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ハノイで会ったイタリア人
ベトナム・ハノイにあるPizza 4P'sというピザ屋に行った時に
一人のイタリア人に出会った。
彼はカウンター席に座る僕の隣に案内されてきた。
席に着く時に目があったので微笑みかけると、
彼も微笑み返した。
ピザが焼き上がるまでは時間がかかる。
お互いに一人で来ていたので
ピザを待っている間に二人で雑談をした。
彼はハノイ観光中で、
イタリアに帰ればいくらでも美味いピザが食べられるというのに、
Pizza 4P'sはとても有名なピザ屋なので
どうしても来たかったそうだ。
しばらく話した後にピザが運ばれてきた。
僕はマルゲリータで、
彼はブッラータの乗ったピザを頼んだ。
ピザの味は本場イタリアの味を知る彼も絶賛していた。
僕たちはほとんど同時に食べ終わり、会計も同じタイミングだった。
僕が先に会計を済まし、彼の会計を待っていた。
彼はクレジットカードで支払いをした。
その後、店員の前でレシートにサインしながら店員に一言。
「綺麗でしょ?(It's beautiful, right?)」
突然の質問に店員は最初戸惑っていたが、
すぐに彼がジョークで笑わせようとしたことを理解した。
店員はロボットではなく、同じ人間だ。
レシートのサインの確認という何の変哲もない行為に
ジョークを挟むことで、
そこに人間同士のコミュニケーションが生まれたのだ。
イタリアに住んだことはないので、
イタリア人が日常的にこのようなジョークを言うのかは分からない。
だが、「ウィットに富んだ」ジョークが言える人は
常に相手を楽しませることを考えているような気がする。
会計の後、挨拶をして別れたが、
帰り道でふとそんなことを考えていた。