【ドイツ留学】久石譲のジブリコンサートへ@ミュンヘン
こんにちは。
ドイツ・ミュンヘンで留学生活を送る大学生、桜です。
昼間はもうだいぶ暖かくなってきて、半袖でも出歩ける気温に渡航直後の思い出を重ねて懐かしくなっている最近ですが、、、
そんな渡航直後の時期からずっと楽しみにしていた、とあるコンサートに行ってきました。
それが長年の夢だった、久石譲のジブリコンサート『Joe Hisaishi Symphonic Concert:Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki』です。
昨日の晩に開催され、興奮冷めやらぬまま生の感想を残しておきたくて今朝この記事を書いているので、まとまりのない文章になってしまうかもしれません。。
Olympia Halleへ
予約したのは昨年夏、チェコ・プラハに旅行していた時。
あの時は来年の5月なんて遥か先のことだと思っていたのに、留学生活ももうここまで来たのか…と感慨深くなりながら、コンサート会場へ。
会場は、1972年にミュンヘンオリンピックが開催されたオリンピアホール(Olympia Halle)。
開園に時間前にもかかわらず、最寄りの駅に着くや否や、世界中から久石譲の音楽を聴きに集まった大勢の人で辺りが賑わっていました。
そして入場口の前には物凄い待ち列。
荷物チェックを抜けて入ると、真正面にグッズ売り場。
※↑A4サイズより大きいかばんは持ち込めません
私がいつも聴いている、久石譲とロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のアルバムや、トトロやヤックルのぬいぐるみなどのジブリグッズ。
どんぐり共和国が恋しくなりました…
会場はこんな感じ。
後ろの方の席を取ったのですが、それでも十分ステージに近いな、と感じました。
開演
開演10分前くらいになると、自然を描いたジブリのワンシーンがスライドショーのように流れ始め、いよいよだなあと鳥肌が。
ここからはただただ彼の音楽を耳いっぱい、体いっぱいで受け止めて楽しむ時間でした。
昨日のセットリストを載せているサイトがあったので貼っておきます。
よければ再生ボタンを押してみてください↑
風の谷のナウシカ
『風の伝説』でコンサートが始まります。
この作品はジブリ作品の中でも特に大好きなもののひとつで、ジブリの女性ヒロインの中ではナウシカが群を抜いて好きなのですが、
想定外にも初っ端から涙が止まらず…
宝塚歌劇や他のアーティストのコンサートでも泣いたことがない私ですが、今回ばかりは感動が桁違いだったのかもしれない。
ヨーロッパ旅の長距離列車の中、富士山の山頂で日の出を待ちながら、18きっぷ旅で鈍行で田舎を走りながら、北海道の湿原を釧網線で駆け抜けながら…
さらには高校時代の予備校で、自転車通学で、受験当日、
いろんな場面で私の心を癒し安らぎを与えてくれたのが、久石譲のつくる音楽でした。
それはジブリに限らず、私の一軍プレイリストには彼の「Summer」があったり。
そのすべてが、ものすごい音圧と共に私に押し寄せてきて、“とめどなく”とはこのことだと言わんばかりに涙が溢れてきました。
『ナウシカ・レクイエム』では、原版では久石譲の娘・麻衣さんが歌っている「ラン、ランララランランラン」の所を合唱団が歌っていたり、
『遠い日々』では、オームの子供を助けたナウシカが、オームの血で真っ青に染まった服を着て金色の触手の野を歩くシーンがスクリーンに映し出されました。
魔女の宅急便
映画タイトルが出て、キキがパン屋で店番をしているこのシーン↑が流れると、「Oh~~~~~」の声。
皆さんの服装を見ていても思ったのですが、ヨーロッパで魔女宅の人気はとくに高いみたい。
ストックホルムがモデルになっているということもあって、風景に親近感がわくのかな?
さっきまで完全に気分は風の谷に居たのに、
『海の見える街』が流れると瞬く間に辺りがコリコ(キキが修行する街)に変わってしまうのが、久石譲の曲と宮崎駿作品のすごさ。
皆さん心なしか体を揺らして楽しんでいました。
そして先ほどの感動がまだ収まらない私と言えば、魔力が不安定になったキキが飛行船にぶら下がったトンボを助けるシーンでまたもや感泣。
周りにいた、赤い大きなリボンを付けた女の子たちも、とても楽しそうで微笑ましかったです笑
もののけ姫
もののけ姫は、『アシタカせっ記』から始まり、スクリーンにはタタリ神。
そして終盤には、ドイツ人かな?のソプラノ歌手の方が出てきて日本語で『もののけ姫』を歌っていました。
本物に劣らない世界観で素晴らしかった。
大好きなこのシーン↓や、緑が蘇るあのシーンも。
どうしてこんなにも、この映画にはこれしかないと思えるほどの音楽を、繊細で力強くアニメーションに染みこませることができるのだろう。
久石譲がスタジオジブリと出会ってくれたことに、いちジブリファンとして頭が上がらない思いです。
風立ちぬ
これに関しては、ミュンヘンの皆さんのリアクションが割と薄かったので、最近のジブリアニメだからそんなに浸透していないのかな…?とか思ったり。
ファンタジー寄りのアニメで好きなのが「ハウルの動く城」だとするならば、現実寄りのアニメで好きな作品は「風立ちぬ」がそのひとつ。(圧倒的なのは「耳をすませば」「コクリコ坂から」あたり)
『旅路(夢中旅行)』では、ロシアの民謡学期バラライカを手前の演奏者さんが弾いていて、
どこかのインタビューで久石さんが「風立ちぬの音楽は大きくない編成がいい」と言っていた通り、映画の世界観をそのまま表すような軽やかでふんわりとした音でした。
ちなみに最後のこのシーン。
スクリーンで流れて、涙を浮かべてうなずく二郎と音楽が相まって心を鷲掴みにされた感覚でした。
崖の上のポニョ
前半最後はみんな大好き、ポニョ。
ポニョもヨーロッパで人気なのか、ポニョが映し出された瞬間すごい歓声が湧いて驚きました。笑
合唱団による『崖の上のポニョ』の合唱は、何度も何度もyoutubeで見ていたので感動。
演奏の最後も”あのシーン”でした。
天空の城ラピュタ
休憩のあとの一曲目は、ラピュタから始まりました。
中でも『君をのせて』は特別な一曲で、私の好きなサンテグジュペリの小説『星の王子さま』に魅せられた宮崎駿が、その歌詞に込めたとある思いがとても美しいんです。
それこそ『崖の上のポニョ』などは英語で歌われていたのですが、『君をのせて』の合唱は日本語。
「あの地平線 輝くのは どこかに君を隠しているから
たくさんの灯が 懐かしいのは あのどれか一つに君がいるから」
英語で字幕がついていましたが、この歌詞を日本語で聴いて理解できることがとても幸せだなと思い、なんとしても原語で歌わせるところに宮崎駿のこだわりを感じたりしました(憶測ですが)。
紅の豚
紅の豚は『帰らざる日々』一曲。
小さい頃には分からなかったポルコの魅力が、大人になってすごくよくわかるようになりました。
コンサートでの最後のシーンは、飛行機の墓場でした。
ハウルの動く城
これを聴きにここに来たといっても過言ではない。
『Symphonic Variation "Merry-Go-Round, Cave of Mind"』
ハウルの動く城のオーケストラバージョンです。
旅先でも電車の中でも家でも聴きまくった曲。
特に、『人生のメリーゴーランド』の冒頭の久石譲のピアノソロの所は感涙。
何でしょうね、この映画でしか味わえないあの世界観や、疾走感というか心を洗われる感覚というか…
出てくる景色、流れる音全てが見る者を虜にする最強の作品だと思っています。
一曲だけとは思えないボリュームと、ジブリの曲の中でもあっとうてきにオーケストラ向けの音楽、生だからこそ味わえる音圧に、涙、涙でした。
千と千尋の神隠し
やはりこの作品はすごいですね。
冒頭の引っ越しのシーンで客席からはとてつもない歓声。
こういう場面で声を上げていいのも、ジブリコンサートならでは、そして海外ならではだなあと感じます。
そして『あの夏へ』の歌は英語でした。
日本語の歌詞の美しさが魅力的なこの曲ですが、英語版もすごく新鮮。
最後には、銭婆宅からの帰り道、ハクが竜から人の姿に戻るシーンが『ふたたび』と共に流れ…
平原綾香さんバージョンが恋しくなりました笑
千と千尋にしかない、優しくておぞましくて不思議な世界観。
ものの何分かの演奏でしたがその中で思い知らされたのは、この映画はこの曲して在らず、ということ。
そしてこれは千と千尋に限らず、宮崎駿のアニメーションにおいて久石譲のつくる音楽が果たす役割の底知れなさを感じました。
アンコール、ラスト
アンコールは、久石譲の曲『Madness』と、最後は『アシタカとサン』でコンサートが締めくくられました。
最後はスタンディングオベーションで拍手が鳴りやまず・・・
気づけば2時間くらいたっていましたが、体感は30分くらいに思ってしまうほど。
幸せだった・・・
放心状態での帰宅
世界中の久石譲ファン、ジブリファンで、駅はすごいことに。
興奮が冷めず帰りはほとんど覚えていません。
ここ最近で一番幸せな時間を過ごし、ここ最近で一番涙を流し、
やっと叶えることができた長年の夢。
私の人生にとってとても特別な日でした。
久石譲さん、ミュンヘンに来てくれてありがとう。
特別な時間を本当にありがとうございました。