【ドイツ周遊】赤レンガ倉庫が美しい港町ハンブルク、ドイツ第二の大都市を歩く旅
やってきたのは北ドイツの大都市、ハンブルク。
同日朝にハノーファー観光をしてそのまま発ち、電車で約2時間半、ドイツが誇る国内最大の港町に到着です。
ドイツ第二の都市ハンブルク
その起源は9世紀にさかのぼります。
ヨーロッパ中を平定し皇帝となったカール大帝は、北ドイツの地に今のハンブルクとなる「ハンマブルク」を建てます。
エルベ川によって北海とつながるこの町は、海からは離れているものの町中を水が巡り多くの橋が架かる、いわば“水の都”。
なんとその数約2500本、これはアムステルダム、ロンドン、ベネチアを合わせた数をも上回るそう。
駅からは水が見えるほうへとひたすら歩きます。
聖ペーター教会
「ブリック・ゴシック」についてはハノーファー編でお話ししたとおり、
バルト海沿岸、北ドイツの町でしか見られないこの美しいレンガ造りのゴシック建築。
外からでも十分に私の目を惹きつけるこの教会は、ハンブルク最古の教会、聖ペーター教会。
古代ローマのロマネスク、尖塔とステンドグラスのゴシック、端正でシンプルなルネサンス、荘厳で華麗なバロック、優雅な曲線美のロココ・・・
私の好みは、南ドイツ・バイエルンの優美な麗しさを勿体ぶって魅せるロココ様式。
尖りまくったゴシックは私の好みとは正反対ですが・・・
中に入るとやはり、絵画ではなくステンドグラスで壁が埋められ、尖塔アーチで空間が縦に伸びて見えるこの造りに惚れ惚れしてしまいます。
石造りの重厚感と空間が抜けたような軽やかさを持ち合わせるここには、ゴシックによく似あうオルガンが。
滞在中に演奏されることはありませんでした。
でもやっぱり、オルガンの重厚で壮大な音が似合うのは、優雅でどこか妖艶なロココの絵画である気がするのです。
ハンブルク市庁舎
歴史上6つ目のこの市庁舎。
高さ112メートルの真ん中の塔は遠くからでも目を惹きます。
飛行機雲が塔と交わり、それを負けんばかりに追う鳩が一羽。
ネオルネサンスの新旧折衷が織りなす、他の町の市庁舎には見られないすっきりとした新しさとかつてのルネサンス様式への畏敬を感じました。
ここでは州議会が行われていたり、はたまた内部が一般公開されていたり、中心部にあるに相応しいランドマークの役割を果たしています。
この市庁舎の壁では歴代の神聖ローマ皇帝の銅像が市庁舎広場を見守っていました。
中央の二人は、左から初代カール大帝、その右側には「バルバロッサ(=赤髭王)」と呼ばれたフリードリヒ一世。
次に向かうは、戦争を奇跡的に生き残った教会。
聖ニコライ教会
見えてきました。
遠くから見ると、教会と言うよりはむしろ塔のようなイメージ?
それもそのはず、この聖ニコライ教会は第二次世界大戦で破壊された姿そのままでハンブルクの町を見渡しています。
かつてはこんな風によく見る教会の形をしていましたが、党の部分だけを残して第二次大戦時に大破。
ボロボロになってもメインの建物は当時の面影を残して立っている姿が、どこか原爆ドームを連想させます。
水のまちハンブルク
街を歩いて抱く印象は、やはり「水の街」ならではの魅力や美しさが街のあちこちから香ると言うこと。
ビートルズがデビュー後の下積み時代をすごしたこのハンブルク、
立ち並ぶ赤い建物と揺らめく水面を眺め、「Something」を聴きながらゆったりと歩きたくなる。
Kibbelstegbrücke
端だらけの町でもひときわ存在感を放つのが、このKibbels橋。
ここから眺める倉庫街は圧巻・・・
かと思いきや、目の前の道路が大変なことに。
道路が見事に陥没してて、これを放置するのは果たして大丈夫なのか…?と不安になります。
さすがドイツ、と言ったところでしょうか。
【世界遺産】運河に面する倉庫街
ところで、港町ハンブルクには(先日の洪水で駅がすっぽり水に沈んでしまうほど)町中に水が張り巡らされています。
上空から見てもわかるように、赤いレンガ造りの倉庫街が立ち並ぶこのエリア。
「ハンブルクの倉庫街とチリハウスを含む商館街」として世界遺産に登録されています。
横浜の赤レンガ倉庫とは比べ物にならない規模感。
目を凝らしてはるか先を見ても終わりの見えない倉庫街はノスタルジックな雰囲気を醸し出し、青空に負けじとその赤い肌を輝かせています。
この倉庫街、船で回ることもでき、橋からは見えない真正面からの建物を楽しむことができます。
そしてここには観光名所のミニチュアワンダーランドがあり、今回は残念ながら時間が取れず訪れることができませんでしたが、
私が住むバイエルン、先日訪れた北欧のスカンジナビア、オーストリア、春に行く予定のイタリアなど世界中の様々な都市のミニチュアがあるそう。
もっといろんな都市を回ってから、絶対に訪れようと思います。
流石は港町、船が何艘も寄港していました。
もしかするとこれらは形状的に観光船かも?
ちなみに私は歩ける場所は歩いて観光する派ですが、
夜のブダペストだけは絶対に絶対に船に乗ったほうがいいです。(笑)
倉庫街の先端に見えるのは、エルプフィルハーモニー・ハンブルク。
ここをハンブルクの楽団が本拠地として連日コンサートが行われており、日本人の方もここの音響設計にかかわっています。
私じつはバイエルンで初めてオペラ「イドメネオ」を見て、その魅力がよくわからずコンサートホール系は無意識に遠ざけてしまっているのですが・・・
ドイツに来たからには、一度はオケを聴きにいこうと思います。
(ちなみにわたし久石譲の大ファンで、ミュンヘンで今度やる彼のコンサートはばっちり予約しています。)
港町ハンブルクの船が並ぶ景色を堪能。
やっぱり観光船らしき船が多いですね…
夜行列車でミュンヘンへ
ヴォルフスブルクでのサッカー代表戦観戦、ハノーファー&ハンブルクを一日練り歩く、などした後の体はへとへと。
このへとへとの体のまま、今夜は夜行特急(ICE)に乗って、ドイツの北の端っこハンブルクから南の端っこミュンヘンまで一晩かけて帰ります。
見えますでしょうか、(多少の遅延はあったものの)九時過ぎ発、翌日朝六時着、乗車時間なんと9時間。
車内は謎に冷房が効きすぎていて、灯りは一晩中消えないし、疲れた体には結構酷な旅でした(笑)
やっと「ミュンヘン」の文字を見た時は涙が出るかと思いました。
ヴォルフスブルクでタダで貰った馬鹿でかい国旗をもって、うちに帰ります。
近くの本屋さんの前には、あのあと解任させられたドイツ代表監督ハンジフリックの文字。
北ドイツを巡る小旅、南にはない建築と、何より海を思わせる大きな運河やエルベ川が拝めて、
国内旅行の中でも結構新鮮な気分になれました。
引き続き、ぼちぼち、ドイツ周遊記更新していきます。