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計算ミスを減らす方法
計算ミスを減らす方法。
原因を3つに分類して、対策を4つ紹介する。
原因①純粋な計算ミス
・ひっ算の途中の九九の間違い
・ひっ算の途中の繰り上り/下がりの間違い
・暗算部分の計算間違い
原因②漏れや読み間違い
・足し引きを逆にする間違い
・掛け算と割り算を逆にする間違い
・計算すべき項の漏れ
・計算メモの数字の読み間違い
・分数計算で消えずに残っている数字の漏れ/消し忘れ
・小数計算における少数点の移動漏れ
原因③計算方法の間違い
・分配法則のやり方の間違い
・移項のやり方の間違い
・分数の通分の間違い
・小数点の四則演算上の扱いの間違い
対策
分配法則や通分、移項等の理解を深める
最も重要かつ本質的(将来に影響がある)要素。
理解が浅く基本の場合だけ覚えてて出来る場合がある。
応用は適当に計算しており、その結果偶然正解したり間違えたりする。
それが計算ミスのように表出している状況であれば、まず理解を深める必要がある。
原因③に対して効果がある。
具体的には理解が怪しいものについては様々なパターンをやらせてみて本人の理解度を確認する。
例えば様々な分配法則の問題を途中式も含めて書かせてみて、本当に理解しているのか確認する。
間違った理解になってる部分があれば教える。
ありがちなのが「5×3+5×7=5×10」のような基本だけ出来るパターン。
以下のようなちょっと捻ったパターンを適当にやってる場合がある。
5×〇+5×7=5×(〇+7)
〇×7+5×7=(〇+5)×7
〇+〇×9=〇×10
上記の左から右はわかってるが右から左がわかってないパターンもある。
計算と思考を分離する
テストで点を取る上で非常に重要なテクニック。
計算と思考、すなわち解答方針を考える行為を分離する。
要は出来るだけシングルタスクにする。
原因①,②に対して効果がある。
特に原因②。簡単な問題では起きないが難しい問題で原因②によるミスが起きているならこれが対策となることが多い。
計算ミスを減らす効果だけでなく、シングルタスクで思考することで回答方針を考える側のパフォーマンスも上げる効果も期待出来る。
道に迷った際に走りながら考えるのではなく、止まって地図を見て正しいルートをじっくり考えて、確信してから走り出す方が確実で早い。
ちょっとした計算の工夫を行う
計算の仕方を工夫することでミスを減らす。
小手先のテクニックではあるものの意外と効果がある。
主に原因①に対して効果がある。
・円周率を含む計算で分配法則を活用する
中学受験で計算量が多くなりがちな3.14の計算。
3.14でくくって最後に3.14とのかけ算を1度だけ行うようにする。
3.14と何かのかけ算をそれぞれ行って、その結果を足したり引いたりしてるとそりゃあ間違える。
・円周率は上にして計算することで計算結果を暗記する
3.14とのかけ算は常に3.14を上にして計算するようにする。
何度も計算すると3.14×〇(〇=1~5)くらいまでは自然と暗記出来る。
完全に暗記してなくても間違えた際に違和感を持てたりする。
それだけでも十分アド。
とりあえず3.14を下にして計算するメリットはない。
・分数のかけ算わり算は最後に一気に行う
よく言われる話。
以下のように上と下に要素を全部書いて約分していく。
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・10を作る計算を意識する
15×44=15×(2×22)=(15×2)×22=30×22=660
5は2をもってこれば10になるし、2.5は4をもってこれば10になる。
1.25は8をもってこれば10になることは覚えて使えると便利。
大雑把な計算と答えを比較して確認する
大雑把な計算をして出した答えと比べて計算ミスを見つける。
かなり難易度が高いので小学生でこれが出来たら相当優秀。
原因①~③全てに効果があると言えばある。
具体例を書く。
以下の画像の色のついた部分の面積を求める問題。
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扇形から三角形を引いて2をかけるとして、
(10×10×3.14-10×10÷2)×2=528
と計算ミスをしたとする。
この時、正方形の面積が100だからそれより小さいはずの色のついた部分の面積が528というのは明らかにおかしいよね、とミスを発見する。
大体100の半分の50くらいになるはずという確認。
他にも奇数や偶数が特定される場合や下一桁だけ計算して確認するとか色々な方法はあるが、いずれにしても難易度が高い。
子供に対して「桁だけあってるか見るとミスを見つけやすいよ」と何度か声掛けをしたことがあるが、習得できる気配がない。
ちょっと言ってみて出来そうなら凄い。
出来なさそうでも悲観することはない。
以上。