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職場選び#日本語教師

今日は日本語教師として仕事を探すとき場合に、どんなことを注意したらいいのか、わたしなりに思ったことを書きます。

1.日本か外国か
いきなり大きい幅でいきましたが、日本語を教えるなら外国にも需要がたくさんあるわけですよね。むしろ「外国で働きたい」「外国に住みたい」から日本語教師を選んだ人も多いはずです。(ハイ、わたしです)

ポイント①主任教員をすぐに目指したいか
ポイント②日本語教師だけで生計を立てたいか

これは420時間の養成講座にいたときに、講師の先生にアドバイスされて、実際にそうだったなと思うのですが、日本語教師だけで生活したいなら海外のほうがやりやすいだろうということです。
ただし、主任教員を目指すなら、日本で専任教員として3年の経験が必要になるので、日本の常勤にならなといけません。長期スパンでキャリアをつむのか、最短ルートをとるのか(とれるかどうかはさておき)をよく考えなければなりません。

そうは言っても日本の常勤は狭き門。また、日本語教師をはじめたばかりの人は授業準備に時間がかかるため、非常勤から始めるのが一般的です。でも、生計をたてるのが大変なので、他のアルバイトをかけもちすることも多い。
その点、海外なら常勤の募集も多いし、物価の安い国で、文法指導ができる学校を選べば集中して経験がつめます。

わたしの場合はまず主任教員を目指す気持ちがこれっぽっちもなかったことがひとつ、生活にお金をかけずにとにかく経験を積みたかったことがひとつ。
ベトナムに来て半年くらいは、文法導入ありの1日4コマ週6だったので、ベトナムライフを楽しむ間もなくマル付けと教案作成ばかりしていました。でも、住居もついていたし、食事も学校の食堂が使えたので、あまり生活のことに気をとられないで教師としての下積みができたと感じています。

2.外国で働く場合、どのような職務内容の学校を選ぶか
国によって学習者の傾向もかわりますし、勤務機関によって仕事の内容もかなり変わります。わたしの周りの極端な例だとこんなかんじです。

【ネイティブスピーカーとして勤務】
・文法はベトナム人が教えて、会話のクラスだけ担当する
・ベトナム人経営の学校なので言われたとおりに教える
・カリキュラムやテスト作成はなし

【日本から派遣された正社員】
・日本人も初級文法から直接法で指導する
・学校運営や集客についてすべて関わる(やらなければならない)
・カリキュラム、テスト、資料などを一から作る

ほかにも、社内のベトナム人に日本語授業を行う専任スタッフになっている人や、子ども向けの指導をする人もいました。

たとえば、いつか主任教員を目指したいけど、まずは海外で集中して教師スキルを身につけたいと思うなら、しっかりと学校運営に関われる学校を選ばないといけません。(しかし、どれだけ学校運営に関わっても日本へ帰ったら年数にはカウントされないという悲しさは受け止めるしかありません…)

3.使用テキストや教授法
これは自分が学校探しをしてわかったのですが、学校によっては独自のテキストを使い特別なメソッドで教えているので、場合によってはほかの学校で応用が利かなくなる可能性があります。そういった学校では授業の流れも決まっていて、教材も同じものを使います。教師の質を均一に保つために研修制度もしっかりしているようです。

これも自分のなりたい教師像とか、どうやって教師を続けたいか、によって受け止め方がかなり違うと思います。長く同じ学校で勤めるつもりであれば、その学校のやり方を徹底的に身につければあとが楽なのかなと思います。でも、自分で試行錯誤するのが好きな人、いろんなところを転々としたい人には向きませんね。

余談にはなりますが、このご時世ですから、紙ベースをかたくなに守る学校と最新のテクノロジーを取り入れる学校だとこれからけっこう道がわかれていくかと。

4.新人の教育システムがあるか
今は「会社」に所属しない働き方が広がってきて、日本語教師も「学校」というものに縛られなくなってくるのかもしれません。でも、教師になったばかりのとき、自分で授業する以外に経験値を増やすためには経験がある先生の授業を見たり、アドバイスをもらうのが一番だと思います。

どうやら日本語教師の業界はこのへんが弱い。(ギリギリの人数で回してるので余裕がない)
中途市場なので、新人とはいっても社会人経験がある人は今まで培ってきた対応力でカバーできますが、新卒で日本語教師を目指すのはかなり大変。以前の勤め先は数回の授業見学はあったものの、自分から言い出さないと放置でした。教育どころか、業務説明すらマニュアル化されていなかったので、入社後1年以上経ってから知ったルールがあったくらいです。

毎年、新卒採用を行っている学校なんて稀だと思うので、とくに新卒とか社会人経験もまだ浅い人が日本語教師になる場合は、教育制度がしっかり準備されているところを選ぶのがいいです。そうじゃなければ「失敗してもやってみる、先輩のスキルを盗みにいく、先輩を質問攻めにする」を全部実践するだけの根性を鍛える、でしょうか。

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「日本語教師」とひとくくりに言っても、子供向け~ビジネスパーソン向けまで、対象者も幅が広いし、仕事の内容もぜんぜん違います。どんな教師になりたいのか、自分の目指す方向をよく考えることが大切ですね。

オリンピックもあるし日本語教師の需要は伸びるよ~と言われていたのが、ついにオリンピックが来る…はずだったのに、国をまたぐ行き来ができなくて日本語教師はかなり苦しい状況になっています。これから日本語教師になろうとしていた人にはものすごい逆風(いや…自分にとっても)ですよね。でも変化に対応できないと生き残れないのはどんな仕事も同じだし、いっしょにがんばりましょう。

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今日の見出し写真。可愛いおしりを見せてふりかえっているのは、奈良公園鹿さんです。
自粛要請で観光客がいなくなったために、鹿せんべいがもらえず、奈良公園の鹿たちが町中に出没するようになったそうです。
関西近郊の方、感染予防のうえ、ぜひ奈良へ行って鹿さんにせんべいをあげてくださいませ。

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