先の読めない法曹ミステリー『ロースクール』
韓国・2021年
演出:キム・ソギュン、コ・ヘジン
脚本:ソ・イン
出演:キム・ミョンミン、キム・ボム、リュ・ヘヨン、イ・ジョンウン、イ・デビッド、イ・スギョン、ヒョヌ
(Netflixより)
国内屈指の名門ロースクールで発生した、不可解な事件。
法とは何か、正義とは何か。真実を追い求める法学部教授と野心あふれる学生たちが大きな問いに挑む。
元は検事でエリートコースを歩んでいたヤン・ジョンフン(キム・ミョンミン)は、ある事件をきっかけに検事を辞め、現在は韓国大学ロースクールで刑法を教えている。“ソクラテス式問答法”を用いた厳しい指導で、学生たちからヤンクラテスとあだ名され、恐れられている。
ある日ロースクールの模擬裁判所で学生たちが模擬裁判をしている最中に、ソ・ビョンジュ教授(アン・ネサン)が亡くなった。これは事故なのか事件なのか。
ジョンフンは刑事たちと共に犯人につながる手がかりを探す。その時、衝撃的な事実が明らかになる…。
見る前はどちらかというと事件ものというよりキャンパスものなのかと思っていて、さほど期待せずに見始めたのですが(学園モノと病院モノはあまり見ません)、違いました。
ロースクールの学生たちが学内で起こった事件に関して奮闘する話ではあるのですが、その事件が思わぬ広がりを見せて行きます。
また、関わる学生たちそれぞれにそれぞれの事情があり、かつ、大枠ではそれらが関連していて、さらに大きな問題の存在を匂わせて行きます。
“それぞれの事情”の代表格(?)がハン・ジュニ(キム・ボム)。司法試験2次合格の秀才で、学生たちのスタディグループのまとめ役ですが、事件に関連する事情がある。常に冷静沈着で、法知識を駆使して行動していきます。
韓国のリーガルドラマや犯罪ドラマでは必ず取り上げられる、検察と政治の癒着問題がやはり本作でも出てきます。
“財閥や議員の子であれば明らかに有罪でも権力で無罪にできるため、バカ息子が悪の限りを尽くす”という構図が韓国ドラマでは定番ですが、相当数そういうエピソードを見ていると、実際どの程度こういうことがあるのか知りたくなってきます。これだけ出てくるならまんざら嘘(フィクション)でもないんだろうな、と。
しかし、本当にそんな感じだったら、一般庶民はやってられないなあ…
まさにそういう気分を代弁する/していくのが、カン・ソルA (リュ・ヘヨン)。低所得者層出身で特別選考でロースクールに合格した学生で、過去に“法律に裏切られた”経験があり、“法律に謝ってもらいたくて”法曹を目指したという。
成績は良くないけれど、正義感に溢れ、センスはある。そんなソルの家族も政治家が絡む問題に関係していたらしい…
現在第11話の時点では、まだ詳しいことは明かされていません。
残すところあと5話、まだまだ謎の多い段階で、先が楽しみです。
余談ですが、法律関係のドラマは、字幕が漢字の羅列になりがちでしかも注釈もあったりするので、目が追いつくのが大変です…