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答えの分からない問いが生まれるこの世界で、豊かに生きる。
放射線技師の仕事を辞めてもうすぐ1年。
htps://note.com/churn_be/n/n42e1e8bad8e4
今は、フリーランスとしてコーチングや自然の中で対話するリトリートの企画、PRの仕事をしながら宮城県気仙沼市でゲストハウスの立ち上げを行っています。
最近聞いてもらうことが多くなったので、
今日は、ゲストハウスの立ち上げへの思いを、書いていこうと思います。
旅人が集まる謎の地、気仙沼
2021年9月。
仕事を辞めた後、埼玉県から宮城県気仙沼市に移住しました。
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気仙沼というと、東日本大地震の被災地であるという印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
なんとなくずっと命と向き合う問いを投げかけられているような気もするこのまち。
大学4年の時に初めて訪れ、有休消化で6月に訪れた時にはもうすっかり魅了されてしまいました。
気仙沼に移住してまず驚いたのは「こんなに旅人って多いのか」ということ。
しかも、土日や長期休暇に旅行に行く、というようなものでなく無期限で日本一周している人たちが本当にたくさんいました。
被災した土地の今を見たいと、毎日日替わりでいろんな旅人が来る。
月曜〜金曜まで勤務していたわたしからすると、平日にこんなにたくさんの若い人たちが日本中を旅しているということが衝撃過ぎました。
「働かないと生きていけない」というのは私の中の勝手な思い込みだったと、旅人たちを見て感じさせられました。
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最初の頃は、平日の日中に仕事以外のことをするのが違和感ありすぎて、ゆっくりしている自分が許せない時もありましたが、今はカオスなまちでのカオスな暮らしを楽しんでいます。
移住して9ヶ月が経った頃、そんな旅人がたくさん集まる大好きなこのまちで、ゲストハウスを立ち上げることになりました。
立ち上げ経緯はしゃべってるので是非見てください!
人生の転機に訪れて欲しいゲストハウス「SLOW HOUSE」
今回ゲストハウスを立ち上げるにあたって、若い人たちが「余白を生み、余白から生み出す暮らし」を作り上げていきたいと考えています。
自分自身、診療放射線技師として3年間病院で働いている中で、「仕事は好きだけど、本当にこのままずっと続けていいのかわからない。一度きりの人生と考えた時に、本当にこのままでいいんだっけ?」という漠然としたモヤモヤを抱えていました。
その後どうするかを全く決めないまま仕事を辞めることを決断し、退職までの有休消化期間で気仙沼市に1ヶ月滞在しました。
人生の転機となるタイミングに気仙沼市で過ごした1ヶ月は、今までの人生では体験したことがないくらいの時間と心に余白を作り、自分の人生をしっかりと見つめ直す時間でした。
余白をとることによって、自分にとって本当に大切なものは一体何なのかということをよく考え、自分が大切にしたいものを見つけ、新しい選択肢を生み出すことができたと感じています。
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仕事を辞めて、都会から離れ、この気仙沼の地に移住してもうすぐ1年。
働き方が変わり、今まででは出会えなかったような価値観の違う人たちと出会い、私の中でもいろんな変化がありました。
今感じていることを、少し書き留めておこうと思います。
ひとつは、結構ハードモードでめちゃくちゃにおもしろい時代に生きているな〜ということ。
いい大学に入って、いい会社に就職するということが幸せに直結するという一つの答えがあった時代から、生き方の多様性が認められる時代に移り変わっています。
学校を出た後、正社員になる以外にも、フリーランスや、起業など働き方の選択肢も増えてきている。
働き方や生き方の多様化が進む中で、幸せへの答えというものもひとつではなくなっています。
多様性が認められるという、一見いいことに思えるようなこの時代の変化が、実は結構ハードなことだったりするのではないでしょうか。
「パリで暮らして見えてきた、日本で「多様な生き方」がしんどい根本理由」について書かれた記事が面白かったので載せます。
↓
パリジャンたちは、幼いころから個を持つように教育された筋金入りの自分を持った人たちだ。道行く人に声をかけて、恋や愛についてインタビューすることがよくあるのだが、声をかける度、2人として同じ答えがないことに驚かされる。
たとえば、バレンタイン商戦で盛り上がるモールで、バレンタインデーの過ごし方について街頭インタビューしたときのこと。アムールの都だけにさぞかし恋人同士たちは盛り上がるかと思いきや、熱烈にいちゃついていた10代カップルの答えは、「バレンタインなんて商業的なイベントにわざわざ何をする予定もない。僕たちは若者だからおカネもないし」と驚くほどクール。
付き合って数年経った風情の落ち着いた20代のカップルは、「私たちは音楽家で、コンクールで忙しくてそれどころじゃない。落ち着いたら、まあレストランにでも行くかも」と、これまた関心がない様子。ならばと、年齢を一気に上げて定年退職カップルに話を聞いてみたところ、「バレンタインというより、私の誕生日だから毎年、南仏の海辺の別荘でプチバカンスを過ごしている」ということで、1つの行事でも人によって過ごし方はそれぞれなのだと思った。
多様な社会というのは、このようにいろいろな自分を持った人が生きている社会である。こうした中で生きるには、しっかりと自覚して自分というものを持たなければならない。多様な社会のパリに、素っ裸で放り出された形になった筆者も「自分はどうありたいのか?」を考えるところから始めた。
その答えは、他人や社会の中にあるわけではなく、自分の中にしかない。当初はとまどったが、周りにはあらゆる多様な生き方を実践しているパリジャンのサンプルがゴロゴロいたので、「あれはいいな、これはいやだな、こんなのもありなのか!」と、自分の基準を確かめるのに参考にすることができた。
30年間という月日でしみ着いてしまった、王道の基準を参考にする習慣を改め、自問自答する習慣を身に付けることは簡単なことではなかった。チリが積もるように少しずつ、忍耐強く確かめてゆく訓練のようなものだった。
5年前の記事ですが、この時からさらに多様化は進み、この記事にもあるように、「しっかりと自覚して自分というものを持つ」ということが求められてきているのを感じます。
多様な社会の中で、自分というものを持つ方法もわからないまま、素っ裸で放り出され、「自分はどうありたいのか?」ということを、直接的な言葉ではなくてもずっと問いかけられる世の中なのではないでしょうか。
先達がいない、答えの出し方もわからない、そんな問いを向けられるのは、結構ハード。
気仙沼市にたどり着く旅人たちは、みんな自分の中に問いを持っています。
その問いを見て見ぬふりせずに、時間をかけていろんな体験を重ねながら向き合っている。
問いを持てるということ、その問いと向き合うプロセスが、大変そうで、でもとっても豊かに見えました。
豊かに見えたんです。
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放射線技師として働いている時は、私自身うまく問いを消化できずにもがいていました。
よく分からない世の中への違和感や、自分から消えない心のもやもや。
世の中に対して自分の問いをぶつけられる今の環境がとっても心地いいです。
「本当にこのままでいいのだろうか?」
「自分のやりたいことってなんだろう」
今、少しでも違和感を持っている人に、ぜひSLOW HOUSEを訪れて欲しいなと思っています。
日常から離れ、同じように問いを持つ人たちと出会い、時間と心に余白を持てる場所で問いと真正面から向き合える。
多様な生き方をしているモデルにたくさん出会い、ひとと、自分と対話を重ねていく中で、自分にとっての豊かさがなんなのかということに気付いていく、そんなきっかけを、この場所から作っていきたいです。
そして、世の中の豊かさを一緒に作っていく仲間になりましょう。
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クラファンもやってます
現在クラウドファンディング挑戦中です!
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