サバイバル日記inベトナム⑰
昨日の晩のことですが、4月から教えていた実習生の一人から「コンビニへ行きませんか?」と誘われました。7月から新しい会社に移るので、先週が最後の授業だったため、お別れ前の思い出作りといったところでしょうか。
まだN4の勉強中で、授業で見ている限り初級の言葉・文法もあやしい学生です。でも教室では一番前に座っているし、会話練習では何とか話そうという姿勢の見える学生です。
そんな学生だったので、「コンビニ」は「喫茶店」や「レストラン」か何かと言い間違えたのか?と、疑問に思いながらもとりあえず「いいですよ」と返事しました。
約束の午後6時
「じゃ、行きましょう」
と言いわれて、連れ立って行ったのはサークルK。
あ、ほんとにコンビニだったんだ…
「先生、アイスを食べますか?」
「何のアイスが好きですか?」
どうやらアイスをごちそうしてくれようとしているらしい
「チョコレートが好きですよ」と答えたら、じっとアイスのケースを見て、「高い…」とつぶやきながらどのアイスを勧めるべきか思案する様子
その学生はまだ19歳。ふくふくした顔の可愛らしい女の子です。生活費のために、学校の掃除を手伝ってアルバイトをしています。なので自由になるお小遣いが少ないのかもしれません。それなのにアイスを買ってくれようとしている。
いじらしすぎる…
ベトナムのコンビニはイートインスペースがあるところが多いので、座ってアイスを食べながら話をしました。アイスを食べ終わると、今度は「先生、お腹がすきですか?(お腹がすいていますか?)」と食事に誘われました。
近くのローカルのファストフード店を紹介してくれて、それぞれ注文し、さっきはアイスを買ってくれたからとわたしが支払いをしてしまうと、はわわ…となっているのもとっても可愛かったです。
最後はカフェに場所を移して、けっきょく5時間近くいっしょに過ごしましたが、辞書の助けを借りながらいっしょうけんめい質問したり伝えたりしようとするを見ると純粋にすごいなと感じました。
彼女は教え始めたばかりのときは一人で教室の後ろの方に座っていていました。大人しくて、ちょっと自信がないように見えました。なので意識的に彼女に視線を送ったり、答えやすい質問をそれとなく当てたり、彼女が主役になれる瞬間を作ったりという工夫をしていました。
たぶんそういうのが伝わっていたんだと思います。
「先生は特別です」と辞書で調べ調べ伝えてきてくれました。
実際に昨夜は、会話のところどころで習った言葉が出てこないと「わたしの日本語は下手です」としゅんとしたり、「○○さんと、○○さんはとても上手です」クラスの優秀な学生と自分をと比べたりしていました。
でもね。
クラスにはツンと澄まして自分はできるって顔して頬杖ついてる人も、必死に勉強しないといけないレベルなのにこっそりゲームしようとする人もいるんだよ。(それはそれで可愛いんだけど)
そんな中で、わからないときに相談できるように優秀な学生の横に席をとって、新しい言葉が出るたびに必死にノートにメモして、習った言葉を使おうと果敢にチャレンジしてる姿はちゃんと見えてるからね。
いろいろ伝えてあげたかったけど、さすがにわたしのベトナム語力では説明しきれないので、全力で「大丈夫!」とだけ伝えました。
今年中に実習生として日本へ行けるのか先が見えないけど、いい会社に入れて、仕事と日本の生活をしっかり経験して成長してくれることを祈ります。
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ホーチミンは年中暑いですが、朝夜は涼しいです。夜にはカフェや屋台が路上に椅子を並べて、友達や家族連れでのんびり過ごします。