交互共作短歌「通行止」
東京からの帰り道、俳人のうっかりさんと二人で交互に5つ言葉を繋ぎ短歌を作る遊びをしました。
○……う→宮→う→宮→う
●……宮→う→宮→う→宮
と交互に詠んでいきました。図らずとも、此度の旅行~帰宅を織り込んだ歌がいくつかできました。
○ モブの山の裾野は広し最上川ハワイ旅行に泳いでゆけば
● 梅でかき虹を思えば蛇の道の裏側にある街ぞ恋しき
○ 東京の緑数えて白ワイン三歩あるけば友達がいる
● 打ち上げた後の花火を目印に青い風船飛ばしおる指
○ ドップラー効果 音 啄み 揚羽蝶 翅ゆらゆらと 息絶えていて
● マイク置いてなお歌い出す喉元やパンや夕日にさよならの声
○ 故に雨窓辺には湖冬の夜に灯り数えつ黒鍵を拭く
● 左から生まれてきたの立ったまま米粒ほどの不安のために
○ 正しくは昼寄りの夜(笑)影は四方にバスタ新宿
● 観覧車射抜いてみせよ遠い国の那須与一がもぎるチケット
○ カリカリの噛み締めてこそ冬の雲涙抱えてしおりを挟む
● トンネルを寝袋として抱いた朝山の女神と流し目、合図
○ Waltz for Debby グラスに十年の傷細長く伸びてゆくなり
● ラッパ吹く半濁点の強かさパパパパパパパパララバイおやすみ
○ 通行止 ながながと冬木立に陽ほどけたままのあや取りの糸
● 天井の雨漏りの染み知る海図エウロパを出よ風はもうじき
○ 太陽黒点置き去りて今アルビノの鯨の歌う特大譜表