで全国から映画ファンや関係者が訪れるという、かねてより注目していた jig theater(ジグシアター)にスタッフと後学を兼ねて、お伺いいたしました。

映画館、カフェ等入った複合施設としての外観
併設のカフェ『HAKUSEN』店内①
『HAKUSEN』店内②
『HAKUSEN』店内③
上映前シアター内

鑑賞した映画は現在『ナミビアの砂漠』が公開中の話題の山中瑶子監督の処女作『あみこ』を観ました。
平日の12時55分開始回にも関わらず、場内はほぼ満員、さらにシルバー層よりも若い層が占めている観客構成でした。
これは映画のタイプの影響もあるとは思いつつも非常にハードルの高さをクリアしている、まさにこの映画館のスタイルを印象付けている光景でした。

ジグシアターさんは開設して約3年、シネマポストはようやく1年を終えたタイミングです。石の上にも3年と言います。様々研鑽や改善に努めて今の姿があるのだと、こちらの映画館のホスピタリティや空気感から、おそらく醸成されてきたプロセスが素晴らしかったのだと推察しました。

この地域は写真からもお分かりのように自然に恵まれた環境で、そこから約20分以内で移動できる圏内に倉吉駅があります。倉吉に近いという意味では利便性が特段悪くはありませんが、車を使っての訪問はベターとしても、やはり鳥取への交通アクセスは住み馴れた下関の環境との比較ではなかなか考えさせられます。
私はかつてシネマポストを開設すべきかどうかで悩んでいた時に応援団長のシバタニさんから「交通云々でなく、そこに映画館があることが大事なんです。映画を観たい人はどんな状況にあっても行きますから、気にしないでください!」
その言葉を思い出しました。
館を主宰する人たちの情熱がいかに大事か、そこに尽きるのだと改めて実感したのです。
映画館開設という発火点を契機に良い意味で他者を巻き込んでいきながら、協力者や共鳴した人たちがいろいろな連携をしていき、ランドマークとしての文化発信の場に昇華されていったのだと思います。

今回の学びを早速、次回公開から活かしていこうと、やはり体験に勝るものは無しと。
皆さんも機会がありましたらぜひこだわりのミニシアター、ジグシアターを訪れてみてください。

【漁港口の映画館 シネマポスト 次回上映作品(12月7日より)のご紹介】


提供・配給 ザジフィルムズ
オリオフィルムズ
提供 竹書房
協力 大阪アジアン映画祭
後援 台北駐日経済文化代表処 
台湾文化センター
台湾/カラー/1.85 / 5.1ch
監督・脚本 フー・ティエンユー
製作 ウー・ニェンツェン
主題歌 ホン・ペイユー
キャスト ルー・シャオフェン(アールイ)
フー・モンボー(チュアン) アニー・チェン(シン) ファン・ジーヨウ(リン) シー・ミンシュアイ(ナン) チェン・ボーリン(農家の若者) リン・ボーホン(アンディ) リウ・イーハオ(ヘアーモデル)

台中にある昔ながらの理髪店を舞台に描くヒューマンドラマ。3人の子供たちが独立した後も一人で理髪店を営む女性が店を休み、病床に伏したという遠くの町に住む常連客のもとへ向かう。監督などを手掛けるのは『恋する都市 5つの物語』などのフー・ティエンユー。『海をみつめる日』などのルー・シャオフェン、『戦慄のリンク』などのフー・モンボーのほか、ファン・ジーヨウ、チェン・ボーリンらが出演している。


【『幽霊はわがままな夢を見る』上映情報】
現在、名古屋シネマスコーレにて好評公開中!(12月6日まで)

近郊の方にはどうぞこの機会、ご鑑賞くださいませ。
今後の展開は公式ホームページをご参照ください!


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