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横浜流星主演 べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~第5話を観て



かなりテンポがいい~蔦重栄華乃夢噺~。

今回も展開がいろいろあり、布石回とも言えるのではないでしょうか?
唐丸の過去と未来の布石はものすごく思わせぶりが激しく、どう考えても東洲斎写楽なのでは?とおもってしまうところ………。

東洲斎写楽は出生不明。そして絵師としてはわずか10ヶ月ほどの活動しかしていない謎の人物ゆえにいろいろな考察ができるのではないかと思ってしまうけど、今後の展開が気になるところです。


今回は『蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)』


NHK べらぼう公式サイトより https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/

第5話は蔦屋重三郎はもちろん唐丸の未来への布石を散りばめたお話し。

今でいう互助会のシステムにより本屋の版元になれなかった蔦屋重三郎(横浜流星)はくさっていた。
花の井(小芝風花)の言葉も理解はできるが納得できない。お願いされる仕事も上の空で唐丸が気を利かして請け負う…のだが、唐丸に怪しい視線を向ける一人の男がいた。

また蔦屋重三郎には鱗形屋(片岡愛之助)からのスカウトの文が届いていた。そんな彼に義兄から、どうやっても版元になれないことを「欲」がでてきたと指摘される。
ちょうどその時、お店に唐丸に先日絡んだ男と平賀源内が現れる。

平賀源内の鉱山の副産物として炭を売る話しの中から商売のアイデアがぼんやりと見えてくる蔦屋重三郎。さらに平賀源内は生き方の道筋をも指し示すのだった。それは将来のために奉公という生き方を選択肢の一つとして考えるきっかけになるものだった。

夜、唐丸の様子がおかしいことを問いただす重三郎だが彼は否定する。
翌朝、起きた重三郎は唐丸がいないことと同時に金庫ごとなくなっているのを見つけ唐丸を探すために走りまわる。

見つからない唐丸との馴れ初めと未来を花の井と会話す重三郎。
彼は将来唐丸を絵師としてプロデュースを夢見ていたことを話す。それを胸にしまい重三郎は鱗形屋の奉公人としての道を選択する。

その頃
秩父では平賀源内のディレクションで採掘している鉱山では事故により賠償金を請求される事態が起きていた。そのため平賀源内は田沼意次に金策の手助けを乞う一方、田沼意次は会話の中から日本の進むべき道筋を見出していく。夢物語に将来を夢見る2人だが現実的にはそれは未だ実現不可能であることを解っていた。
そして平賀源内は田沼からの助力によりなんとか危機を脱するのだった。

そして尾張・熱田では新たな火種となる事案が芽吹く……。


まだまだ1775年のお話しがつづく

前回の「雛形若菜の初模様」が1775年ということですが今回の話も1775年のお話しと思われます。
次回作が「早引節用集」の盗用販売と思われる事案なので同じ1775年。
調べれば調べるほど蔦屋重三郎の人生はドラマティックであり、うまい脚色で面白さに満ちてきています。

蔦屋重三郎は今後 鱗形屋で奉公人として仕事をこなし、様々な事案を乗り越えて自身で版元として成り立っていくことは明確です。
ここから8年後の1783年には独立開業をしたと言われているのでこの8年間でどんなことが起きたのか?を見せてくれると思います。

早速は次回『鱗(うろこ)剥がれた『節用集』』では節用集(国語辞典のようなもの)の偽板(にせはん/ぎはん)の問題が噴出しそうで、これは鱗形屋(片岡愛之助)の商売に影響を与える事案のひとつですが、鱗形屋に所属する蔦屋重三郎にもさまざまな問題が降りかかることが予想されます。


時代劇の重鎮が登場!これは更に魅力が増すドラマだ


NHK べらぼう公式サイトより https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/

今回は須原屋市兵衛(すわらや・いちべえ)を演じた里見浩太朗さんが先人の知恵と新たな扉を開く案内をしてくれるのは印象的。

公式HPにも書かれているが、須原屋市兵衛は解体新書などの版元でも知られる人。偶然かもしれないが、いま劇場で公開している「雪の花 ーともに在りてー」でも解体新書が主人公の笠原良策(かさはら りょうさく)が医療知識の意識を拡大させるきっかけとなっているので、興味持つ人は劇場に足を運んでもらいたい。

まさかこの人も大河ドラマに!?!?

べらぼう 公式Xより https://x.com/berabou_nhk/status/1885855843218038790

もう一人忘れてはならないのが、秩父・中津川鉱山の船頭として登場した佐々木健介。
プロレスラーであり北斗晶の旦那である。

ざんばら系のかつらを付けているが顔の中心部はまさに佐々木健介!
一目見るだけで判るのだが、コレには驚いた
しかも平賀源内(安田顕)の助手・平秩東作(木村了)を人質にとってチョークスリーパーをかけんとばかりの行動はさすがというかなんというか……

いやあ こういったゲスト枠での遊び心はまだまだ続きそうなのでますます目が話せないドラマになっていきそうです。


やはり横浜流星の演技力は素晴らしい


NHK べらぼう公式サイトより https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/

横浜流星の喜怒哀楽の演技は観ていても共感するほどの自然さに満ちており、テレビの前で一緒に喜んだり辛かったりする。
先日からNetflixで「正体」が観られるようになっていますが「正体」では苦悩の横浜流星が多く見られるがその苦悩に加えて決意も観られるのでぜひ観てもらいたいと思う。

その中でも唐丸にむける眼差しの柔らかさと疑念をもっているが打ち払おうとする雰囲気の演技はよかった。どこか信頼をしている信頼をしているからこそ疑いたくない…という演技と、花の井との会話で見せる唐丸との未来を思っての泣きのシーンは観ている側の胸に伝わるものが多々あるのではなかったかと思う。

今週も花の井(小芝風花)の出番は少なめではあるものの、やはり蔦屋重三郎との関係性が戦友であり親友であることをイメージ付ける。あ
綾瀬はるかのナレーションもポイントだけなのですが、あまりいれると説明ナレーションが多く感じてしまうのでこれくらいでちょうどいいのかもしれない。

社会風刺もしっかりと描く奥深さ


https://x.com/berabou_nhk/status/1886013633282642146

田沼意次(渡辺謙)と平賀源内(安田顕)が会話をするシーンがあるがこれがまた奥深い。
「国を開けば、おのずから世は変わる」
という田沼意次。
それに対して平賀源内が
「国を開きゃあ、占め子の兎!!(国を開いたら、何事も上手くいくよ)すべてがひっくり返ります」
と声を掛け2人は大笑いに。
しかし田沼意次は笑ったあとに冷静に
「そういうわけにもいかんな」
と発し平賀源内が
「まことに国を開けば、あっという間に属国とされて終わりましょう」
と返し、これにあ田沼意次は続ける
「もうこの国には戦を覚えておる者もおらんしな」

これは国の政策として開国への可能性と必要性をすでに見越している先見の明の一つでもあるがその後の会話では現実的に今は無理であることを悟っている様子もみせる。
まるで島津斉彬のような先見の明でもあり、この2人が生まれ育った時期が100年遅ければ開国がもっとスムーズにいったのかもしれない…

また戦争の記憶が世間から失われている事実をも風刺しているともいえるだろう。
戦後80年。今となっては太平洋戦争の語り部も減り忘れ去られようとしている現実をも示唆したシーンともいえる。

ちなみに島津斉彬は、薩摩藩第11代藩主で島津氏第28代当主。
倒幕を行った西郷隆盛らを育てた人と言われている。


来週は盗作疑惑がメイン!??


NHK べらぼう公式サイトより https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/

前回、蔦屋重三郎をうまく利用した鱗形屋(片岡愛之助)に大きな影が襲いかかりそう。(史実的には甘い罠ではなく、蔦屋重三郎は版元と吉原のパイプ役でしかなかった…ともいう説あり)

また版元の互助会は政策の一環として株仲間のシステムを認可したのが田沼意次ともいわれているので、なんとも皮肉なもの。

歴史的にも鱗形屋は失敗からの回復を行うが、その先では実質失脚してしまうので、その第1歩とも言うべき事件への流れになるのかもしれない。

それが次回の偽版(にせはん」/ギハン)に関わるお話しで、これは通信網がなかったかの時代らしいお話し。
関西で出回っていた国語辞典。それをそっくりそのままタイトルだけを変えて関東で販売をしているのでは?という疑念が主な展開になりそうです。

著作権の問題をうまく盛り込んだシナリオになるかもしれないので期待したいところ。

これはまた来週も見逃せないお話になりそうです。

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