パリオリンピックのボクシング騒動について思うこと
パリオリンピックで性分化疾患やアンドロゲン不応症が話題になってから数か月。話題にする人もほぼいなくなって、やっぱりみんな一過性の興味しか持たないよな~と思っていたら、なんか出た。そして微妙に再燃してたね。
ちょっと思ったことをだらだら書き留めとこうと思う。
※あくまで一当事者としての私の感想ですよ
オリンピック中に思ったこと
まずはめちゃくちゃ怖かった。
自分の疾患って人に知られると、あんなふうに誹謗中傷されてしまうものなんだって。正直めっちゃ泣いたし、希死念慮めちゃくちゃぶり返した。
だって、あんなの人にかけていい言葉じゃなかったもん。
次に件のボクサーに対する心配。
もし本当に性分化疾患を持ってたとしても、あの人は大会規定に則ってルールから逸脱しないように出場しただけと思うけど。
第三者の私でさえ、まるで自分に言われているように怖い言葉だったのに、件の当人はどれほど怖かっただろうかと思うと、そんな中で闘い切ったのは本当にすごいと思う。
世の中に対しては、こういった話題を利用した政治構造が透けて見えてめちゃくちゃ気持ち悪かったな…。メディアや著名人がテキトーに煽って扇動して、それに乗っかって勝手に憎悪を膨らませた挙句に個人を攻撃する人たち。
自分たちが特定の属性で差別されたり貶められることにすごく敏感なくせに、他人を差別したり貶めるようなことを言うのは平気な人がこんなにいるんだなって言うのも改めて感じた。
まあ、私もそういう人たちに対する嫌悪感を表に出しすぎちゃったとは思うけど。やるせなくてつらいオリンピックだった。
もちろん、性分化疾患の人を絶対に本人の言い分通りに出場させろなんて思わない。でも、もっと慎重に事実を鑑みて議論されるべきことな気はずっとしてる。
先日のニュースで思ったこと
まず思ったのは、
えっ、そんなに簡単に医療情報って流出する?
ガチだとしたら今の時代にヤバすぎだし、大問題過ぎない?
でした。個人情報流出ってそんなに看過していい問題なんだろうか。
それから個人への攻撃がひどすぎて心が痛い。
本当に軽率にメディアに踊らされている人たちは、一回落ち着いてくれないかな。
染色体XYで子宮と卵巣がなくて停留睾丸があって…そんな身体状態と疑いのある疾患名が出てる状態…なのかな?事実かどうかも分からない情報を真に受けて、勝手な解釈でとんでもなく酷い言葉を吐き続ける。うんざり。
いくら自分に言われているわけじゃないってわかっていても、まるで自分に言われているかのように感じてしまう。アンドロゲン不応症を名指ししている人もいたしね。
正直、まだ終わってなかったんだって、ちょっとだけ絶望した。
被差別者は差別されることを日常にすべきなんだろうか
たまたまこんな身体で生まれてしまった、私にとってはそれだけのこと。
性別は自分で選んだわけではない。選べるわけもない。
小中学生のころはスポーツしてたし、地区選抜に選ばれたこともあった。
奨学金は借りてるけど大学まで出させてもらって、就職して働いて納税もしている。
ただただ頑張って生きている。
それでも、目を覆いたくなるようなひどい言葉を投げかけられて当たり前。自分がスポーツをしてた過去まで否定されてしまうような言動もされて当たり前。誹謗中傷も差別もされて当たり前。
だって、そんな身体で生まれてしまったんだから。
私はそういう風に自分で自分を納得させて生きていくしかないんだろうか。
こんな世の中に対して私は普通に傷つくし、正直生まれたことも生きていることも苦しい。全然生きやすくない。
いつか、しかたないって思わなくても生きていける世の中になればいいなって、本当に心から思うよ。