サバイバル日記inベトナム⑭
最近は、週に3回、1回50分の会話授業しかしていないのに、授業準備に2時間近くかかっています。なぜかというと、理由は二つあって、ひとつはテキストも教材もテーマもなく、あるのは「N5はじめたばかりの学生でみんなまだ下手です」「N4はだいたい終わった学生ですがあまり話せません」という情報と「あとで使うのでスライドと教案を作ってください」「日本へ行く予定があるので話せるようにしてください」という指示だけだから。
もう一つは今まで日本人が教えておらず、ネイティブの発音に慣れてないのでまともに聞き取れない(あるいは言葉自体忘れている)ため、つまずいたときようのベトナム語準備が必要だから。母語で説明されて完全に理解できる状況に慣れてしまうと、ちょっとでもわからないことがあるときに、完全に止まってしまう学生が仕上がってしまいます。そんな学生のフォローを直接法でやっていたら、それだけで授業が終わってしまうので、授業をストップしてしまわないようにするにはベトナム語を準備しておいたほうが安心です。
このベトナム語の準備が必要なところで、日本語学習者が言うあるあるを実感しています。
以前なら初級レベルのクラスでもベトナム語を準備することはほとんどありませんでした。学生たちが直接法に慣れていたからちょっとくらいわからなくても押し通すこともできたし、初級ならつまずいたときに口頭でフォローできるくらいはベトナム語がわかるので、わざわざ下調べまでしなくても対応できていました。
しかし、今教えている学生にはどうもわたしのベトナム語が通じません。
おかしいな?今までこれくらいならみんなわかってくれたのに…
しばらくしてわかったことが、クラスの学生の大半がベトナム北部の出身者(首都ハノイの方面)だということ。わたしは南部のホーチミンに住んでいて、南部弁を覚えているので、イメージでいうと東京で下手な大阪弁を話す外国人に遭遇したみたいな状況でしょうか。
もう一つ考えてみたのが、今までは長い期間ずっと教えてきた学生を相手にしていたので、”わたしのベトナム語”に学生たちが慣れて聞き取れるようになっていたかもしれないということ。
日本語教師をやっているとちょっと発音が変な日本語でも聞き取れてしまい、実際にほかの日本人と話すとぜんぜん伝わらなかったということがありますが、自分自身で体験する羽目に。
今までも、会社のベトナム語しか話せないスタッフは話せるのに、タクシードライバーのおじさんなんかは南部弁でもさらに田舎の言葉を話す(しかも早い)のでまったく何を言ってるのかわからないことがありました。
「大阪弁が早すぎて聞き取れない~」
「アルバイトの店長がおじいさんで何言ってるかわからない~」
「先生の言ってることはわかるけどお客さんの言ってることがわからない~」
うんうん。わかるよ~~
そんなわけで、最近は教案がわりにベトナム語を書いた紙を持って行って、つまったら板書することにしています。
ちなみに、ベトナム語は声調や、母音の使い分けのための記号があって、それによって意味が変わるので、しっかりと表記しなければなりません。たとえば、「ベトナム語」という意味の言葉は”Tiếng Việt”と書きます。話せるけど、綴りをきちんと覚えていないあたりも「漢字が書けない~」と言ってる学生たちと同じ…(苦笑)
今までは「日本語文法に照らしてベトナム語の文法がわかるけど、日常生活ではあまり使えない」という中途半端なレベルで止まっていたので、ベトナム生活がまだまだ長くなりそうなことですし、ベトナム語も勉強し直しです。
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今日の見出し写真は、以前も紹介したスイティエン公園のアトラクションです。某有名魔法学園はイギリスじゃなくてホーチミンにあったんですね~
あかんやろ!(笑)