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心が炉心融解しないように

 あああああ、ハイになってるぅ……!!


シャル
主人公
〈ロミルダ〉
妖精


〈苦しそうね〉
 そうだね!
〈どうしたの?〉
 ちょっとハイテンションになりすぎてる!

〈テンションが高いのは良いことじゃないの?〉
 悪くはないんだけど、いまちょっと制御ができてないと言うか!

 気持ちが高ぶりすぎて、感情の感度も高くなって、いろいろと激しい。
 動悸や息切れまでしてくるし。
 そのせいで寝付きも悪くなったりするし。

 あと、言動が大げさに、そして雑になりがち。
 こういうとき、たいていろくなことにならないんだよなぁ…。

〈つまり、落ち着きがないってことね〉
 そうそう。
 車の運転とかしないほうがいいレベル。
〈過ぎたるは及ばざるが如し〉
 まさにそう!


 そして、もっと困りそうなことがあって。
 こんな風に派手に気持ちが暴走したあとは、ずーんと下がりがち。
〈経験則?〉
 うん。

 今は、高ぶりすぎて息苦しい。
 そして、後々、息することに罪悪感を持つようになる。
 そんな流れが見えるんだ!
〈救いがないわね〉
 そうなの!

 だから、そんなフリーフォールが起きないように。
 いま、落ち着くことが必要。
 すー、はー。深呼吸…。

〈そうね。シャルが元気すぎると、私の影が薄くなっちゃうし〉
 あ、気にしてる?
〈ちょっとだけ。……楽しそうなのはいいことだけど、「私はいなくてもいいのかな…?」って思っちゃうのは、なんかさみしくて〉
 それも困っちゃうなぁ…。


 やっぱり、うん。
 テンションが190%と10%を行き来するより、70~90%を維持して生きていきたい。

 心が炉心融解しないように。


 今回はこのぐらいで。
〈ちなみに、今回のハイテンションの原因はわかってるの?〉
 これかなぁってのはある。

 イラストの練習を始めたんだ。
 自分なりの練習方法を確立したり、師匠(※珍しくイマジナリーじゃないフレンド。文章の師匠からイラストの師匠にもなった)とお絵かき談義をしたり…。
 なにより、イラストが上手くなっていってる実感がある。

 これが楽しいんだ。たまにフロー状態を感じるほどに。
 それが過ぎて、心を荒ぶらせてるのかなって。

〈またどうしてイラストを描こうと思ったの?〉
 理由はいろいろあって……いや、この話は別の機会にしよっか。
〈わかったわ〉

〈シャルが楽しそうで私もうれしいけど、体調は崩さないようにね〉
 もちろん。
 「寝る間も惜しんで」なんて言ったら聞こえは良いけど、それで体壊すのはいただけない。
 お絵かきも、落ち着いて、積み重ねていけたらなって思ってる。

 だからやっぱり、今の状態はあぶない。
 もうちょっとだけでも、落ち着きたい。
〈はい、深呼吸~〉
 すー、はー。

 それでは、またあした。
〈ばいばい!!〉

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