新“おかき”を提案する「きりのさか」が今、グランスタ東京出店にチャレンジする理由
2022年4月21日に、おかきの喫食シーンや贈答シーンの新しいあり方を提供するブランド「きりのさか by Chuoken Senbei(以下、きりのさか)」がグランスタ東京に出店します。遂に訪れた大きなチャンス!このチャレンジを早く宣言したかった!!!、、、ですが、やっと3月22日に情報解禁となりました。
「いやいや、このコロナ禍で実店舗出店なんて、全然チャンスじゃないでしょ!?」
「これからもコロナの影響が続いて実店舗はまだまだ厳しいでしょ!?しかも、利用者が減っているエキナカ!?」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
実際、社内でも反対の意見も出ました。非常に魅力的な施設だけど、今じゃないのでは、と。
でも私にはチャンスにしか見えなかった。
申し遅れました。私は株式会社中央軒煎餅・代表取締役の山田 宗です。
私が今回のグランスタ東京出店をチャンスと思った理由はこのnoteの最後にお伝えしますが、まずは
にいて、私の視点から少しお話させてください。
積年の想いから生まれた「きりのさか」
この「きりのさか」、実は2018年8月にデビューを果たしています。なぜ「きりのさか」という新たなブランドを作り出したのか?それには次のような想いがありました。
「もらったら食べるけど自分では買わない。」
「同年代の友人への贈り物には選ばない。」
「おばあちゃんの家にいつもあるイメージ」
これは私が友人や知人からいつも聞いている米菓(煎餅・あられ・おかき)の体験ストーリーです。
私と同年代の30・40代の人たちにとって米菓はもはや身近なものでなくなってきてるんだ。贈り物としてはなおさらで、選択肢にも入っていないんだ。私は長年、とても残念で悔しい気持ちでいました。ただ、私個人の感情的な問題に留まらず、私たちの直営店におけるお客様の世代継承が進んでいないというビジネス上の課題としても重要性は年々高まっていく、そんな状況でした。
自分と同世代の30・40代の人に、自分のお気に入りとして、大切な友人へ、家族へ、自分自身への贈り物として選ばれるブランドになりたい!そのために、米菓をアップデートする!そんな思いで「きりのさか」は生まれたのです。
米菓にトキメキを
過去に存在していた商品、「玄米ちっぷす」。サクサクッと食感は本当に軽く、玉ねぎや桜えびなどの素材そのままの風味がギュッとつまった玄米100%のチップス。味には絶対の自信がありました。特に、玉ねぎ味は本当に食べ出したら止まらない!(是非一度はお試しください!)これを看板商品として、同年代の人たちの今の気分やライフスタイルに適した商品にリニューアルする。特にパッケージ・デザインを刷新することに決めました。
デザインを刷新するにあたり、決めたテーマは「トキメキ・ジェネレーター」。そしてこのテーマを基に具体化されたのが、イメージカラーのピンクとボタニカル・パターン。どちらもターゲットの30・40代が「かわいい!」とテンションが上がるような世界感を目指しました。今となっては私自身大好きなデザインですが、その当時は、「ここまで突き抜けてしまっていいの?」「これが米菓の世界観と言える?」という大きな葛藤がありました。ただここで振り切る決断をしたことが、「米菓とはこうあるべき」「これが米菓らしさ」という既成概念と私自身の固定観念を超える企画開発へのターニングポイントになり、今の私たちの、朝食やアウトドアなど様々なシーンにおける提案型の商品に繋がっています。
スタート前から出鼻をくじかれ、紆余曲折あって、やっと
この「きりのさか」ですが、実は当初はある商業施設への出店を具体的なターゲットとして開発を進めていました。ブランド完成度70%というところでその施設のバイヤーに対して提案したところ、バイヤーからは、「これではダメ。売れるとは思えない。まずは催事で試してみて。」とNOを突き付けられることに。悔しかった!!!この時が一番悔しい気持ちでした。でも、もう後戻りはできないところまで来ていました。気持ちと作戦を切り替えて、催事出店からスタートし、「必ず常設店をオープンさせる」と決意した瞬間でした。
そして、2018年8月、いよいよ最初の催事。ドキドキとワクワクの入り混じった気持ちで、ここから3年以上かかることになる挑戦が渋谷ヒカリエでスタートしました。お菓子の中でもひときわ地味な存在の米菓。それをトキメキという対極な形で30・40代のお客様に受け入れてもらえるのか?パッケージ、ディスプレイ、ユニフォーム、ドリンクサービス、ショップカードなどたくさんの工夫を凝らしたけど、それに対してはどんな反応なのだろうか?そもそも美味しいと言ってもらえるのだろうか?始まるまではそんな思いが頭をよぎることもやっぱりありました。でも始まってみれば、私たち「きりのさか」の売場には次から次へとお客様が立ち止まってくださり、毎日大忙しの7日間となりました。ヒカリエの売場責任者からは、米菓として近年ない大ヒットだったと言っていただけました。ヒカリエ常設店の販売員さんたちも反響ぶりにとても驚いていました。こうして1回目のチャレンジは大成功でした。
このヒカリエの催事をきっかけに、うめだ阪急での催事出店の依頼をいただきました。信じられないほどのお客様がお越しくださり、最終日は在庫がほぼ空っぽになってしまうほどでした。その後の新宿伊勢丹でもお陰様で大盛況でした。その後も銀座、池袋、渋谷など催事出店を重ね、目標に向けて順調に前進していました。
ところが2年前に始まったコロナ禍。「きりのさか」にとっても厳しい冬の時代が訪れました。これまで私たちは集客が多い都心の商業施設を狙って催事出店していましたが、感染者数の増加や緊急事態宣言の発出により、都心に人が集まらなくなりました。試食も提供できないし、そもそも全然人が前を通らない。これまでお世話になった施設から有難いことに定期的にご依頼をいただけるようになってきていたのですが、催事はことごとく厳しい結果でした。この2年間は、順調に進んでいたものが一気に後退してしまったように感じていました。
今グランスタ東京出店にチャレンジする3つの理由
そんな中で今回のグランスタ東京店への常設出店の依頼をいただきました。やっとチャンスが巡ってきた!上述の通り、2017年から「きりのさか」の常設での出店をずっと目指してきたので、私たちからすると、遂に、本当に遂に、という思いです。ただ、コロナの影響は現在も続いています。そのような中でも、グランスタ東京への出店を決めた理由は、主に以下の3つです。
一つ目は、今回の施設リニューアルが、ウィズコロナ/ポストコロナをコンセプトにしているということ。コロナ禍において実店舗は厳しい。一般的にはそうですし、ギフトでのニーズが多い米菓は中でも特に影響を受けています。一方でコロナ禍でも繁盛しているお店も世の中にはあります。カジュアルで日常的なモノは既にかなり良くなってきています。今回のグランスタ東京のリニューアルも、より日常的な商品が集まる売場を目指していて、その中で「きりのさか」がフィットするのではということで、お話をいただきました。バイヤーからの「ケーキやクッキーを選ぶ感覚の煎餅ブランドが欲しい。」という言葉は、まさに「きりのさか」が目指してきた風景。私自身もまさに同じ言葉をこれまで度々口にしてきました。是非一緒にその世界を創りたい、私はその言葉で一気に前のめりになりました。
二つ目は、Rice Paletteという「きりのさか」の商品。「これ、おかき?」と一見おかきには見えない、ドライフルーツやナッツをトッピングしたスティック状の全く新しいおかき。そもそも米菓ではトッピングという発想がないのですが、そこにチャレンジした、見て、食べて、二重の驚きを楽しんでいただける商品です。ところが、この商品は非常に繊細なため、オンライン販売には向いていない。なので、これまでは催事の時にだけ特別に販売し、大変好評をいただく一方、欲しい時に手に入らないことが残念という声も多くいただいてきました。「このユニークな商品をもっと体験していただく機会を作りたい!」それには実店舗が必要。これが二つ目の理由です。
最後に、そして一番の理由は、チャンスは自分自身でつかみ取るもの、という思いです。確かにコロナ禍の影響がない時期の方がこの立地のメリットを最大限に享受できるかもしれない。コロナ禍が終息してチャンスが訪れるのを待つという考えもあるかもしれない。自分たちにとって最善の環境が整うのを待って、満を持して勝負すべきと思う人もいるかもしれない。でも、私は「待っていてもチャンスは訪れない。」「自分たちが行動を起こし、引き寄せたチャンスは全力で挑みたい。」そのように思うのです。
最初のヒカリエでの催事出店が、阪急催事に繋がり、伊勢丹催事になり、渋谷フードショー出店にまで繋がりました。さらにそこから今回のグランスタ東京への常設出店。自分たちでつかみ取ったチャンスに対してできること以上のことを全力で実行します。コロナ前、80万人の乗降客があった場所です。人の往来も随分と戻ってきました。まん防もいよいよ解除されます。可能性しか見えません。たくさんの方に「きりのさか」を通して最先端の米菓を体験していただき、おもしろがっていただき、笑顔になっていただけたら嬉しいです。