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【徹底考察】オレの作ったゲームが面白くなかった理由
あなたは誰?
こんにちは、私はしがないゲーム開発者です。
なにかしらのクリエイティビティのある活動をし始めて2年ほど。
プログラム、デザイン、アニメーションだったり、ゲームを作るための知識や技術は、人並みには身についてきて、ある程度自信が付いてきた中だったのですが、一番最近作ったゲームが正直面白くなりませんでした。
この記事では、一体何が面白くない要因だったのかを分析します。
誰かの「面白いもの」を作る参考になれば幸いです。
ちなみに、この記事を書いている間、私は過大なストレスを感じていました。自分の失敗と正面から向き合うには、非常に心的ストレスが掛かります。
なので、少しでも参考になった方がいれば、ぜひいいねを押してくださいね、いいですね!
どんなゲームを作ったの?
作ったのは、『POSING NIGHT』というゲームです。
ここから遊べます。
このゲームは1週間ゲームを作るという、ゲームジャムに参加して作成しました。
「ない」というお題だったので、
「ない → Night → 夜といったらクラブだよな!(1回しか行ったことない) →クラブといえばダンス!」
みたいなノリで、最初はダンスゲームを作ろうかな、と考えました。
けど、なんか独自性を出したい…うーん。
そんな時にYoutube でジェラードンの動画をたまたま見かけました。
なんかこれ、組み合わせたらゲームに出来そう!みたいに考え、ゲームを作り始めました。
オリジナリティあるし、ジェラードンを彷彿とさせることで、フック要素になるのかな、とか思ったり。
制作期間としては1週間。
大体の作品コンセプトとしてはこんな感じ
・Beat Saberみたいなサイバーな雰囲気のゲームにしたい
・クラブなノリを演出したい
・HD-2Dみたいな感じでキャラクターを表現したい
時間も短いので、仕様書も無しで、とにかく手を動かし、なんとか完成まですることは出来ました。
作品の評価
1週間結構時間を掛けて作ったこの作品、プレイしてくださった方からの評価自体は以下の通りでした。
楽しさ:3.4
絵作り:4.3
サウンド:4.2
操作性:2.9
雰囲気:4.2
斬新さ:3.9
うーん…面白く…ない…?
特に、ビュー数が全く増えなかったのが残念でした。公開して1ヶ月でビュー数は100…。
つまり、サムネやプレイ動画を見て、「面白そう!」と感じる人がぜんぜん少なかった、ということ。
詳しくは以下の記事で書きましたが、どんなに面白いゲームであったとしても、「面白そう」という要素を人に伝えられなければ、全然遊んでもらえません。
自分で書いておいて実践出来ていないのは恥ずかしすぎますね…。
なにがダメだったのか -①企画編
まず、企画がダメでした。
企画の中身がダメというより、企画の立て方が悪かったというのが一番大きな反省点です。
みなさん、企画を立てる時、どのように立てますか?
インスピレーション?自分の作りたいゲームを具体化する感じ?最近プレイしたゲームから影響を受けて作る?
いろんな立て方があると思うし、絶対の正解はないとは思います。
ただ、外してはいけない一番大事な要素を抜かして企画を作ってしまったことが私の反省点です。
一番大事な要素、それは、人間のどのような「楽しい」、「気持ち良い」感情を刺激したいのかを明確にする、という点です。
人が楽しいと思う瞬間、気持ち良いと思う瞬間が沢山あります。
たとえば、こんな感じ。
・部屋を掃除して、部屋がキレイになった時
・力いっぱいにサンドバッグをぶん殴った時
・解けない問題が、頭をひねったら解けた時
・お金が日々溜めて、ある日貯金残高を見た時
・リズムに合わせてドラムを叩く時
・バッティングしてボールが遠くに飛んだ時
・悪いやつが懲らしめられた時
・くじ引きであたりが出た時
・他人に勝負で勝った時
・立てた戦略がハマって、思い通りにことが進んだ時
こういったものを、以下では「根源的な楽しさ」とします。
ゲームは「根源的な楽しさ」を増幅させてくれるもの。だから、人は何度もプレイしてしまうものだと私は考えています。
じゃあ、今回この企画に、「根源的な楽しさ」はあったのだろうか?それを言語化出来ていただろうか…?
答えは…NOでした。
今回、私は「独自性」や「奇抜さ」を入口に、なんとなく企画を作ってしまいました。
しかし、独自性やオリジナリティといったものは、「根源的な楽しさ」をどのような手段で増幅するか、という部分で出せばよいのです。
「独自性」や「奇抜さ」を入口にして企画を作っても、「楽しさ」のベースが出来ていないので、最終的に「楽しい」ゲームになる可能性は低いです。
図解するとこんな感じ。
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ゲーム業界の人がよく使う「フック」という要素は、このピラミッドの一番下が出来上がった上に成り立つもので、「フック」から企画を立ててもダメなのです。
奇抜なゲームというのは、耳目を集めることがありますが、最終的に評価されているゲームというのは、ベース部分の「根源的楽しさ」を太く持った上で、奇抜である作品だと思います。
今回のunity1weekの作品だと、特に以下の作品が、太い「根源的楽しさ」の上に、「フック」を乗っけている優れた企画の作品という印象を持ちました。
なにがダメだったのか -②中身編
イマイチな企画を立てるところから始まっている以上、その後の部分をどんなに作り込んでも面白くはなりづらいですが、もう少し中身の部分でも見ていきます。
もし遊んでいただいた人がいたら、わかると思うのですが、このゲーム、操作性に非常に難がありました。
「気持ちいい操作」、これって具体的にどういうことだと思いますか?
私なりに言語化すると、
「自分の思い通りにゲームを操作出来ていること」
だと思います。
私はアクションゲームが結構好きですが、世の中にはアクションゲームをあまり好まない層も結構います。
これは、自分の思い通りにキャラを動かすまでに時間が掛かるのが面倒だからだと私は考えます。
特に、アクション性のあるゲームであるほど、
「自分の手足のようにキャラクターを動かせる」操作を目指す必要があります。
これを解決する方法は2つです。
1.世の中にすでにあるゲームと同じ操作を要求させる
2.操作に馴染ませるように、プレイヤーをチュートリアルで導く
1番は、例えばWASDキーで移動、SPACEでジャンプであったり、左ステックで移動、右クリックでカメラ移動、みたいな操作です。
これであれば、これまでゲームをしたことがある人には、チュートリアル無しでも、プレイヤーは大体操作方法がわかります。
けど、あまり主要ではないジャンルのゲームだったり、独自の操作性を持ったゲームを提供する場合、2番をキチンと行わなければ、プレイヤーは付いてこれません。
で、今回私が作ったゲームは2番、これまでに無い操作感を要求するゲームでした。
一応チュートリアルを作ってはいますが、正直このチュートリアルでプレイヤーが付いてこれていたかというと、まったくそんなことはなかったわけですね。
そもそも、短期間で作るゲームジャムのゲームに、2番のタイプの操作性のゲームは向いていません…。チュートリアルをガッツリ作らないとほとんどのプレイヤーは付いてこれないですが、チュートリアルを作るには結構制作時間が掛かってしまうので。
仮に新しい操作性を要求するにしても、ボタンは1つだけとか、クリックするだけ、みたいなものでないといけなかったと思います。たとえば、こんなゲームとか。
https://unityroom.com/games/hyper_man_dream
総合すると、「根源的な楽しさ」を考えずに、ただ思いついた企画を形にする、みたいな作り方をしてしまった。なので何が面白いのかがわからない。
そして、操作が難しくて動かしていても気持ちよくない。
だから全体的に面白くなかった、という至極当たり前な結論に帰結するのでした。
今になれば、「なんでこんなことに気づかなかったんだぁ~」となるのですが、怖いのが作っている間は面白くない部分に気付けない、ということなんですよね。
多分、これには世界中のゲーム制作者が頷いてくれていると思います。
なので、企画のレビューや、モックの段階で第三者から意見をもらうのは、とっても大事!
私でよければいつでも壁打ち相手をやりますので、DMでお声がけください!
いただいたガチコメント紹介
今回の記事を書くにあたり、匿名で感想を募集し、いくつか感想をいただきましたので紹介します。
ありがとうございます。
1通目。
ゲーム面白かったです!
1点、操作性についてですが序盤からポーズの難易度が高く、プレイヤーが成功経験を積めなかったのが課題かなと思いました。
また、回す速度についても少し冗長で、手が回るまで待つ時間が発生してたので徐々に早くなるなどがあるかもしれません。
あとはフィーバータイムなどを作って関節の負荷も無く凄い速さで動けて好き放題にポージングできて得点を荒稼ぎできるなどもいいかもしれません。
本質的な指摘ばかりです。
そもそもの楽しさの定義が曖昧だし、楽しさをプレイヤーにどうやって体験させるのか、という設計が出来ていなかった、おっしゃるとおりです…!
ありがとうございます。
2通目。一部抜粋で(もちろん全部読んでいます)。
①操作の直観性の無さ
どっちの方向に回るのか未だに理解できていない。
(左右で回る方向が逆になっているのもそれに拍車をかけてるかも)
(せめて操作説明パネルでどっちに回るか教えてくれれば……)
また操作説明パネルのキーが上下5段のUI表示になっているけど、
実際に操作するキーは2段でそれも直観性の無さに拍車をかけてる。
②いきなり高い要求を出す
本番で全身操作のお題をさせる前に、練習で上半身だけや下半身だけ動かす課題などがあっても良いと思いました。 いきなり全身操作をさせるのでこれが①と相まってプレイヤーが段階的に学習できず、最初から複雑な操作を要求されている状態なので初回の壁が高すぎる印象です。
③褒めの要求値が高い
ランクBで怒られたのはちょっと悲しいというか、初回プレイ時のトドメに。(もういいかなってなった) 特に②と相まって最初のプレイが怒られてばっかりになりがちなので…… 気持ちよくなる前にゲームを止めた人はだいたい低評価をするかと思います。
思い当たる部分がありすぎてハゲました。
まとめると、自分が作りたいもの、やりたいことだけを押し付けていて、プレイヤーにどう気持ちよくなってもらうか、その視点が全然足りていなかったというご指摘ですね。
そもそもの楽しさの定義をしっかりすることと、それをどうやって段階的にプレイヤーに伝えていくのか、これをしっかり設計することの重要性を認識しました。
2通とも本当にありがとうございました!
もし作り変えるならどうする?
どうやったらもっと面白くなっただろうか…?
ある程度作った素材を活かしつつ、もっと面白くできるとしたらこんな方法だったら出来たのでは、ということを考えてみました。
実現性とかそういったことは一旦度外視で。
案1:リズムに合わせてポーズを取る!
【楽しさの軸】
リズムに合わせてタイミングよくボタンを押す
【実現する方法】
・流れてくるノーツに合わせてボタンを押したら、キャラクターがダンスポーズを取る
・ボカロ曲を使ってボカロのキャラクターに踊ってもらう。上手くボタンを押し続けられれば、さながらボカロPVのようなダンスになる
あれ…なんかこれって、ほぼアイド◯マスターでは…?
案2:キレイにハマる穴を作って嵌めるゲーム
【楽しさの軸】
空いた穴にキレイにボールが入る気持ち良さ
【実現する方法】
・意味はわからんが、このキャラクターがゴリラに投げられる。
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すると、プレイヤーは投げられたキャラクターがぴったり当てはまるようにブラシでキャンバスにお絵かきをする。
投げられたキャラクターが穴に「スポッ」と通り抜けられたら成功!
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うーん…わかりにくくて微妙…。
けど、元のやつよりかは操作はわかりやすい(絵を描くだけなので)、かも。
良ければコメント欄で、「自分ならこうやって面白くする!」を自由にコメントください。
まとめ
あらためて、やっぱり企画は大事だと痛感させられました。
個人的には、結局のところ、技術は企画を実現するための手段でしかないですからね。
よいクリエイターを目指すには、企画も技術もどっちも鍛えないといけないのです。
これからも、良い企画を立てられるよう、トレーニングを続けていこうと思います。
それでは素敵なゲーム制作ライフを!
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