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【パリ倹約旅】世界一美しいステンドグラスと、マリーアントワネットの独房あと

こんにちは。

ドイツ留学記の桜です。

前回に続き、留学生の倹約パリ旅行。

昨日はルーブルに凱旋門、エッフェル塔などパリの王道を楽しみましたが、パリを堪能しきるにはまだまだ時間が足りず。

今日はサントシャペルやコンシェルジュリーなど、パリの比較的古い歴史を感じる日にしたいと思います。



朝のパリから


おはようございます。

朝のパリは綺麗な晴れ空。

朝から眺めているこちらは、先日のパリオリンピックで話題になったセーヌ川。

春に訪れたので、まだ清掃前の汚い姿(清掃して綺麗になったかはさておき)を目にしながら、セーヌ川に浮かぶシテ島に向かいます。


パリ発祥とも呼ばれるセーヌ川の中洲、シテ島にいざ上陸。

人生で一番感動した大聖堂


最初の目的地は、シテ島にある小さな礼拝堂、サントシャペル。
ここであれほどの感動を味わうことになるとは、朝の濁ったセーヌ川を眺めているときは思いもしませんでした。

パリ五輪直前だからなのでしょう、警察官が大勢いて厳重すぎる警備が敷かれていましたが、ここでも日本人は基本的に全く怪しまれないのでニコニコお話ししてスルー。

ここがその礼拝堂

チケットはここから事前購入必須↓
私はcombinedを選択し、コンシェルジュリー(については後ほど)の入場もセットになったものを買いました。

ちなみにここでも、18~25歳のヨーロッパの学生は無料です。

ちゃっかり無料でした

当日券の待ち列は何時間経っても一向に進んでいませんでした。

入り口はこちら。

サントシャペルは、「パリのセーヌ河岸」としてノートルダム大聖堂などとともにユネスコの世界文化遺産に登録されている、13世紀に当時の王によって造られたゴシック様式の礼拝堂。

入ってみると、一階部分はこんな感じでブルボンのアヤメの紋章「フルール・ド・リス」が天井に散りばめられています。

そして奥の螺旋階段を上ったところが礼拝堂のメイン。

入ってみると、思わず息をのみました。

こんなにも美しいステンドグラスが存在してしまうのか。
その場の空気までもがピンク、紫、青に染められているような空間。

一つ一つの画や模様がとても美しく、またどの窓も少しずつ柄が違うのでいくら見入っても飽きない。

「見惚れる」という行為はまさにこれである、と言わんばかりに色とりどりのガラスに酔いしれました。

太陽が陰って差し込む光の量が少なくなると少し青っぽく映り、ひんやりした印象に。

背後を振り向くと、植物をイメージしたような円形のガラスにも細かく絵柄があしらわれています。

個人的にここサントシャペルは、以前訪れたプラハの聖ヴィート大聖堂やケルン大聖堂などのほかのゴシック様式の世界遺産たちをはるかに凌ぐ壮観だったなと思います。

コンシェルジュリー


隣にあるのがかつての刑務所・コンシェルジュリーです。

12世紀に建てられ、最初はパリの王宮の一部として使用されていたゴシック様式が美しい建築物ですが、フランス革命の時期(18世紀後半)には刑務所として使用されるようになり多くの王政支持者や革命家らがここに収容されました。

入り口を見つけるのに結構苦労しました
チケットを見せて入場

刑務所だった面影を感じさせない、アーチが美しい荘厳な造り。

入り口でタブレットを渡され、それをもってチェックポイントをめぐるという形の見学でしたが、タブレットと実際の景色が同期していて当時の様子を並べてみることができたのが面白かったです。

衛兵の間
警備の間

そしてコンシェルジュリーに収容された最も有名な人物というのが…

マリーの独房


革命の犠牲者となったオーストリア・ハプスブルク家出身のフランス王妃、マリー・アントワネットは、テュイルリー宮殿が襲撃されて逮捕されたのちここで収監され、厳しい監獄生活を送らされることになりました。

当時マリーが寝ていたベッドの位置や様子すらも、このタブレットひとつでありありと想像できました。

ここでマリーは毎日世話係の女性と二人でお祈りをし、少しの自由時間と子供たちとの面会を楽しみに残り少ない時間を生きていたそう。

フランス革命に関する展示が多くあったのですが、その中には当時の画家が描いた処刑場へ向かうマリーの姿のスケッチもありました。

ハプスブルク家好きの私としては、ろくな教育も受けないまま政治利用されて敵国に送り込まれ、そこで極悪非道な我儘王妃として吊るし上げられ38歳の若さで死ぬことになる彼女の運命に、憂いを感じずにはいられませんでした。

噂の(?)セーヌ川を散歩


コンシェルジュリーを脱出(脱獄)。

奇しくもマリーがコンシェルジュリーを出て処刑場に連れていかれた時と全く同じ道をたどり、セーヌ川沿いを歩きました。

続いて向かうは、シテ島に来たら忘れてはならないスポット。

レンタサイクルはパリでも盛ん

ノートルダム大聖堂


やってきました、パリ観光には欠かせない場所、ノートルダム大聖堂。

最近修復が完了し一般公開が再開されたと話題ですが、実はこの頃はまだ工事中。

火事が起きた2019年の様子が白い囲いにプリントされていました。

ということで、最大限近づいて撮れた写真でコレ。

昨日ルーブルで見たナポレオンの戴冠式が行われたのもここですし、有名なローズウィンドウも見たかった…

リベンジをここに誓っておきます。

マスト:本場のクロワッサン


空がまた晴れてきました。

タイトル通り、私がフランスでやりたかったことの一つ
「本場のクロワッサンを食べる!」
を達成しに行きます。

風情ある街角

選ばれたのはサンジェルマン通りに面したこのお店。

La Maison d'Isabelle

街のパン屋さん、というような風貌のこのお店には結構な人が。
全体的にそんなに高くなく、焼き立てばかりでどれにしようか迷ってしまいますが…

私が選んだのはただ一つ、クロワッサン。

なんとお値段3ユーロ、破格すぎる。

フランス語で「三日月」を意味するクロワッサン、ここのお店のやつはいつかの何かのコンテストでグランプリに輝いたらしい(詳しくは知らない)。

層がしっかりしてて、ふわふわさくさくで、バターの香りが強めで、一個で十分満足感を得られる本場のクロワッサンでした。

照りが素晴らしい

今日の出費は今のところ、このクロワッサンとコーラだけ。
昨日に引き続き倹約旅は調子よく継続中…

ソチ五輪の羽生結弦選手のショートプログラムを思い出しながら、頭の中に『パリの散歩道』を流してパリの街を歩きました。

こちらはフランスの偉人を祀る墓所として知られるパンテオン。

そしてこのあたり一帯に学生っぽい人が多いなと思ったら、名門パリ大学もありました。

メトロに乗った様子も。

割と綺麗な車内だなと思ったら、ホームはやっぱりヨーロッパでした。

裸足で帰ったの?

オルセー美術館


そしてパリ観光を締めくくるのが、ルーブルと並んで重要な美術館であり、19世紀の美術を専門に集めたオルセー美術館。

「印象派の殿堂」と呼ばれるここは、美術には明るくない私も一度は見てみたいと思っていた印象派絵画が沢山あるのでやってきました。

一応チケットサイトを貼っておきますが、ヨーロッパの学生など一定の資格を持っている人はチケット・予約なしで大丈夫です。


やはり春休みの繁忙期なのか、長い入場列ができていました。

ここからは昨日のように、見たものざっくり紹介。


落ち穂拾い

ミレの作品。美術の教科書で見たことがあって、見つけた時は小さな感動がありました。

日の出

モネの作品の中でも好きなやつ。
細かく見ると私でも描けそうな線ばかりなのに、朝のふんわりした空気が繊細に浮き上がってくるからすごい。


ムーラン・ド・ラ・ギャレット

ルノワールと言えばの作品にもお目にかかれました。
きらきらと差し込む陽の光のリアルさは生で見て尚感じられました。

日傘をさす女

3枚あると言われている「日傘をさす女」のうち2枚をここオルセー美術館では見ることができました。残りはワシントンにあるらしい。
中学生のとき、この模写をしたのを思い出しました。

ルーアン大聖堂

モネの連作「ルーアン大聖堂」のうち2枚もここで見られます。
たしか1枚は日本の箱根にあったはず…

ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光

モネで5本の指に入るくらい好きなのがこれ。
ダントツは、日本の国立西洋美術館で見られる「ウォータールー橋」なのですが、とにかくモネが描くロンドンの様々な建築物には、色彩も含めて独特の魅力があるように感じます。

ローヌ川の星月夜

そして、まさか見られると思っていなかったのがゴッホの「ローヌ川の星月夜」。
「夜のカフェテリア」とかも好きなんですけど、ゴッホの描く夜とか光って素敵だなあと思います。

自画像(ゴッホ)

自画像もありました。
これは耳切り後、切った方が見えないような角度で描かれているもの。

ゴッホコーナーは特に人だかりがすごかったです。

オルセー美術館の内装はこんな感じ。
ルーブルよりもコンパクトで回りやすかったです(というよりルーブルがド級に広すぎる)。

考える人

世界中に設置されているらしい「考える人」ですが、これがフランス政府が認めている”本物”なのかはわかりませんでした。

しかし一つ言えるのは、ここオルセーにある『地獄の門』は、ロダンのオリジナルの石膏だそう。
つまり世界中にある鋳造作品の原型。
本物の中の本物にお目にかかることができました。

あんまり見ないお尻からの画角


パリ総括


パリじゅうを駆けずり回ったまる2日間でした。

美術も食も歴史も堪能しまくって感じたのは、パリって意外とお金を使わなくても楽しめるぞ??ということ。
※ヨーロッパ学割でほとんどの施設が無料だったのが大きかった

学生に優しい街で、おしゃれなジェンヌが沢山いて、街がとにかく広くて、人はちょっと冷たくて、、

私はパリのいいところを色々見つけることができたけれど、好き嫌いの分かれる街だなあと感じました。
実際にほかの留学生と話していても、パリ好き派と嫌い派で綺麗に二分します笑


最後に、オルセーを出てふらふら歩いていたときに小さな公園で、桜にそっくりの花を見つけたので貼っておきます。

来年は日本の桜を見るのが楽しみです。

以前コルマールやリヨンには行きましたが、パリはフランスの中でも異質な街なんだなと知りました。

明日以降は、ブルボンの栄華・ヴェルサイユと私の夢の場所・モンサンミッシェルを攻めてきます。


それではまた!

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