出る杭を伸ばして! −暴れる乙女の暴走機関車 雪の女王てらみ にインタビューしてみました。-(後編)
前半では、てらちゃんの幼少期からのエピソードを聞かせていただきました。
後半では、てらちゃんの大学生活やYouTuberとしての今後の抱負などについて聞いています。
👇前編はこちら👇
ーてらみー
2000年2月生まれのポストミレニアル世代ベイビー。
「なぜみんなと違うのか」そんなことを思いながら多感な時期を過ごした。そんな姿がエルサにそっくりで感情移入し始めた過去を持つ。現在では自分自身を誇りに思い日々強く美しく生きるために奮闘している。好きな物は推し(黒瀬翔生くん)とカナやんとディズニーとお洗濯。苦手なものは羽の生えた虫とふにゃふにゃ食感の食べ物。
―話を聞いていて、高校生活ではたくさんの友達に恵まれていたのかなと思いました。他にはどのようなことを経験しましたか?
高校で印象に残っているのは、夢探求というオリジナルの授業です。
「夢探求」では、自分のことを深めたり将来の視野を広げるために、島で働いている様々な方にインタビューしたり、パソコンやiPadで自分に向いている仕事を見つけたりと、自分を分析をする機会が多くありました。
この「夢探究」の活動を通じて、
「自分はエンターテインメントや多くの人に見てもらえることが好きで、エンターテインメントに関わる仕事が向いているのではないか。」
と思うようになりました。
また、同時に自分のをさらにオープンにできるようにもなりました。
―高校生活の3年間はとても貴重で有意義な時間だったのですね。 高校卒業は沖縄の大学に進学したと聞きました。沖縄の大学を選んだ理由を教えてください!
沖縄の大学を選んだ理由は、家族で旅行に行った時、きれいな青空やどこの道を走っていても海がきれいなところに感動して、住んでみたいなと思ったからです。
旅行で琉球文化に触れたこともあり、平和学習や沖縄の観光業にも興味をもったので、沖縄の大学で観光について学ぶことを決めました。
しかし、沖縄に住んでみて感じたことは、旅行と暮らしでは全然違うということです。 今までは旅行でしか行ったことなかったので、沖縄のポジティブな部分しか見えていませんでした。 実際に住んでみると、車がないと生きていけないこと、スコールがすごくよく降ること、とにかく暑いことなど沖縄のネガティブな部分に目が入ることもありました。
また、沖縄の文化は本当に難しく、正直大学の四年間で習得しきれないように思いました。 大学院に行き、専門的に古典や琉球芸能などを学ばないと簡単には踏み込めないように感じましたね。
―もちろん楽しい思い出もたくさんあったと思いますが、住むことで初めてわかることも多かったのではないかと思いました。
大学生になってから、私生活や恋愛面での変化はありましたか?
私が大学生になって大きく変わったことは、化粧を始めたことです。
周りの女子大生が化粧をしていたり可愛い服もたくさん着ている姿を見て、羨ましいなと感じたことがきっかけです。
また、私はもともと西野カナさんが好きで、次第にカナやんが着ている服やピアスを身につけたいと思うようになり、化粧も本格的にするようになりました。
恋愛は、高校と大学でたくさん経験してきました。
たくさん失敗もして、その分傷ついたし、成長してきたように思います。
恋愛を経験するなかで、映画「アナと雪の女王」に出てくるエルサがとても格好良く見えました。
映画では、エルサは生まれつきもっている氷の力のせいで、愛するアナを傷つけてしまい、部屋に引きこもり、愛する人を守るがゆえに心の扉をぱたりと閉じてしまう描写があります。
そんなエルサの姿が昔マイノリティを感じていた自分すごく重なり、
「自分もこんなように傷ついていたなぁ。」と感情移入して見ていました。
ちょうど恋愛に失敗し、もう恋愛はいいやと思っていた時期に映画を見ていたので、 恋人がいないプリンセスのエルサの姿と自分の姿がそこでも重なりました。
映画終盤に、あの有名な「Let It Go」でエルサは自分を解放します。
その姿が、大学に入り化粧を初め、全て吹っ切らせることができた自分の姿と重なり、自分の力を受け入れながら生きるエルサのかっこいい女性の姿にものすごい衝撃を受けました。
「エルサはあたいみたいだなぁ。」
と感じ始めてからエルサメイクのように濃いメイクを初め、今のてらみがいます。
強く美しい力のなかにも真の優しさをもっている。
「 Let It Go」の後の雪の女王は、大きな自分の力を受け入れ前へ進んでいこうという強さが自分の生きたい道そのものでした。
そんな強く美しいエルサみたいになりたいなと思っています。
―雪の女王てらみはエルサから来ているのですね! エルサに惹かれた理由、とても共感しました。 てらちゃんは現在、交換留学という制度を使って、東京の大学に今年度は通っているのですよね! 東京の大学に通うことを決めた理由が知りたいなと思いました。
私は、大学生活で自分自身を解放できたことで、
「なんで自分はみんなと違うのか。自分だけがもっているものをもっと学びたい」
と思いようになりました。
そのことを友人や大学の教授に話すと、東京に行ってみることが良いのではと交換留学を進められました。
東京では社会学、心理学的な面からジェンダーを学び、卒論への基礎知識を養えればいいなと思い過ごしています。東京で学んだ基礎知識を元に、卒論では、ジェンダー×琉球文化について書きたいと思っています。
東京に来て、今までよりももっと自分に自信をもって歩ける人間になりたいなと感じました。 YouTubeでなかなか再生回数や登録者数が伸び悩み、自分に自信がなくなったり、不安で寝れなかったりする日もあります。
沖縄に帰る時には、そういうところも含め、もっと自分を受け入れ、今以上に自分に自信をもって愛してあげられるような人になりたいなと思います。 自分の出ている杭をさらに伸ばしていきたいです。
そして、一回でいいから推しに会いたいですね。
アナウンサーの「黒瀬翔生くん」!!!
会えたらとても最高です!!
―インスタやYouTubeからも推しへの愛が伝わってきます!!笑
LGBTではない人に向けて、てらちゃんが何か伝えたいことはありますか?
LGBTを抱えている人は、あまり自分のことをオープンにしていないのが現状です。
みんな表には出さず、ゲイ専用のアプリ等でコミュニティを作っているような印象です。直接話したはないけれど、一方的にこの人はゲイだと知っている人もいますね。
自分の意見としては、LGBTであることを隠してもいいと思うんですが、社会が変われば隠す必要がなくなると思います。
私の本心はもっと自分自身を解放してほしいと思いますが、社会的に隠さざるを得ない状況であることの方が多いのが現状だと思います。
私も大学入学当時は、初めて会った人に対して、自分がゲイだと分かっていても、
「まだ人のことを好きになったことない」 と嘘をついたことを覚えています。
今は初対面の人にも自分がゲイであることを言えるようになりましたが、当時の自分は世間体や第一印象を崩したくないという思いがありました。
今はもうジェンダーレスを気にしていた頃の自分と違うし、自分がゲイということにも他の人と違うということにも誇りをもって生きていますが、正直少し気にしてしまう自分もいます。
嫌なことされたらどうしようとか、そのような目で見られたらどうしようなどと身構えている不安はあります。
そんな私からみなさんに伝えたいことは、
「LGBTの人もみんなと変わらないんだ!」
と思ってもらえることが大事だと思います。
確かに最初はびっくりしたり、対応に困ることはあるかもしれませんが、一人間として友達のように接してもらえることが、一番自分のこと思ってもらえるなと思います。
変に気負ったり、気遣ったりせずに普段通り接してもらうことが、自分たちのようなマイノリティを感じている人にとって、一番嬉しいです。
しかし、ただ一つ意識してもらいたいこともあります。
それは、否定しないということです。
私に限らずマイノリティを抱えて生きている人は、過去に何かしらの闇を抱えていたり、今も悩みながら、壁にぶつかりながら進んでいる人が多いと思います。
そのような気持ちや経験があるということは配慮してもらえたらいいなと思います。
軽率な発言や差別的な発言は一度、「本人に言うことなの」って考えてから発言することが大事なのかなと思います。
―てらちゃんの意見は、マイノリティを抱えている人だけではなく、全ての人に通じるように思いました。インタビュー、とても学びになりました。
最後にてらちゃんは、今後どのように活動していきたいですか?
まずは、YouTubeで成功したいと思います。
もちろんマイノリティで悩んでいる人に届いてほしい思いもありますが、何となくYouTubeを見ていてクリックしたら、自分の動画が面白くて、少しでも元気を与えられたらいいなと思います。
そして、今までどおり、自分が生きたいように生きている姿が他の誰かを勇気づけられたらいいなと思います。
自分自身がありのままになれたことで人生が大きく変わったので、皆さんも自分らしく己の道を堂々と歩んでほしいと強く思います。
〜編集後記〜
てらちゃんのインタビューいかがでしたか?
てらちゃんの思いが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
以前にFacebookでも紹介しましたが、僕は、「彼女が好きなのはホモであって僕ではない」という小説を読んでから、LGBTのことに興味をもちました。
身近に友達がいてとても良かったです!
また次回もお楽しみに!
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