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【考察】ミラベルと魔法だらけの家 ミラベルはなぜギフトをもらえなかった?

ピクサー最新作「ミラベルと魔法だらけの家」がディズニープラスで配信開始!音楽や映像がいいと好評だったので、私も観てみることにしました!

結果、大当たりです!!!

ジャンルとしてはファンタジーやミュージカルになりますが、ただのファンタジーではないのです。ここでは作中の2つの謎をもとにストーリーを掘り下げていきます。

★ここからは本編を見た方向けのため、盛大なネタバレを含みます★


①なぜ家族の中でミラベルだけギフトがもらえなかった?

正直なところ、ミラベルも実はギフトを持っていたけど気が付かなかった…作中で手に入れる…という展開を予想していたのですが、最後までミラベルはギフトを手に入れることはありませんでした。

所説あるかと思いますが、私は「後継者問題」に深く関係していると予想しています。

マドリガル家はみんな特別な力を持っていますが、アルマおばあちゃんの教えから、それを人々のために使うように心がけています。特にミラベルの姉であるイサベラとルイーサには、その考えに脅迫じみたものまで感じていますね。

ここで、ミラベルもなんらかのギフトをもらっていた場合を想像してみましょう。

イサベラはマリアーノと結婚、家族の期待に応えるため、優等生で居続けようとします。後に子供を授かったとして、彼女は子供にどう接するでしょうか。「人々のために生きる」を押し付けてしまい、ギフトではなくその子自信を心から愛することができないのではないでしょうか。

ルイーサは自分を頼りにしてくれる人の期待に応え続ける生活です。力のギフトを持っていて頼もしく見える一方、本当のルイーサはプレッシャーに弱く繊細な一面があります。しかし、だれも本当の彼女のことを知ろうとはせず、どんどん追い詰められていきます。

ミラベルがギフトを持っていた場合、ふたりは「人々のために生きる」という考えが凝り固まったままです。遅かれ早かれ、マドリガル家にはひずみが生じ、崩壊を招くことになります。

さて、今度はブルーノのビジョンについて考えます。

ブルーノはミラベルの儀式が失敗した日に「マドリガル家の崩壊とミラベルの姿」のビジョンを見ました。

設定によると、ミラベルの儀式のときイサベラは12歳、ルイ―サは9歳。そろそろ、ギフトの使い道や自分の生き方に対して何か感じるころですよね。

マドリガル家の崩壊は、ギフトを持ったことにより生きたいようには生きれないと感じるイサベラとルイ―サのひずみが関係しています。つまり、このふたりがマドリガル家の運命を握っているのです。

一方ミラベルの儀式は、途中までは順調に進んでいました。ドアノブに手をかけた時はじめて、ドアが消失しギフトを授かれなかったのです。イサベラとルイ―サはミラベルの実の姉。つまり、奇跡はミラベルに家族を救う力があると判断し、ギフトを与えなかったのではないでしょうか。

そう考えると、ミラベルと同い年であるいとこのカミロは、ほぼ同時期に儀式をしたにも関わらず無事ギフトを授かれていることにも合点がいきます。

そしてミラベルは、冒頭の「♪不思議なマドリガル家」でこう歌っています。

私たちはマドリガル 
ここで生きるマドリガル 
みんながすばらしいこの家族のひとり 
私もそうよマドリガル

ミラベルは、ギフトを持っているからこそすばらしいのではなく、家族ひとりひとりそのものがすばらしいと歌っています。この考えこそが、家族を救う奇跡だったのです。また、この歌詞は、終盤で家族が声を揃えて歌う「♪奇跡はここに」でも組み込まれています。

<①なぜ家族の中でミラベルだけギフトがもらえなかった?>

→マドリガル家の崩壊を招くかもしれないイサベラとルイーサの妹だから
→ふたりを(=家族を)助ける素質があると奇跡が判断したから


②壊れたカシータが復活した理由は?

最終、ミラベルたちは町の人の協力を経て家を建て直します。

家族の中で浮いていたミラベル。しかし、ギフトではなく家族ひとりひとりを大切に想っていた気持ちが認められ、家族に受け入れられるシーンです。ミラベルの頭文字が刻まれたドアノブが家族からの歓迎を象徴している、とてもいいシーンですよね。

ミラベルがドアノブを差し込むと…ミラベルを先頭に家族の姿が描かれたドアが現れ、まるで5歳の時の儀式の失敗を払拭するかのように、家全体が奇跡に包まれカシータが蘇ります

蘇ったカシータで、マドリガル家は「完璧じゃない」写真を撮ります。アントニオの儀式で撮った「完璧な」家族写真と対照的ですね。ここで物語は終わりです。

が!

この最後のシーンこそが、「後継者問題」に深く関係していると思うのです。

というのも、皆さまお忘れではないでしょうか。マドリガル家でギフトを持たない人がもう一人…

そう、アルマおばあちゃんです。

奇跡はアルマと夫のペドロが街を追い出され、ペドロが自分の命を差し出した時に生まれました。ペドロが自分よりも家族や一緒に逃げてきた町の人々のことを想い、アルマがその意志を受け継ぐことにより奇跡が起きたのです。

アルマが家族を想う気持ちは徐々に、「奇跡を人々のために使う」という考えになっていきました。しかし、ミラベルはギフトを持たずとも、というより、持っていなかったからこそ、家族ひとりひとりをだれよりも強く想っています

マドリガル家が世代交代を迎えるとき、家族が奇跡の使い方を誤らないよう導き、家族ひとりひとりが特別であることを教えてくれるのはミラベルです。ミラベルは最後までギフトをもらえませんでしたが、マドリガル家を支えるという役割がちゃんと与えられていたのです。

<②壊れたカシータが復活した理由は?>

→家族を想うというミラベルの気持ちが、再び奇跡を起こしたから


まとめ

考察、いかがでしたでしょうか。他にもさらに詳しく考察されている方もいて、ただのファンタジーでは終わらせない、とても魅力的な作品だなと改めて感じます。曲にも同じフレーズや旋律が織り交ぜられ、伏線のような使われ方をしているのも非常におもしろかったです。

そして完全に余談ではありますが、カミロくんというオタクホイホイのキャラクターが出てくるのも最高です!笑 なぞの魅力がありますね(笑)

ぜひ何度も観て、みなさんの意見も聞かせてくださいね!!







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