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知らないことは書けないから、知ってることを書く

 知らないことは書けない。
 でも、知らないから、書けないことに気づけない。

 本を読んでいたりすると、たまに思う。
 この小説のこのシーンのこの描写、これを読む前の自分は書けただろうか、いや書けない……みたいな。

 そんな風に、知らないことってたくさんあるなぁ、って思う。
 無知の知、に近い感覚なのかな。

 問題はその後。
 大抵の場合、「だからとにかくいろんな経験をしろ」って文脈になりがち。
 だけど、そういう話は苦手。
 理由は色々。たとえば、押し付けがましく感じられるとか。

 だから、こう言いたい。

 知らないことは書けない。
 だから、知ってることを書く。 

 僕の知ってることは、他の人も知ってることかもしれない。
 だからこそ、そこに共感が生まれるかもしれない。

 僕が知っているからと言って、他の人も知っているとは限らない。
 だからこそ、これは知らなかった!って気づいてもらえるかもしれない。

 だから、堂々と書く。
 書き続ける。
 僕の知っていることを、この場所で。

 無知の知は忘れてはならない。
 でも、知っていることの価値が下がるわけじゃない。

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