茅田砂胡作品が好きだ! - 好き語りvol.3
僕の好きなものを語り尽くそう第三弾。
今回は『デルフィニア戦記』などについて。
〈……『など』って何?〉
うーん、あとで言うね。
本文:僕。語り部。
「」:精霊さん。監修。
〈〉:妖精ちゃん。観客。
〈『デルフィニア戦記』って、こう言ってはなんだけど、ちょっと古い作品よね〉
えーっと、いつだっけ?
「『デルフィニア戦記』という名前の1巻は、1993年に初版が出ました」
〈ほら、結構前じゃない〉
でも、実は僕が読み始めたのはここ最近。
それでいて僕が今までで最も読み返した回数が多い小説なんだからね。
〈どんなところが好きなの?〉
思想。
〈思想?〉
登場人物の信念や反応、そしてそこから生まれる行動が、心地よくて、気持ちよくて、ついつい読み進めちゃう。
これに尽きる。
もうちょっと詳しく言うなら……。
キャラクターや世界観が好きというよりか……いやもちろん好きなキャラはいるし、世界観も深くて好きだけど、何よりお話が進んでいく様が好き。
活劇、ってこういうことなんだなって、初めて理解した気がする。
〈へぇ…〉
そして、小説であることがたまらない。
〈どういうこと?〉
僕はそれまで、小説の良さってのがよくわかってなかった。
いや、ちょっと正確じゃないかな。
好きな小説は前々から色々あった。
けど、それが文字である必要性を感じていなかった。
「物語の中身が同じなら、漫画でもアニメでもいい、ということですか?」
あーーー、そう。そういう感じかも。
でも、『デルフィニア戦記』でわかった。
小説には、小説の良さがある。
一行で空気を変えるような力強さ。
イメージが無いからこそ、想像をふくらませることができる自由。
そんなことが『言葉』でできるんだって知った。
何度も―――言ってしまえばただの文字列なのに、あの巻の、あの行を、読み返したいって思えてしまう不思議さ。
〈……それはつまり、その作者の文体が面白いってことなのかな〉
そうかもね。
そして、文字だからこその利点は他にもある。
〈どんな?〉
漫画や映画でままある、『古さ』を感じにくいのだと思う。
だから、今でも、楽しんで読める。
だから、長く愛され続けている。
それ以来、この作者――茅田先生の小説は、文章における僕の憧れになったんだ。
このnoteは小説ではないけど、あんな風に、読み返したくなる文章を目指してる。
〈なるほどね…〉
〈ところで、最初に言ってた、サムネにも書いてある、『など』って結局何なの?〉
僕が好きなのは『デルフィニア戦記』だけじゃないってこと。
同じ茅田砂胡先生の、同じ流れをくむ作品群が好きなの。
具体的に言うと…『デルフィニア戦記』『スカーレット・ウィザード』『暁の天使たち』『クラッシュ・ブレイズ』『天使たちの課外活動』『トゥルークの海賊』『海賊と女王の航宙記』……かな?
「全体をまとめるとざっと50巻はあります」
おかげで読み返したくなる巻が尽きない。
〈……なんかこう、まとめて『〇〇シリーズ』って言えないの?〉
言えない。
「言えません」
特に、『デルフィニア戦記』とそれ以降の作品は、まったくの別作品と言っても過言ではないし。
〈どう違うの?〉
『デルフィニア戦記』は、名前の通り戦記もの。剣と弓、そして騎馬で戦う、王様と少女(?)の物語。
「対して、たとえば『スカーレット・ウィザード』は思いっきりSFです。宇宙を舞台とした大企業の女総帥と孤高の海賊王の物語」
それ以降は……なんだろう。
SFだったりファンタジーだったり……。
「学園もの(?)だったりもしますよ」
〈それが……繋がってるの?〉
そう。
ネタバレなしではうまく説明できないんだけど、読んだ人なら分かる。
これらは繋がっている、と。
『スカーレット・ウィザード』外伝の最後の1ページまで読めば分かる。
〈でも、だったら『茅田砂胡作品』ってまとめて言えばいいんじゃない?〉
それだとちょっと誤解が生まれそうで…。
〈そうなの?〉
「茅田先生の作品は、他にも色々あるのです」
それらは、この一連の流れとは違う作品だったりする。
けど、それらの中には読んでいないのもあってね。
だから、茅田先生の作品が全部好きかどうかは分からないんだ。
だから、僕は、『好きな小説は『デルフィニア戦記』と『スカーレット・ウィザード』、そしてそこから繋がっている一連の流れをくむ作品群です』って言うしかない。
〈ややこしいね〉
だけど、そんなことが気にならないほど、大好きなんだ。
「では、最後に、これから読んでみたいって人にひとこと、どうぞ」
そうだなぁ…。
『デルフィニア戦記』の……できれば4巻まで読むことをおすすめします。
そこまで読んだら、気に入るかどうかが分かると思うから。
僕は、4巻まで読んだ頃には、すでに虜になってた。
そこから一気に最終巻まで読み切ったからね。
そして、『デルフィニア戦記』を読み終えたら、ぜひ『スカーレット・ウィザード』も読んでみて欲しい。
全然まったく何もかも違う別作品なんだけど――――『スカーレット・ウィザード』を外伝まで読み終えたとき、その続きってのを読みたくなるだろうから。
今回はこのぐらいで。
やっぱり物語を語るってのは難しいね…。
〈そうなの?〉
僕はネタバレが大嫌いなの。
〈知ってる〉
そして、自分がされて嫌なことは他の人にもしたくないの。
〈それも知ってる。……つまり?〉
好きな物語を語るとき、その内容については書けないってことなんだよ!
〈あー、なるほど…〉
「内容に触れず、その魅力を表現する……たしかに難しそうです」
うん。今回と前々回でよくわかった。これは難しい。すっごく難しい。
〈じゃあもうやらない?〉
……いや、やりたい。
僕のおすすめで、僕の好きな物語がちょっとでも広まるなら、こんなに素敵なことはない。
「では次回も?」
いや、次回は……物語じゃない好きなものを語ろうかな。
ちょうど、物語と、物語じゃないのを、交互に語るようにしたいから。
それでは、次回の記事で!
「またお会いしましょう」
〈ばいばい!〉