再発防止策・堂々の第1位「ダブルチェック」ちょっと待って。本当にそれで大丈夫?って話
仕事をしているとミスが発生した際に再発防止策の提出を求められることはよくあると思います。
その時に多いのが「ダブルチェックを行います」や「トリプルチェックにします」という防止策。
今回は、そんな魔法のことば「ダブルチェック」についてのお話。
わたしの部下も、再発防止策を求めた際に9割ぐらいの確率でダブルチェックの徹底みたいな文言が入っています。(ダブルチェックがフローに既に組み込まれていることも多いです)
わたしの場合、そのような内容であると再提出を求めることが多いですし、わたし自身も、再提出を求められたことは多々あります。(ミスを起こしてたださえ凹んでいるのに、また怒られるみたいなことは避けたいですよね、、、)
わたしも昔はそうだったので、気持ちはすごく分かるんですが、
果たしてダブルチェックはそんなに有効な打ち手なのでしょうか。
大抵の場合、再発防止策に求めることは、「ミスそのものを起こさない」ようにすることであって、「ミスの発見をする」ではないです。
ですが、ダブルチェックは「ミスを減らすものでなく、ミスの発見を目的」としています。
なので、この時点で再発防止策としてはあまりイケてないわけです。
なので大事なのは、「ミスの発生を防ぐ」ということ。
ミスの根本原因で多いのは、
①うっかりしていた、思い込んでいた、忘れていた、そもそもフローを無視していたのような当人自体が原因のパターン
②時間に追われていた、多忙だった、などミスが起こりやすい環境だったことが原因のパターン
大体このどちらかに分類できると思います。
ですが今回はダブルチェックの話なので、この辺にします。
そもそもダブルチェックの有効性ですが、
人間信頼性工学:エラー防止への工学的アプローチHuman Reliability Engineering: Engineering Approach to Human Error Prevention 中條 武志
こちらを見ていただいてもわかるように、
何回もチェックしたからエラー(ミス)が見つかるかというとそうではないです。
1人に責任集中させないという効果はあるかもしれないですか、それは本質ではないですよね。
また、リンゲルマン効果(社会的手抜き)という現象が発生することもあるので注意が必要です。
あの人がやってくれるから大丈夫でしょ!を全員が思ってしまうってパターンです。
なので、そもそもダブルチェック、トリプルチェックということ自体が使い方によっては良くないってことです。
もちろんダブルチェックが有効な場合もあります、
AさんとBさんそれぞれがチェックして、それを最終突き合わせるような場合です。
この場合はダブルチェックが独立してるので手抜きが起こりにくいです。
ミスの発生原因への対処がないまま、
ダブルチェックにまたダブルチェック、トリプルチェックを重ねる対策は、
ミスの発見率は大して変わらないのに、関与する人数が増えるのでわ時間がかかる。すると、忙しくなってミスが起こりやすい環境になる。そしてミスがまた起きるという、最悪のサイクルができてしまいます。
デフレスパイラルのような状態
もし、今まさに再発防止策を考えていて、
ダブルチェックの徹底と報告しようとしているなら
ちょっと一呼吸置いて本当に適切か見直したほうがいいかもしれないですよ。
すずめ1号