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ちいさい自分は埋もれた心を覚えてた②
~ 前回のあらすじ ~
自分の中の子どもな部分を思い出して大切にするため、「ちいさな自分」というイメージを生み出したシャル。
その試みは概ね功を奏し、今なお残る慢性的な人間不信が子どもの頃からのものだとわかった。
しかし、その過程で、イマジナリーフレンドの精霊さんとロミィに「ちいさな自分」を会わせてみたところ、精霊さんには比較的すぐ懐いたが、ロミィにはいまだに警戒心をあらわにしているのであった。
〈やっぱりちいさいシャルに懐かれないんだけど!〉
うーん、なんでだろうねぇ…。
〈……ねえ〉
ん?
〈私って、やっぱり、言葉がきつかったりする…?〉
そうかな?
むしろ可愛いと思うけどなぁ。
〈それはさ、私が年下の見た目をしてるからじゃない?〉
あー……なるほど。
ちいさい僕からすると、今のロミィも年上に見えるのか。
そう考えると、たしかにロミィはちょっと元気すぎて見えちゃうかもね。
その元気さに気圧されて、甘えようって気にならないのかな。
〈むぅ…〉
あ、そうか。
〈なに?〉
ロミィって、僕にとって、甘やかしたくなる存在なんだよね。
〈私、読者さんから「姐さん」とか思われてるけど?〉
それでもやっぱり、僕はロミィを甘やかしたいの。
でも、ちいさい僕は、そんな「甘やかしたい欲」が薄い。
ただただ、シンプルに、甘えたいんじゃないかな。
前回言ったように、こわーい年上が身近にいた。
そんな僕は、甘えるってことが十分にできなかった。
そのうえ。
「甘やかしたい」「頼られたい」って、比較的、相手のためにもなると自分に言い聞かせることができる。
だから、認めやすい。
でも、「甘えたい」「頼りたい」だと、どうしても「迷惑なだけじゃないか」って考えてしまう。
だから、認めにくい。
結果、成長するにつれて、「甘えたい欲」は埋もれていった。
でも、僕は、もっと甘えたかった。
いや、今も、甘えたいって思ってる。
〈つまり、前回の話も踏まえると、「年下に甘える」がシャルの欲望を全て叶えるってことなのね〉
………否定はしない。しないけど…。
〈誤解かしら?〉
誤解でもないけど…。
ただ、特に年下好きは、今の僕のものでしょう?
だから、ちいさい僕は、ただ素直に甘えたいだけだと思う。
今の僕だって、何も年下だけに甘えたいってわけじゃない。
このことは、前回から言っておきたかったことなんだけど。
いまは、「素敵な年上の方もいる」って、知ってる。
ただ、無意識に身構える癖が残っているだけで。
どうして知ったのか。
僕のnoteでたびたび出てくる、僕の師匠(※珍しくイマジナリーじゃないフレンド。創作の師匠)が年上だったから。
そう思うと、師匠との出会いは、やっぱり重要なターニングポイントだったんだなぁ、としみじみ思う。
それに、noteでだって。
おそらく年上だろうと思われる、素敵な方はたくさんいらっしゃる。
だから、僕は、シンプルに。
年下とか、年上とか、関係なく。
もっと、甘えたいんだなって。
この気持ち、満たしてあげたい。