「浦和明の星中学」の入試算数を解いてみた
2023年の浦和明の星女子中学の入試算数を解いた感想考察。
なぜ入試問題を解いているのかは過去記事参照。
「子供に勉強を教えるなら真っ先にやるべきのこと」
まず触れたいのは入試の特徴。
募集120人に約2000人が応募して約1000人が合格。
埼玉受験は1月なので本番2月前に受ける人が多い。
受験料だけで凄い収入。
しかも2月本番前に入学金締切。素晴らしい受験ビジネス。
2023年合格者の点数は以下の通り。
平均点にあまり意味はない。
合格者1000人に対して入学者120人だから。
9割近くが滑り止め的に受けてる。
最低点あたりが実際の合格ラインと思って良い。
つまり各教科7割弱。
他校と比較した難易度はこう。
豊島岡>>立教女学院>女子学院>浦和明≒鴎友
鴎友やJDを解いたのがだいぶ前なので正確性は乏しい。
では各問題の感想。
大問1:分野横断小問7題
これくらい簡単な問題も出る。
ただ、この問題くらいの高い難易度の小問もある。
上の円の問題も下の体積の問題もちゃんと解けば計算量はかなり少ない。
②は①で求めた水の量=(図1の底面積ー図2の底面積)×深さ
なので、ややこしそうに見えてほぼ約分で処理できる。
大問2:流水
よく見る問題。計算はかなり平易。
全体的に計算力はあまり求めていない印象。
大問3:牛乳ビンの問題
「牛乳ビン」を題材によく見る問題。
さすがに浦和明を受ける子は何回か解いたことありそう。
(2)を抽象化させて(3)を解かせたいなら、100本は少ない。
適当に数字入れて計算すれば2,3回の試行で解けちゃう。
大問4:損益算
(1)は差集めへの誘導が露骨過ぎてちょっと面白かった。
大問5:推論
大問2~4は頻出問題ばかりだったが、最後に面白そうな問題。
この小問2は良い助け舟だと思う。
小問としても成立してるし、3問目のヒントとしても優秀。
(3)を解説しておく。
(2)の答えが(1,7)(3,9)(4,8)。
1がAに残っているので、サイコロで1は出ていない。
1は1の目でしか動かないので、1が出たら移動して戻ってこないから。
ペアの7もAにいることがわかる。
A:1,7,10
B:
サイコロ:1 2 3 4 5 6
10がAにいることから、サイコロで2,5が両方出たことがわかる。
10は2,5でしか動かず、2,5片方だとBにいる。
2,5両方出ないとサイコロを4回投げれない。
サイコロ2,5でしか動かない2と5がBに移動して戻ってこないこともわかる。
A:1,7,10
B:2,5
サイコロ:1 ② 3 4 ⑤ 6
残りは(3,9)(4,8)の2ペアと単体の6。
Aが6個、Bが4個なので6はAにいる。
残りは2ペアを分けるだけ。
A:1,6,7,10
B:2,5
サイコロ:1 ② 3 4 ⑤ 6
サイコロで2が出ているので、6はいったんBに移動してる。
その6がAに戻ってるので、サイコロで3か6のどちらか片方だけ出た。
逆に言うとどちらかは出ておらず、4は確実に出たことがわかる。
よってサイコロで2,4が出て、(4,8)ペアはAにいる。
答えは1,4,6,7,8,10となる。
最後に
全体的に良問と言うか、当たり障りのない問題構成。
こだわりの強い問題は一切ない印象。
もしかしてそういう作問の仕方も狙い通りなのかも。
最初に書いた本番前の練習受験としての受験ビジネス的な。