【フランス家庭料理】ラクレット
フランスで、ラクレット(Raclette)専用マシンのない家庭はない。と言っていい。
持っていない家があったら、そんなのは家庭ではない。と言ってもいい。
たぶん。
大家族はもちろん、核家族、カップル、一人暮らしでも、ラクレット・マシンはたいてい備えている。
ラクレットはスイスと接するサヴォア地方の料理で、保存食用の巨大なチーズの断面を火で温めながら、薄く削って食べる料理だけれど、現在は薄くスライスされた状態でフランス中どこのスーパーでも売られている。
寒い冬の人気料理だ。
同じく保存食であるハムが添えられ、これまた保存に向いたジャガイモをゆでたものに、チーズをからめたりしていただく。
チーズとジャガイモとハムは簡単に手に入る食材で、子供も含め誰もが好きで、準備が楽。技術も必要としない。
間違いなくお腹いっぱいになる。
一人ずつ自分の好きなように作れるところもいい。
友だちが来たときも、これさえあれば安心だ。
アレンジも効く。スライスした玉ねぎやマッシュルーム、トマト。チーズに合うものならなんでもよい。
下のように、自分の好みで乗せる。
マシンの上にはジャガイモを乗せる。ゆでたジャガイモが冷めることなく、最後まで楽しめる。
写真の器械は6人用。人数が少ないときは、一人でいくつも道具を使うことができる。
付け合わせはピクルス。酸味があるので、箸休めにちょうどいい。
タコ焼きにおける紅しょうが、カレーにおける福神漬けの役割。
焼き具合も自分で選べる。
ちょうどいい具合に焼けたら、付属の木べらを使ってこそげ、お皿に乗せていただく。やけどしないように。
さあ、いただきましょう。
やけど以外に注意点があるとすれば、食後だ。
お腹がいっぱいになり、体が温まり、たぶんお酒も飲んでいてまったりしたいところだけれども、すぐに窓を開けた方がいい。
でないと、焼けたチーズの匂いが翌朝までも家中に充満することになる。
この器械、きっとクレープもお好み焼きも焼き肉もできる。
ラクレット専用にしないで、今年は他の料理にも使ってみようかな。
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