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一緒に歩けない日曜の散歩
夫とシラノと日曜朝の散歩に出た時のこと。
前半は夫に仕事の電話がいくつも入った。
オランド元大統領がアリエ県にいらっしゃるとのことで、県知事から準備の電話が入るのだ。運転手に電話をしたりもしている。
受け入れるヴィシーの準知事からも連絡が入り、役目とはいえ土日関係ない仕事はたいへんだなあと思う。
思いながら、わたしはシラノに目をやっていて夫と歩調が合わない。
せっかく一緒に散歩に出たのに、電話ばかりで一緒にいないようだ。
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後半はわたしのせい。
イベントの予定を入れていて時間がないにも関わらず、足りない食料の買い物もしようと急いでスーパーに入り、その後もっと急いで帰路に就くことになった。
「一緒にいたのは2分くらいだね」と夫。
1時間も散歩したのに、並んで歩いたりお互いに話したりしたのは、本当に短い時間だった。
これでいいのか。すれ違っていることに対策は必要だろうか。
お互い自分の大切なことをしながらも、一応一緒に散歩に出たことでよしとしようか。
シラノだけは「みんな一緒の散歩」に満足したようなので、それが救いだ。
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以前はわたしが日本から帰ると、一緒にレストランに行ったり、森に散歩に行ったり、しっかり帰ってきた分を埋め合わせる時間を取ったものだ。
そういう時間を取れないのは物足りないとも言える。
けれど、アリエ県で夫は仕事が満載。わたしも夫は不在かもしれないと変な時間にイベントを入れてしまった。
熟年夫婦の危機?それともこんなものなのか。
いや、人はともかくわたし自身はどう思っているのだろうか。
うーん、わたしはもっとゆっくり散歩して、シラノとものんびり過ごし、夫とももっと話がしたいかも。
では、今からでも遅くはない。
散歩は朝だけではないのだ。
シラノは夜だって散歩に行くのだ。
日が長くなってきたことだし、今からまた散歩に行こう。
少なくともわたしは急がないで、一緒にいるときを楽しめる散歩にしてみよう。
いつもちょっとずつの改善を。それが大切なのです。