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クリエイターが持つべき著作権の知識



無名でも権利を主張できるの?


 ”自分はまだ駆け出しの無名マンガ家だけど、自分の作った作品は「著作権」を主張することができるのかな?”
 完全に主張できます!あなたが作ったものは立派な「創作」であり、メディアに載る載らないに関係なく、どんな人の創作物にも「著作権」が発生するのです。
 またプロが制作した作品はもちろん、一般個人がスマホで撮影した画像も著作権の対象になり得ます。

 著作権の侵害


 たまたまブログを見かけたとき ”これカッコイイ~ この写真コピーしよう”。
You Tubeを見たとき ”ワォ~イカシテル! この動画自分のサイトに埋めこもう”。
誰もが “まあ~これくらいなら大丈夫だよね” という気持ちで写真をシェアしたりする。
 このように、最近では手軽にコピーや撮影ができる機器が多く出回るようになり、動画配信サイトへ簡単にアップロードができる状況です。
 しかし、そういう行為は「著作権侵害」とみなされることもあり、最悪の場合著作者から訴えられ、罰金刑や民事責任上の追及を受ける恐れがあるので注意が必要です。
(刑事罰では著作権法119条1項:10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金)
        
 

著作権(知的財産権)とは


 著作権とは簡単に言うと、自分の著作物を守るための権利です。
 膨大な時間や知恵を出して制作した自分の創作物を、第三者に勝手に使用されたり、商業目的で無断に利用されないようにする権利といえます。
 
クリエイターや作者の著作物としての写真・小説・楽曲・絵画・漫画・アニメーションなど様々な表現形式が対象となり、著作権法で保護されています。
 
著作権は作者の届け出や公示を必要とせず、創作と同時に権利が発生します。
 
日本は「無方式主義」という方式により、著作物がつくられた瞬間から自動的に著作権が付与されるようになっています。

この権利を持つ作者は自身の著作物の使用を独占でき、自身の著作物を無断利用する第三者を排除できるのです。
 
「著作権」にはクリエイターの名誉や「作品への思い入れ」を守る権利などを含む「著作者人格権」や「公表権」など12種類あります。
 
また著作権は譲渡可能であるため「著作者」と「著作権者」の違いも理解することが重要です。
 

著作権が発生する業界


 ・作詞作曲家、アーティスト、音楽プロデューサー、レコード会社等の音楽業界。
・映像クリエイター、脚本家、監督、制作会社等の映画・映像業界。
・ゲーム開発者やデザイナー、キャラクタープログラマー等のゲーム業界。
・小説家やエッセイスト、写真、イラスト、ライター等の書籍出版業界
・広告のコピー・デザイン、クリエイティブ作品等の広告・マーケティング業界。
・グラフィックデザイン、Webデザイン、プロダクトデザインを手掛けたデザイナー。
 他にも、テレビ、ラジオ局、新聞社等のメディア業界、ITアプリ開発のソフトウェア業界、研究データの教育・研究機関、絵画・彫刻・アーティストのアート業界、ファッション業界など多数の業界や分野にも著作権が発生する可能性があるので、無断で使用したとき「知らなかった!」では済まされない場合があるので注意が必要です。

 

著作権の利用とパブリック・ドメイン


 著作権は著作者の「許諾」を得たり、適法に「引用」することで著作権を侵害することなく著作物を利用することが可能です。
 また著作権は創作物が作られたと同時に発生し、著作者の死後も一定期間権利が保護されますが、著作権法では著作者の死後70年間で権利を消滅します。
 この消滅を「パブリック・ドメイン」といい、失効後は誰でも自由に二次利用することができます。
SNSによる著作権の危険性
 近年では、急速なインターネットの普及によりクリエイターにとってインターネットの世界は、作品を公表したり情報を発信する重要な場となっています。
 しかし著作権者の許諾を得ずに、コンテンツの無断使用やマンガやアニメ、映画などが無断でインターネット上に配信されるケースが増えています。
 
この行為は著作権のなかの“公衆送信権”“出版権”を侵害することになり、大なり小なりリスクは確実に存在しているのでやめた方が良いです。
 
広く活用されているSNSも情報収集力と拡散力に優れているので、その情報や画像などを無断使用し、いつのまにかSNS上で他人の肖像権や著作権を侵害している危険性があるので注意が必要です。

 クリエイターのための著作権収益


 著作権は創作と同時に権利が自動的に発生し、著作者の届け出や登録を必要としませんが、しかるべき届け出をすれば「お金」になるのです。
 音楽アーティストの場合、楽曲して歌ったり、演奏したり楽しんでいるだけならそれはそれでよいのですが、スカウトによるデビューとかよほどのことがない限り1円も受け取れません。しかし、配信ストアで1回でも再生された際には「配信収益」を受け取れます。
 音楽において、作詞・作曲・演奏をして曲そのものを作った時「著作権」が発生します。もし、その楽曲がたまたまテレビやラジオで流れ使われても「僕にお金払ってください!」と言っても相手にされません。
 実は、『著作権使用料』は、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)や、楽曲の委託契約をするNexToneという国が認めた著作権管理団体が使用料をまとめて徴収し、権利者に分配しているのです。
 また著作権管理団体と音楽著作者の間には『音楽著作権』を専門に取り扱う音楽出版社が間に入ることが多く、収益の受け取りや著作者へのお金の配分や煩雑な業務を代わりに行ってくれます。
 著作権の届け出と委託
 個人のシンガソングライターや、インディペンデント系のアーティストの皆さんは、
”よし!この曲を皆に聞かせよう”と思った時、自分の楽曲を「著作権管理団体」、または「音楽出版社」に届け出をすることで『著作権』を預けることになり、配信されたときお金を受け取ることができます。
 でも?個人のアーティストの方は、音楽出版社に連絡したり契約を結ぶことは難しいです。
現在では、誰でも手軽で簡単にアーティスト登録でき著作権収益を受け取ることができる「著作権管理サービス」もありますので是非チェックしてみてください。
 漫画家や画家の著作権と収益
 漫画家の方も漫画を描いて原稿料をもらい、本になり出版されると「出版権」が発生し印税収入が得られ、さらに著作物をデジタルコンテンツとして、スマホやタブレット、PCで販売する権利となる「公衆配信権」も発生し収益が得られます。
 芸術家やアーティストの作品は1点ものなので、販売した時点でその作品対価を売り切ることになりますが、作品を複製したり、Tシャツや商業印刷で二次著作物を製作されることにより「著作権収益」を得られます。
 

アーティスト保護の新ソリューション


 今日のデジタル世界では、AIが引き起こすデジタルコンテンツの盗用や著作権侵害の増加が問題になっています。
 それに対応するため米国の某テクノロジー会社では、クリエイターの著作権を守る「自己防衛ツール」を開発しています。
 このAIツールは、デジタルコンテンツに「成分表示ラベル」のような改ざん防止メタデータを付与する技術で、クリエイターが自分の作品の制作過程や編集履歴など、詳細な背景情報を共有できる仕組みが提供されています。

これにより、視聴者はそのコンテンツが誰によって、いつ、どのように作成されたかを把握することができ、誤情報や偽情報への対策にも役立ち信頼性が向上します。
 近い将来、このWebアプリを利用すればクリエイターは作品に認証を付けることで不正使用を防げ、安心して作品を世に送りだすことができます。
 
 

クリエイターとしての権利と知識


 デザイナーや漫画家・アーティストは日々多くの作品を創りだしており、他人の権利を侵害する可能性も、逆に他人から権利を侵害される可能性も、非常に高い職種です。
 これからのクリエイターは、自分の身を守るためにも「著作権」に関する最低限の知識やルールを知っておくべきです。

credit: Cignals編集部

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