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【日本ドラマ】2022年秋、完走したのは? ーまとめ感想ー

ワタワタしているうちに、秋ドラマも終わってしまいました。
見るだけは見ていたのですが、本当にワタワタしていたので何見たっけ?と改めて自分の過去記事を参照する始末。
よろしければ下記ご参照ください。

ドラマ開始後、初期段階の感想記事はこちら。

【2022年秋ドラマ短信1】
【2022年秋ドラマ短信2】
【2022年秋ドラマ短信3】
【2022年秋ドラマ短信4】
【2022年秋ドラマ短信5】

見始めた作品は結構完走してしまいがちで、今期も割とたくさん見てしまいました。でも見るには見たけど、取り立てて感想ってないな、っていうことも多くて。笑

なので今期は、ただ完走しただけの作品は取り上げず、一言感想を書いて起きたいなという作品だけを以下にピックアップしました。

ゲーム業界が舞台の2作品

ゲーム業界やプログラマの世界に関心があるので、今期は2作品もゲーム業界のドラマがあって嬉しかった。『アトムの童』『チェイサーゲーム』です。
両作品ともお仕事ドラマではあるけれど、規模感もテーマも違うので、比較は難しいのですが、私は『チェイサーゲーム』の方がおもしろかったです。

『アトムの童』は、序盤はまあ良かったのですが、せっかくゲーム業界が舞台なのに、後半はゲームやその制作に関する話があまりなくなって、よくある買収とそれにまつわる駆け引きの話になってしまった。この点が私の関心と期待からずれてしまいました。
タイプの違う二人のプログラマと、おもちゃ職人の“じーさんず”など、キャラ設定とそれぞれの演者はよかったので、それを生かす形のストーリー展開だったらよかったなと思いました。

その点『チェイサーゲーム』は、ゲーム制作会社がどんな感じなのか、深く掘り下げはしませんが仕事はどういう風に進められるのか、などがクライアントとの関係なども交えて描かれていて興味深かった。作中使用されていた進捗管理の方法が気になりました。
キャラも演者もよかったです。モンスターP更木すごかった笑。ゲームっぽさがある劇判も好きでした。
(YouTubeにチェイサーゲームの作業用BGMリストがあります→こちら

病院が舞台の3作品

毎度申し上げていますが、病院ものは苦手です。と言いつつ最近は何かしら見ちゃってますね。
今期は『PICU 小児集中治療室』『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』『ザ・トラベルナース』、3作品も見てしまいました。苦手なのになぜ?笑

結論から言うと、『PICU 小児集中治療室』はわりとよかった。ただでさえ泣かせる系の話が多い病院もので、しかも小児となると、毎回泣かせようとしてくるのかも、と見る前からバイアスかかっていましたが、意外と落ち着いた作りで。自然と泣いてしまう場面もありましたが、いやらしく泣かせにかかるような演出ではなかったですね。病院ものの苦手な部分が少ないドラマだったと思います。
小児救急医療について考えさせられるような内容でした。メインテーマは小児救急医療のインフラですが、サブテーマとしてそこで働く医療従事者の抱える問題や、主人公の成長、家族の問題などが繊細に描かれて、病院もののステレオタイプにとどまらない作品でした。

『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』は、研修医が主人公なので毎回異なる科が舞台となる点が新しかった。でも作りとしてはこれまでの病院ものを踏襲している感じで、特に目を引く点はありませんでした。
タイトルに謎解きとあるように、毎回小さな謎があり、それを主人公が解くと言うのは、『ラジエーションハウス』にちょっと似てましたね。

『ザ・トラベルナース』は、うーん。昔ながらのドラマ、っていう印象でした。別に昔ながらが悪いってことじゃないですけど、一番気になったのが、トラベルナースが全然トラベルしないこと。トラベルしてこそのトラベルナースじゃないんですか、と。トラベルするトラベルナースが見たかったです。
もう一点、スーパーナースの九鬼静が主人公の那須田歩を「歩ちゃん」と呼び、歩が「やめてくださいよ」と返すくだり。何度も繰り返されてイライラしました。本人が呼ばれたくない呼び方で、しかもやめてほしいとはっきり言っているのにやめないのってハラスメントです。親しみ込めてるんだからいいじゃないか、とかは嫌だと思う本人にとっては関係ないですから。現代ではこういうくだりで笑いが生まれたりしません。なのでシーンとして無意味に感じました。(「やめてください」と言われてやめる、というシーンなら意味あります)

膠着した社会と戦う2作品

社会には明文化されていない決まりがたくさんあり、それによって自由を奪われている弱者がいます。すごくざっくりしてますが、そういうのと戦う話だった作品が、『ファーストペンギン!』『エルピス-希望、あるいは災い―』でした。

『ファーストペンギン!』は、漁業組合とそれを中心とした地方の港町のしきたりみたいなものと戦って、新しい流通経路を開拓した女性の話で、これが実話というのがすごいですね。あれだけの妨害にあってもめげないバイタリティって感心しかないです。見ているだけでもイライラする場面も多々ありました。状況によっては命の危険もあったんじゃないでしょうか。実際、船も危ない目にあってますしね。
元気をもらった、というかなんか自分も頑張らなきゃなと思ったりしました。

『エルピス-希望、あるいは災い―』は、エキサイティングな作品でした。TV業界のタブーに切り込んだ、的なことが言われていますが、それを抜きにしても、事件の真相に迫っていく過程はサスペンスフルかつ引っ張りすぎない良い塩梅で、とてもおもしろかった。普通にサスペンスものとしても秀逸だったと思います。また劇伴がすごく良くて、今年見たドラマの中でもピカイチでした。オープニングテーマもワクワクしました。
(YouTubeにサントラのリストがあります→こちら
キャストも長澤まさみさん、鈴木亮平さん、岡部たかしさんをはじめ皆きっちりハマっていて、文句なしです。眞栄田郷敦さんは期待以上でした。
最終回はマジでドキドキしてしまいまして笑、あまりこういう経験ないなあと思いながら見ていました。結末の落とし所もリアリティがありました。

ラブストーリー3作品

ラブストーリー的なのは『silent』『自転車屋さんの高橋くん』『恋と弾丸』を見ました。

『silent』はあまり好みに合いませんでした。静かなところはよかったかな。キャストはキャラクターにハマっていると思いました。
好みに合わない点ってどこなんだろうなと考えると、かなりぐちゃぐちゃな人間関係なのにその部分においてそれぞれの心の中に葛藤がなさすぎるところかなと思います。例えば、見ながらこういうツイートしてました。

苦手なのは紬だけじゃなく。

紬と想が、自分たちしか見えていない感じが嫌だったのかなあ… とにかく、全然泣くような話じゃなかった。ただ両者ともこういう人いるよねというリアリティはあったと思う。
簡単に言っちゃうと、「一度終わった関係は、復活したとしても結局はダメになる」っていう方向の話だったらよかったなと。

『自転車屋さんの高橋くん』は、ほんわかといい感じでした。ノーと言えないパン子が、ストレートでシンプルな遼平くんに影響されて成長していく話。鈴木伸之さんのこういうキャラ、いいです。あと、サイズ感。
地方都市が舞台というのもほんわかした雰囲気にあっているし、また岐阜弁?の「あんばよーなる」って言葉がよかったなー。使ってみたい。笑

『恋と弾丸』は、まず第1話で、桜夜才臣おうやとしふみを演じる古川雄大さんが色気あるなーと思い、それに引っ張られてつい全話見ました。しかし途中で、ん?ずっとそういう感じ?ってなって飽きてきて、あとは惰性で見たような…
内面がほとんど描かれないので、二人がなぜ惹かれあっているかっていうのが、つまり性愛のみ?っていう感じになってしまいますね。別にそれも全然ありですけど。あるいは「吊り橋効果」がずっと続いてる、みたいな感じかもしれない。
びっくりしたのが組長を演じた大澄賢也さん。なんかいい感じの俳優になっているじゃないですか。知らなかった。

BL(とBLテイスト?)3作品

BLは『永遠の昨日』『壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている』2作品と、BLじゃないけどBLっぽい『合コンに行ったら女がいなかった話』を見ました。

『永遠の昨日』は、いきなり死んじゃうところから始まるというやつで、つまりはファンタジーということになるのかな。最後にはいなくなることが必然の話なので切ないと言えば切ないのだけれど、特に印象的なシーンとかはあんまり思い出せない感じです。

『壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている』は、幼馴染のBLの同人漫画家とアイドル、という組み合わせで、なかなかおもしろかったけど、どこがどう?って言われたらこちらも特別どうっていうのはなかったかも…

『合コンに行ったら女がいなかった話』は、男装の女性三人と男子大学生三人の話。見た目がBLで、男子たちもそのBLっぽさに戸惑いつつ惹かれていくみたいなところが新しかった。
男装の女性三人は皆、元宝塚歌劇団の男役の方々。宝塚のショーを見たことがないのですが、ハマる気持ちがなんかわかりました。笑

ヒューマンドラマ2作品

まずは『あなたのブツが、ここに』。過去作品以外はTverで見ているため見逃しがちなNHKですが、たまたま気づいて見た夜ドラでした。
コロナ禍に職を失ったシングルマザーのキャバ嬢が配送の仕事に転身して奮闘する話で、まさに「今(少し前かな)」の「ややマージナルな人」の生活を描いていて秀逸でした。
私自身シングルマザーなので、職を失った場合の恐怖感や、なんであろうがやるしかないという覚悟とかめちゃくちゃ身につまされました。
キャストがよかったですねえ。キャバ嬢も宅配ドライバーもどっちもいける感じの女性に仁村紗和さんはぴったりでしたし、毎田暖乃さんは関西弁(ネイティブとのこと)でもとても良くて、『エルピス』でも重要な役を演じていた岡部たかしさんは本作でもいい感じでした。

もう1作は『拾われた男』。私はDisney+で見たのですが、秋に地上波で連続ドラマとして放送されたので、ここに一言書いておきます。
俳優、松尾諭さんの自伝的エッセイを実写ドラマ化したということなので、ほぼ実話なんでしょうか。だとするとおもしろい人生を歩んで来た方なんだなと思います。家族や友人、バイト仲間など周りの人物もおもしろい人が多いし、自販機の下に航空券が落ちているのを拾うなんて、宝くじ並みの確率じゃないかと思う。しかもモデル事務所に入るなんて。
全体を通して話自体がおもしろいし、仲野太賀さんが松尾さんを演じたのもよかった。最後の兄弟の回想シーンではやはり泣いてしまいました。

* * *

というわけで、数えてみれば15作品。マジか。
これ以外にも見てるんですよ…
2023年の冬ドラマはもっと絞るぞ(秋ドラマの前にもこれ言ってた気がするけど)

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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