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自社単独ウェビナー1回で1,000名集客した時の話

株式会社CINCのマーケティング部署でウェビナー施策を担当しております、松村と申します。本日は、100回以上のウェビナー運営を担当するなかで、会社としても最多の1,101名の集客を達成したウェビナーについて、集客成功の要因やこだわったポイント、直面した思わぬ課題などをまとめます。


このような方におすすめ

下記のような課題をお持ちの方は、ぜひご一読いただけますと幸いです。

  • マーケティング施策としてウェビナー開催を検討しているが、得られる効果が不明瞭で実施まで踏み切れていない

  • ウェビナー担当になったが、わからないことだらけで不安を感じている

  • ウェビナーを一度開催してみたが、成果に繋がっていない

記事の目的と読者が期待できる内容

この記事を読んでいただくことで、下記のようなメリットがあります。

  • ウェビナーから得られる効果を、事例をもとに具体的に知ることができる

  • ウェビナーの企画法や運営の流れなど、概要を知ることができる

  • 集客を最大化するためのコツを知ることができる

次回のウェビナーから即実践いただける内容も含まれているので、ぜひ参考にしてみてください。

本ウェビナーの成果

まず、1,000名超えの集客を達成できた本ウェビナーの成果を詳しくお伝えします。

<ウェビナー当日の様子>

集客実績

「集客」にフォーカスすると、本ウェビナーから下記のような成果が得られました。

  • 集客数:1,101名

  • 集客経路内訳: 

    • Eメールマーケティング:778名(70.7%)

    • Meta広告:73名(6.6%)

    • SNS集客:100名(9.1%)

    • その他:150名(13.6%)

  • 集客属性:

    • マーケティング部署:55.3%

    • 主任・係長クラス以上:43.1%

<集客経路>
<部署>

ウェビナー当日実績

続いて、ウェビナー当日の実績は下記です。通常のウェビナーと比較して、両数値とも良い結果を得ることができました。

  • 視聴率:75.9%

  • アンケート回答率:69.3%

本ウェビナー企画の背景

ここであらためて、本ウェビナーはどのようなテーマ・内容だったのか、企画背景も含めてお伝えします。

企画の内容(WHO/WHAT/HOW)

実は本ウェビナーは、「緊急」で開催が決定したものでした。というのも、Googleのアルゴリズムアップデートがリリースされたからです。弊社の祖業である「SEO」業界においてGoogleのアルゴリズムアップデートは一大イベントですので、Googleからのリリースがあった直後、できる限り早くウェビナーを開催することをルーティン化しています。
 
こういった背景もあり、本ウェビナーは臨時でありながら定期的に行っているウェビナーでもあります。本ウェビナーの企画内容は下記の通りです。

<WHO・WHAT・HOW>

企画は集客成功の可否を決める最重要ポイントの1つですので、どんなに時間がない中でも精いっぱいこだわるよう意識しています。

なぜ1,000名集客できたのか?

次に、なぜ1,000名以上の集客を達成できたのか、主な要因を3つご紹介します。

要因①:業界の「トレンド」にいち早く乗ることができた

1つ目は、業界の最新トレンドに迅速に対応したことです。この要素は、運営側でも特にこだわった点と言っても過言ではありません。具体的には、

  • アップデートリリースから約1週間で集客開始

  • アップデートリリースから3週間以内にウェビナーを開催

というタイトなスケジュールで開催を実現しました。
 
通常は開催予定日の1.5カ月~2カ月前に企画を実施し、集客期間は2~3週間設けるため、本ウェビナーは通常の半分程度のスケジュール感です。
 
コアアルゴリズムアップデートはWebマーケティングに携わる多くの方に影響が及ぶからこそ、いち早くウェビナーを開催し、競合企業と差別化を図るとともに、ターゲット企業のSEO担当者の関心が冷めないうちに濃い最新情報をお届けすることを意識しました。

要因②:「登壇者」の権威性があった

2つ目は、タイトルの通り登壇者の権威性です。本ウェビナーは、弊社の副社長の平(たいら)に登壇いただきました。平のプロフィールは下記です。

▼平のプロフィール

<YouTube「SEO研究チャンネル」>
<Xアカウント「SEO研究チャンネル」>

上記のように、SEO業界における副社長の権威性が、1,000名超の集客に大きく寄与したと考察しています。例えば全く同じ内容のウェビナーを私が実施したとしても、ここまでの集客数は見込めなかったことは想像に難くないです。

要因③:通常以上に集客に注力した

3つ目は、集客施策です。通常のウェビナーはインハウスへのメールを中心に集客していますが、本ウェビナーでは施策を増やし集客に注力しました。具体的に行った施策を下記に紹介します。

・外部メディアを活用して配信面を増やす
IT業界の専門家やエンジニアをメインターゲットとするメディア「TECHPLA」に本ウェビナーの案内を掲載しました。今回のように「Google」や「データ解析」関連のテーマはTECHPLAと相性が良いことが過去のウェビナーで分かっていたため、優先的に掲載しました。

他にもPR TIMESでリリースしたり、サービスのターゲットとマッチする外部メディアに掲載したりすることで、集客や認知獲得に役立ちます。ただし、工数対効果の観点を忘れないようにすることも重要です。

・登壇者・他部署にも集客協力を依頼
登壇者をはじめ、Xで影響力を持っている社員の方々にも集客にご協力いただきました。特に登壇者のアカウントはSEOに関する情報感度の高い方が多く、約100名のお申し込みをいただきました。また全社に向けて「ウェビナー開催のお知らせ」をすることで認知してもらい、集客状況を共有しました。そうすることで、営業担当が架電の際に案内してくれたり、コンサルタント・カスタマーサクセス担当が既存クライアントに案内してくれたりと、多くの方の小さな協力が積み重なって1,000名を達成できたと思っています。

▼副社長(登壇者) 平の投稿

▼Marketing Native編集記者の投稿

・広告配信
ウェビナー開催が決定した時から「今回のウェビナーは集客に注力する!」と決まっていたため、Meta広告も使用しました。テーマにもよりますが、オーディエンスの設定やクリエイティブを工夫することで効果的にリード獲得が可能です。

「集客数」だけでなく、「新規数」という観点で広告は非常に有効ですので、ここぞという時は配信を検討すると良いと思います。

▼配信結果
・予算:300,000円
・獲得リード数:79件
・リード単価:約3,800円

【裏話】1,000名集客で直面した運営の課題

1,000名の大台を達成し、順調に進んでいるようにみえた一方で、実は過去ウェビナーで経験したことのない「嬉しい悲鳴」にいくつか直面しました。この機会に、直面した課題もご紹介します。

課題①:集客加速のための交渉

実は本ウェビナーは最初から1,000名の到達を見込んでいたわけではなく、初回の集客メールで通常の4~5倍にあたる188名集客できたり、Meta広告の進捗が好調であったりしたことから、途中で「1,000名突破に向けて集客を加速しよう」と動きを強めることにしました。具体的には、通常1回のウェビナーに対し2~3回のメールを配信しているのに対し、本ウェビナーは合計5回のメールを配信しました。当時別事業部であったマーケ部署にも配信を増やしていただけないか交渉し、全社のハウスリストをフル活用して集客に臨みました。

課題②:参加者がZoomの上限越え!?

弊社の契約しているZoomのプランは参加者数の上限が「1,000名」である中、参加率を加味して集客を続けていました。一方で参加者が1,000名を超える場合の対応を全く考えておらず、急遽ルールと体制を整えることになりました。結果的に参加者数は1,000名を超えませんでしたが、普段のウェビナー運営からは想定もしていなかった事象だったため、大きなイベントをする際は考慮が必要です。

課題③:当日運営難易度の上昇

1,000名の集客を達成し喜びが大きかった一方で、内心運営としてウェビナー当日が不安で仕方なかったことを覚えています。共催ウェビナー・自社主催ウェビナーを合わせると、これまで100回を超えるウェビナー運営を行ってきましたが、今思い返してもこのウェビナーが一番気持ちの張り詰めたウェビナーでした。具体的には下記のような難しさがありました。

・配信トラブル
当日は1,000名近くの方が参加してくださり、登壇者の平も300枚を超えるスライドを用意しており、配信環境に高い負荷がかかっている状況が約90分続きました。音声が途切れたり、画面の切り替えがスムーズにいかなかったりと、配信トラブルが何度か起こってしまいました。当日は祈ることしかできず、心臓が止まりそうになりながら運営していましたが、ウェビナーの体験向上のために十分な配信環境を整えることも非常に重要だと痛感しました。

・想像以上の質問数
当日はなんと「45問」の質問をいただきました。普段は3~5問程度なので、参加者が多いことを考慮してもいかに多くの質問が寄せられたかがおわかりいただけると思います。当時は全ての質問に答えることを一つのウェビナーの価値としておいていたため、当初90分の開催を予定していたのに対し、結果的に120分を超えるウェビナーとなりました。多くの質問をいただけることは非常にありがたいですが、できる限り多くの方にとって満足度の高いウェビナーになるよう、例えば関心度の高い質問から優先的に回答できる仕組みをつくるなどの工夫が必要だと感じました。

<Q&Aの様子>

まとめ:自社の強みを最大限に活かしたウェビナーを

「企画」と「集客戦略」次第で集客数は増やせる

ウェビナーは着手しにくい施策のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、費用をかけずにリードを獲得できる費用対効果のよい施策でもあります。また、トレンドを意識した「企画」や地道な「集客戦略」を全うすることで、会社の知名度を問わず成果を残すことも可能です。時間をかけすぎず、まずはスモールで着手してみても良いかもしれません。

ウェビナーは「受注」への貢献が期待できる施策

ここまで読んでいただき、「実際受注に繋がるの?」と疑問に思われた方もいらっしゃると思います。ウェビナーはナーチャリング施策のひとつでもあるため、直接的な受注への貢献は見えにくい場合もあります。

一方で、弊社もSaaSツールでは継続的にウェビナーを最終CVとした受注が生まれていることに加え、受注案件のうち4割以上が平均2回のウェビナー視聴実績があることがわかっています。

サービスの単価や特徴によって直接的な受注への貢献度合いは変わってきますが、主要施策として検討する価値は十分にあると個人的には思います。競合企業が積極的にウェビナーを実施している場合はウェビナー施策との相性が良い可能性が高いので、ぜひ実施を検討してみてはいかがでしょうか。


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