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「子育ては生まれる前から始まっている」。誰が言ったのかは分からないが(本当にこんな言葉があるのかも分からないが)、これはまさにその通りで、駐在夫の私の家でも「赤ちゃん用品は何を揃えか」の議論が始まったのだ。妻が安定期に入ってしばらくしてからのことである。

育児のインフラ

絶対に欠かすことができないいわば“育児のインフラ”という位置付けのアイテムに限ったとしても、パッと思いつくだけで
・哺乳瓶
・ベビーベッド
・おくるみ
・洋服(ロンパースなど)
・ベビーカー
・抱っこ紐
・その他多数
がある。
何はともあれまずは情報収集をしなくては、ということで海外でも使えて盛大に重宝する「dマガジン(docomoが提供する定額で日本の雑誌読み放題のサービス)」で、育児のバイブル「たまごくらぶ」と「ひよこくらぶ」を読み始める。
そこで知るのは、哺乳瓶にもいろいろなサイズと形があることだ。

サイズ、素材、硬さに穴の大きさ

サイズにはのっぽ型や太っちょ型があり、素材には、ガラス製かPPSU製かPP製かがあり、そして乳首部分の硬さも違えば、穴の大きさ(SS〜L)まで。
組み合わせれば何万通りにも!というテレビ通販でよく聞くようなセリフが聞こえてきそうなほど、多様性に富んでいるのである。

ベストな1本を探せ

この中から、生まれくる赤ちゃんにとってベストな1本を探さなくてならないのだ。かなり難しいタスクである。
そしてバイブル「たまごくらぶ」によれば、「赤ちゃんによって飲みやすく感じる哺乳瓶が異なるので、複数種類を用意しておくとベター」だという。

シンガポールでは、哺乳瓶がだいたい1本十数ドル。複数揃えるとなるとなかなかの出費になってしまう。「ああ、この値段だったら、あの店のハッピーアワーでクラフトビールのドラフトが2杯飲めるな」という考えは思いついても口には決して出さない。出してはいけないのだ。

おくるみに包まれる。おくるみもインフラの一つである。

これも必要なの?

ただバイブルには「これもいるの?」と思うようなものも掲載されているのだ。
その代表格(と勝手に位置付けている)が
「鼻水吸い機」
「哺乳瓶用の洗剤」
「赤ちゃん用の水」。
そして「お尻ふきウォーマー」。
説明によれば、お尻ふきが冷たいと赤ちゃんが驚いちゃうので温めてから拭くとGoodとのこと。

ビンビンに感じるメッセージ

うーん、確実に使わないであろうこれらの道具。ただ、バイブルの誌面からビンビン発せられているメッセージは「いざという時に困るのは親のあなたたちではなく、赤ちゃんなのよ」。
悩ましい。そんなメッセージを出されてしまっては断るに断れない。が、駐在夫夫妻はそれに抗った。出した結論は「自分が育てられた時代(1980年代)になかったものはなくてよい」だった。
※しかし、1歳を過ぎたころ、鼻水吸い機に実にお世話になることになる。これもマストバイアイテムだった。たまごクラブが正解だった。

ただ、その結論に反して購入したものもあった。それが「電動搾乳機」。妻の搾乳の助けになると思い購入(120ドルという高額!)したが、今は自宅のボムシェルター(倉庫)に眠っている。
いつの日か、陽の当たる場所で活躍するようになることを願っている。


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