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大自然の神秘・オーロラを求めて極寒のアイスランドへ絶景の旅
こんにちは。
ドイツ・ミュンヘンにて留学生活を送る大学生、桜です。
私たちが住む地球は大自然の神秘に溢れていますが、文明が発達した今や、日常の中でそれを感じられる瞬間は限られています。
光のカーテンが揺らめくようなその美しさで知られるオーロラは、北欧やカナダなどでしばしば観測される、まさに自然の生み出す奇跡。
今回は、ミュンヘンで少しずつ春の兆しが見えてきた2月末、まだ極寒の北国アイスランドへとオーロラを見に行ってきました。
世界最北の首都レイキャビク
アイスランドは、ヨーロッパとグリーンランドの間に位置する世界最大の“島”で、
今回訪れた南西部の首都レイキャビクは、世界で最も北にある首都。
ドイツからレイキャビクへは、アイスランドの格安航空会社を使いました。
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北へ向かって飛ぶこと5時間、
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アイスランドに到着です。
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今回はLCCなので、到着は中心部から少し遠いケプラヴィーク空港。
中心部へはバスで向かうのですが、チケットを買ってみてびっくり。
なんとお値段1人26ユーロ。
経験上、空港と市内を繋ぐバスはかかっても15ユーロほど。
このとき感じた嫌な予感が、市内にて的中することになるとは梅雨知らず…
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このバスに45分ほど揺られて、レイキャビクの街へ向かいます。
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あいにくの曇りで上空からは見えなかったのですが、
バスの車窓からはどこまでも続く溶岩流の地表と残雪の景色。
進めど進めど永遠に続くこの眺めに、全く知らない最果ての地に来てしまったような不思議な感覚。
ただずっと眺めていたいと思いました。
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ちなみにGoogleマップを開いてみると、思ったより北にいてびっくり。
先日サウナ旅をしに訪れたフィンランド・ヘルシンキをゆうに上回る、人生最高緯度更新の瞬間でした。
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そうこうするうちに、街に到着。
とはいえ残雪とちらほら見える針葉樹は、相変わらず最果ての冬を感じさせます。
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移動疲れを癒しに飲み物でもと思った所で、先ほどの予感を的中させる衝撃的な出来事。
前提として
①私の住むドイツでは、ビール500mlで大体1ユーロ=160円。(←円安すぎ…)
②大体1アイスランドクローナ=1円くらい
なのですが、このGullというビール(500ml)はなんと1250クローナ=約1250円。
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アイスランドの物価の高さは風の噂で耳にしていたものの、街中のスーパーでこのレベルだとは思わず、驚きを越えてもはやドン引き。
ただでさえ止まらない円高に耐えている日本人留学生にこの仕打ちかよ~と思っていたところ、日本雑貨屋の奥に光るダルマさんからの心に響くアドバイス。
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まずはホテルへ。
今回は、3泊するここを拠点にさまざまなアクティビティに参加します。
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昼食はIstanbul Kebabという近くのケバブ屋さんで。
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今回は時間に余裕を持たせまくっているので今日は何もすることがなく、暗くなるまでに海のほうに行ってみることに。
現在南ドイツで生活している私は海を見ることが滅多になく、海の匂いを嗅ぐと日本の地元が懐かしくなるので、海辺の町が大好きです。
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初日はあいにくの雨。
雪山が見えるはずの景色も低い雲が遮ってしまっていますが、広くて冷たい大西洋を目いっぱい、肺一杯に感じました。
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夜ごはんはこのコンビニみたいなお店で買って済ませます。
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7000円のサーモンに卒倒しそうになっていると、一本100円のバナナを発見。
破格!!!と驚愕して写真まで撮って買ったもののよく考えたら普通に高いです。
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悪天候の中、ホェールウォッチングへ
翌朝。
雨は収まったもののいまいちパッとしない雲空の下、とある場所へ向かいます。
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昨日は見えなかった雪山が姿を現しました↓
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ということで、最初の予定はアイスランドの海にてホエールウォッチング。
先日迎えた誕生日には鯨類の図鑑をプレゼントしてもらうくらい鯨類好きな私、アイスランドに来たからにはクジラを見ないわけにはいきません。
ちなみに鯨類の中でも圧倒的に強くて社会性の高いシャチが、わたしのイチオシ。
ドイツに来る前の私が、日本で唯一シャチに会える場所・北海道の羅臼町へ船に乗りに行った時には、運悪く会うことができませんでした。
シャチは、アイスランドはもちろん世界中の海に暮らしているので、今回こそ出会いに期待。
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今回乗る船はこちら、「アマリア・ローズ」。
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さて、極寒の海へ出航です。
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ちなみに私はホエールウォッチングにおける自分ルールとして、絶対に船室に入らないと心に決めています。
羅臼のときもそうでしたが、クジラの姿を一瞬たりとも見逃すまいとデッキに居続けて海を見渡すのが、私のホエールウォッチングの楽しみ方。
極寒の強風に耐えられる若いうちにしかできない力技ですが…(笑)
それにしても、二月末のアイスランドの海、寒すぎる!!!!
良い天気とはとても言えない空からときに降ってくる雹と、船がバウンドするくらいの激しい波、携帯が吹き飛ばされそうな強風で、体感温度は余裕で氷点下。
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船のアナウンスはずーっと、数日前にこのあたりでザトウクジラが見えた話。
今日の海にクジラの面影は全く感じられません。
それでも目を凝らした先には、知床連山を連想させる美しい景色が。
冷たすぎる風に吹かれて動かなくなった表情筋を冷え切ったマフラーで温めながら、美しい景色を堪能しました。
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それでも今回のクルーズで唯一出会えた野生の動物がいました。
アザラシです。
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いくつかのクルーズ船が順番に接近してきて戸惑う姿に申し訳なさを感じながらも、水族館以外で初めて見る野生のアザラシにとても興奮しました。
頭をちょこっと出してこちらの様子を伺い、また水中に潜ってしまうまるでモグラたたきのような姿が可愛くて仕方ないです。
アザラシを一目見ようと、いつの間にかたくさんのお客さんがデッキに出てきていました。
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沖から眺めるレイキャビクの街並み。
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クルーズ終了時間が近づいてきたころになって、やっと青空が現れ始めました。
波も収まってきて、なんで今頃・・・と肩を落としていると、
知らなかったのですが、クジラを見られなかった場合後日の便に無料で振り替えることができるとのこと。
ゆったりめに旅程を組んでいてよかった~と、最終日に振り替え便を入れました。
天候に左右される分、フレキシブルな対応はとてもうれしい。
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ちなみに夜には、今日の本命のクルーズ船がもう一便控えています。
それまでの間、街歩きを楽しむことに。
レイキャビク街歩き
極寒の海で体力のほとんどを奪われたところで、試してみたかったアイスランドのソウルフードを食べに行きました。
それがこのホットドッグ。
街に何か所かある屋台で一つ5ユーロで売っていて、これ用のパンやソースがそれぞれ商品化されているようなオリジナルのホットドッグ。
柔らかいパンを使った優しい味で、大味のドイツのホットドッグと比べてはるかに私好みの味でした。
アイスランドに訪れた際はお勧めしたい一品です。
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ホテルに戻りがてら朝の海辺に行ってみると、綺麗な晴れ空と雪が輝く山々が見渡せました。
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信号のすぐ向こうに見える海が青空を反射して最高の景色。
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ふらっと街歩きをしてみました。
雪国に多く見られる、辺り一面真っ白な中でも目立つように建てられたカラフルな家々が目を楽しませてくれます。
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ちなみにこの道がレイキャビクで一番の大通り↓
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人口30万人ほどのアイスランドの首都・レイキャビクには12万人ほどしか暮らしておらず、おそらく街中にいるほとんどは観光客と言った感じ。
その地理的特徴を生かして水産業が盛んな一方、観光業にも結構頼っているんだなと言う印象。
そんな街のランドマークが、形が特徴的なこのハットルグリムス教会。
今日はもう営業時間外だったのですが、上にのぼれるみたいなので明日以降時間があるときにのぼってみようと思います。
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ちなみにねこさんにも出会いました。
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日本で飼っている祖母の猫にとても似ている子で、人懐っこくてとても可愛かったけどすり寄って来すぎて写真がブレブレ(笑)
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光のカーテンを見に、夜の海へ
さて、今日のメインはここから。
アイスランドに来た理由の大きな一つこそ、大自然の神秘・オーロラをこの目で見るという夢のため。
太陽から届くプラズマが地球の大気の粒にぶつかって発生するオーロラは、磁力の影響を受けるため極の近くで発生します。
とくに北極地方で発生するオーロラはNorthern Lights(北極光)、南極のものはSouthern Lights(南極光)と呼ばれ、そのメカニズムはまだまだ謎に満ちています。
そんなオーロラが見られる確率を示す指数、今夜は10分の2。3以上で見られるかも?くらいの感覚なので、希望は薄く、さらに空には視界を遮る雲が漂っている状況。
少しの運も取りこぼさないよう、どんな小さな信号も守って港へ向かいます。
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お昼と同じ業者なので、同じ船に乗り込みます。
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風は止んでいるものの、太陽光が完全になくなった夜の海は極寒。
美しい港を眺めながら出航です。
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沖から見た町は思ったより明るくて、ちゃんと一国の首都を担っているんだなと思わされる夜景。
ただ御覧の通り、雲が町の光を反射していてもしオーロラが出ても分からないくらい空が明るくなってしまっています。
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ホエールウォッチングと同じく、まる3時間デッキに出てひたすら空に目を凝らします。
ふとGoogleマップを開いてみると、だいぶ陸から離れてきていました。
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夜の海の寒さに気が遠くなりながらも、徐々に町灯りから遠ざかりクリアになっていく暗闇の中でひたすら空を見上げていました。
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体温をことごとく奪う強風に耐えていたのですが、その風がいつの間にか雲を遠くに運んでくれて、夜空に輝く星たちを見ることができました。
最近少しだけ読めるようになった星座を、人生最北の地点から視界いっぱいに眺める贅沢な体験。
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写真に写せるよりもっと満天の星空に、ああもうオーロラが見えなくても十分素敵な体験をしているなあとぼんやり考えているころには、デッキに出てるのは私たち以外に数人しかおらず。
えー、みんな中に入っちゃったなー、なんて考えながら振り向くと
そこには目を見張る景色が。
・・・・え?
あれ、オーロラじゃない?
慌てて隣に座る友人に話しかけました。
少し遅れて、デッキに出ていたドイツ語を話すお客さんが「あれって…!」と言い始めたので、駆け寄ってそうだよね!と確信するとともに船のアナウンス。
「船の後方にオーロラが現れ始めました」
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船の後方、北の空に、うっすらと揺れる一本の光が。
諦めかけていたほかのお客さんがわらわらと船室から出てくるとともに、光の帯はどんどん濃くなっていきます。
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オーロラ指数2の空で、しまいにはユラユラと揺らめき始めた薄緑の光のカーテンに、船からは歓声が沸き起こりました。
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ローマ神話の曙(あけぼの)の女神アウローラにちなんで名づけられた大自然の奇跡・オーロラ。
日本では北海道だけでなく、かつて広島などでも観測例があるそう。
オーロラは昔から、北の国々でたくさんの伝説となり、
フィンランドでは空に舞い上がった美しい娘の化身として、ここアイスランドでは巨人が躍っている結果だとして、その神秘性が伝えられてきました。
そしてもっと太古では、災いの前触れだと恐れられていました。
夜空にゆらめく光のカーテンは、昔も今も人々の心を揺さぶるのだと、実際に目にして思い知らされた夜でした。
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そこそこ長い間空に浮かんでいたオーロラは、クルーズが終わって町の光に埋もれた場所からは見えなくなっていました。
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それでも高ぶる感情を抑えられず、朝の日本にいる祖母に電話をかけて「あんた今アイスランドにおんの!?」とびっくりさせてしまいました(笑)
指数も低く天気も悪い中、今回は無理だろうなと半ばあきらめていた中で叶った、オーロラを見てみたいという夢。
普段夜空を見上げても目撃することのない神秘に目と心を奪われ、ほんの10分ほどの時間がいまも鮮烈に頭に残っています。
地球って、太陽って、ちゃんと生きてるんだなと思いました。
大自然を感じるアイスランドの旅、より強烈に生きた地球を感じることになる3日目以降は次回のnoteで。
それではまた!
追記:
振り替え便で、待ち望んだクジラに出会えた日↓