テスト形式の記憶定着率の話と勉強方法への活用
テストの記憶定着率がやばいという調査がある。
調査は以下文章の通り。
初期学習として再学習とテストの2×2の組合せで実施する。
1週間後の記憶定着率が以下の通りだった。
再学習(覚え直し)に効果はほぼなく、テストすることの効果が大きい。
しかも間違えた問題だけテストするのではなく、正解した問題もテストするのが1週間後の記憶定着率の向上につながったという結果。
引用元の論文を見ると初期学習時のデータがあった。
Sがstudyで学習。Tがtestでテスト。
Nが付いてるのは間違えた問題だけ、という意味。
A:ST B:SnT C:STn D:SnTn
初期学習はどのやり方でも4回目で学習が終わっている。
とはいえ4回繰り返すのにかかる時間はそれぞれ異なる。
A(ST)は全部再学習して再テストするので結構時間がかかる。
D(SnTn)は間違えた問題だけを再学習せずテストだけする。
つまり4回目は3回目に間違えた約10%をテストだけする。
結果初期学習にかかった時間は以下の通りとのこと。
この実験結果からわかることと学習方法へ活用。
1.テストが大事
これは書いてある通りなので割愛
2.再学習の効果がないように見えるがその捉え方は多分誤り
今回の実験がスワヒリ語の単語学習。
初期学習のグラフからわかるようになので再学習の有無で正答率の差が出てない。
実際の中学受験の勉強においては再学習の有無で正答率が変わるのが普通。
もちろん正解した問題に関しては再学習の必要はなさげ。
3.いかに効率よくテストするかが工夫のしどころ
初期学習のグラフを見ると2回目ですでに8割近い正答率。
つまり3回目4回目はほぼ正解した問題を改めてテストしている。
それが1週間後の記憶定着率の違いになるという実験結果。
よって解ける問題でも出来るだけテストするのが良い。
とは言え全範囲を毎日のようにテストするわけにはいかない。
いかに時間をかけずにテストするかが工夫のしどころとなる。
例えば社会でせっかく本文を読ませるなら設問を足すなどが考えられる。
文化的な個別の事を聞いてるなら、ついでにその時代の文化名(飛鳥文化とか)を聞くとか。時代の名前を聞くとか、天皇の名前を聞くとか。
4.1週間後の復習では遅い
Aグループでも正答率8割なので1週間後の復習は遅い。
エビングハウスの忘却曲線とかも考慮すると1日後、1週間後、1か月後がわかりやすくて良いだろう。
時間間隔は記憶力に影響を受けているだろうから、その意味で1週間(7日)や1か月(約30日)と言う時間単位が生まれたのかもしれない(妄言)。