100人の家族と100の暮らしかた/Cift京都はじまります。
私、この3年で家族が100人増えたの。
というと、ほとんどの人が「何それ?」と言うだろう。正直、自分でもそう思う事がある。
でも、たしかに増えた。増えに増えた。新旧あわせてその数100人を越える。ただ、「家族」とはいえ、その100人の誰一人とも、血の繋がりはない。
友人とも知人とも仕事仲間とも違うその繋がりを、必要な違和感を持って家族と称し続けている。違和感というかなんというか、「問い」のようなもの。家族ってなに?繋がりってなに?暮らしって何?個々から生まれ来るそれらの問いを、ずっと100人から共有してもらっている感覚。
この活動の名前は Cift という。
拡張家族って何?
2017年の春、渋谷のど真ん中からスタートしたこの取り組み、たしかに切り取り方によって様々な説明の仕方ができるけれど、メンバーの一人、愛梨の日記曰く、赤の他人だったはずの多種・多世代の人間たちが、「共に生きる」という一つのコミットメント(そのコミットメントのことを、家族になる と表現している)を持ち、それぞれにとって有限であることは間違いない「時間」や「空間」を共にするという、果てしなく尊い経験。だという。
うん。たしかに。
あと、付け足せば、これからの多様な暮らしを見据える、実験的生活者コミュニティ。とか、主体的に自らの暮らしから見出すあれこれを社会にひらいていこうという意志のあるひとたち。家族と思ってみるから始まる社会とかそんな感じです。
うん。。やっぱり何度説明しても難しい…
遡ること2016年、藤代健介という一人の男子が、渋谷開発の一環で東急さんの作るクリエイターコミュニティー立ち上げのサポートをすることになった。というなんともキラキラした案件から話は始まるのだが、そっから紆余曲折しながらも翌年無事にciftはうまれた。…と、その話は長くなるのでまた今度。
「ハウスを共有する」というのは、いわゆる概念的な表現で、実際の活動の形は一見普通の賃貸やシェアハウスと変わらない。だけど、家というものの存在を共有するということからの気づきや経験を個人のものというだけにせず、自ら開いていくことは、当初の想像以上に尊く、そして難しいことだった。
渋谷一丁目、宮下公園の目の前にある、SHIBUYACASTビル13階のワンフロアを使用した、約40人19世帯のハウスからはじまり、気がつけば3年。生活の拠点となるハウスも、松濤の三階建て一軒家、鎌倉のシェアスペースと家族数と共に徐々に増えている。
Cift京都ハウスができます
そして2020年、西日本初の拠点となる京都ハウスが出来ることになった。
建物は、「京都 下鴨 修学館」といって、地名的には「下鴨」と呼ばれる京都でも特別なエリアにある。琵琶湖疏水沿いの桜並木に面した1970年建造の、もともとは女子寮だったおうちで、春は桜、現在は蛍が飛び交い、夏には五山送り火が目の前。秋は紅葉、冬の比叡山も二階からきれいに見えるだろう。
敷地内には中庭があり、庭を中心にV字型の建物が囲む。個室は約21部屋。細かく仕切るとその倍ぐらいの部屋数になるが、2部屋をつないだり、あれこれ検討の結果、初期はそのぐらいの世帯規模になる予定。単独での使用はもちろん、ルームシェアの部屋もあり、渋谷のCiftと同じように広い共有部(家族の居間やキッチン、お風呂、ワークスペースなど)があるのが特徴。
実験的生活者コミュニティとして
今回は、建物自体をCiftのメンバーだけでなく、一般の入居者や地域、多拠点生活に関係する様々な方と協働利用し、Ciftのもつ、暮らしの実験機能を今よりもっと開いていくつもり。ハウスの正式オープンは9月。そして、7月からは徐々に、プロジェクトに関わる既存のCiftメンバーによる、新しい暮らしづくりがスタートする。
このnoteでは、Cift京都でこれから始まる日々のこと、取り巻く生活の風景、そして、せっかくなので約100人の家族のことや100の暮らしの話を中心に、おつたえしていくことが出来たらと思います。
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さて、最後に質問。
あなたにとって、家族とはなんですか?
結構真面目にきいている。この壮大な問いは、きっといつかどこかで、新しい未来を作っていく。
強く優しい100の問いかけが、ここからまた、たくさんの人に届きますように。
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この場をお借りして、Ciftの取り組みを深く理解し、共に未来を考えていこうと私たちにお声かけしてくださった、大家の宮崎さん、建築家の土橋先生、運営管理の(株)フラットエージェンシーの皆様に感謝いたします。