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こじらせちゃダメだ!(うつ病体験記)

こんにちは。遅寝遅起き、なかだいらです。
このnoteでは長男ナオ、次男リョウが発達障害の診断を受けた流れ、その後バリ島で育て直しを行った体験の記録を、本人の許可を取ったうえでつづっていきます。
バリ島へ行ったのが2009年。まずはそれまでの日記を出していきます。#045

今回はゴールデンウィーク前後の不調の話の裏側です。
あの頃、色々と考えることがあって、結構参ってました。
ちょっと楽になった、2007/6/30の過去日記です。

はじめて心療内科に

前にも大好きなビールを美味しく飲めなくなった時期があった。
そのときと同じ状態だと思う。冷静に見つめる自分もいるので大丈夫だけど、しんどい状況は変わらない。
なので心療内科に行ってみようと思う。
元気が回復するのを助ける薬があるかもしれない。
仕事にも集中できないので、それもカバーすることができるかも。
あえて自分を当事者にしてみて気づくことは多いと思う。

4月の下旬のメモ。
今回は例えば、当事者にとって心療内科に電話することはとても敷居が高いということ。この程度で電話していいんだろうか、とか、よく分からない。

家族にはなかなか言えない。心配をかけたくないから。
それと、いますぐ、できれば今日診察して欲しいという気持ち。
ネットで調べて良さそうな病院を探し、電話をする。

割ときちんと話ができた。本当はもう堰を切って泣いてしまいそうなくらい私は不安定だ。長男と次男の喧嘩で母がイラついている。そのせいで母は禁煙していたタバコを再びはじめてしまう。そういうこともすべて絡み合って私のこころが参っていく。
でも、参ったところで何も解決はしないのだ。

冷静に見る自分は「まだ深刻ではない。ただしこじらせると大変だから早めに病院に行って手を打っておこう。今後の勉強にもなるし」と思ってる。それに、自分はやはり落ち込んだりしつつも元の元気な状態に戻るだろうとも信じてる。
焦ることなく。

診断名は意外にも「うつ病」

さらりと告白すると、心療内科の診断名は「うつ」とのこと。
自分では「まっさか~!」という気分。この半年ほど友人のうつに寄り添い通院、相談など対応してきた自分としては「うつ」に詳しいつもりだった。

私の体調は微熱のほか、身体症状が多く、うつ特有の抑うつ感や焦燥感、死にたい気分はまったく無かった。
とにかく落ちた物を拾うのもしんどい。今日着る服を選ぶのが億劫。
パソコンに向かっても頭が動かない。できれば横になって寝ていたい。
ひとの話を最後まで聞くのが苦痛(しんどい)。
それより何よりビールが不味い! これは正常ではない!
ストレスでホルモンのバランスが崩れている程度だと思ってた。

実際に受診したのは電話から1週間ほど後のことで(予約が取れなかった)、不調は続いていたものの、すでに原因として考えられるストレス・問題は解決済みだった。

医師からの説明によると「ストレスで胃を悪くしたときを考えてください。原因となるストレスが無くなったからといって、すぐ胃が治るわけでは無いですよね。それと同じように、うつも原因が無くなっても症状はしばらく残ります。お薬の力を借りてゆっくり元気になっていきましょう」とのこと。

話題のパキシル

処方されたのはいま話題のパキシル。

■「パキシル」服用の自殺者増加
https://www.chem-station.com/chemistenews/2007/06/post-92.html

この件について思うのは、パキシルは効いてくるのに時間がかかる薬であり、副作用が強く出るひとが結構いるという点を知って欲しいということ。
うつ病→パキシル(悪者)→自殺。と、単純なものでは無く。

だって、身も心も限界なのに、薬が全然効いて来なくて、ただ吐き気や集中力の欠如という副作用で追い討ちをかけられたらたまらないよね。もうダメだと逃げ出したいひともいるって分かる。

私の場合は起きられないくらいだるい日があったけど、もともと自殺願望が出るほどこじらしていなかったので比較的簡単にこの時期を乗り切れた。
あと考えられるのは、重度のうつ病のひとがこの時期を乗り切って快方に向かっていくと「自殺する元気(行動力)も出る」ということ。

うつの友人はかなりこじらせていたので、連絡がつかないと最悪のことをやはり考えたもんなぁ。

受け入れて欲しい

数日前に高島忠夫のうつ体験をドラマ化した「うつへの復讐~絶望からの復活~」が放送されたけど、そこまでうつを悪者にしなくて良いと感じた。
復讐って、ねぇ。

ドラマでは寿美花代が無理に散歩に連れ出していたけれど、あれはうつ病本人にはとてもきついことだと思う。

「私は明るく元気な忠夫が好き。だから元の忠夫に戻るためなら何でもしたい気持ちだった」という感じだったけど、それは高島さんのためではなく自分のためなんじゃないかなぁ。
だって「たくさん食べるあなたが好きなの。胃が痛くても頑張っておかずだけでも食べて」なんて変でしょ。
「焦ること無いよ。薬がだんだん効いてくるのを待とう。いままで頑張ってたから一度休めということなんだよ。時期が来れば必ず元気が戻ってくるから、気長に待とう」って、受け入れてあげて欲しい。

元気を出したいけど元気が出ない。家族の心配が痛いほど分かるけど動くことができない。自分が家族のお荷物になってしまったように思う。みんなに気を使わせてしまって申し訳ない。
私の場合はこんな気持ちが渦巻いていた。

あの身体を起こせないほどのだるさの中、無理に散歩に誘われたり気分転換の旅行に誘われたりしたら本当にきつい。
みんなの心配や思いやりに応えられないことで、また辛くなるし。
高島さんや私のケース以外にも色々あるので、この機会に以下サイトを見てもらえると嬉しい。

■うつネット
http://www.utu-net.com/

体験の意味

極端な話をすれば病気も事故も、その瞬間に起きることにはすべて意味があると思ってる。家族は振り回されて大変だと思うけど、なぜうつになったのか、家族にとってこのことはどんな学びを含んでいるのか、を一緒に考えて行けたらと思う。

もちろん、自分もこのことを受け止めているし、診断名にスポットをあてすぎずに、いまこの瞬間に逆らわずに流れて行けたらいいなと思う。私にとって必要な経験だと思うから。

服薬は矛盾しているように思うけど、やっぱり少し手助けが欲しかったのと、喘息の薬、アレルギーの薬、うつの薬と、自分が相当な薬漬けになっている問題を改めて感じることができた。

アロマやホメオパシー、その他、薬に代わるものを探すべきだと。
そういうものを紹介する仕事(フィリ)をしていながら、自分がこれじゃダメだよな~、と。

また、医師から「消化を助ける胃酸のバランスが崩れて胃を痛めるのと同じように、意欲などを伝達する脳内物質のバランスが崩れて身体やこころが不調をきたす」と説明され、とても分かりやすいと思った。

それと同時に、ストレスで胃を壊すのとうつになるのと、どちらも同じようなものなのに、まだまだ脳内における問題は周囲には受け入れられていないなぁと強く思う。

やっぱり当時は「こころの状態がおかしい」と家族に言いづらかったし、友達にも心配をかけたく無くて言えなかった。
まだまだ「うつ」は病気なんかじゃなくて怠け者なだけ、心が弱い、甘えだ、扱いに困る、という偏見がとても多いのも事実。その点では長男の「ADHD/ADD」も単なるワガママなだけ、とまだまだ思われている。それどころか、知らないひとの方が多いんだろうな~。

いつの日かもっとオープンに、普通にこころの問題が話し合える日が来たらいいな。そして自分がそこに関わって行ければ最高に嬉しい。

分かりにくいかもしれないけど、うつもADHD/ADDもこう思うんだ。

Aという状態で過ごしていたら不具合が出た。不具合は悪いことなので薬で「治して」Aからはみ出さないようにしよう。

ではなく、

Aという状態で過ごしていたら不具合が出た。不具合が出るということはAという状態が合っていないのではないか。新しいBという状態も考えられるのではないか。

と。

そして、身体の不具合もこころの不具合も早めに手を打つことが大事。こじらせちゃダメ。

最後に

いま現在の体調は、ありえないほど汗をかくとか、なかなか寝付けない日がごくたまにあるとか、その程度の不調は残っているものの、心身ともにとっても良い。いつもと同じ状態。

ビールも美味しいし。
集中力はもともと無いのでなんとも言えないけれど、もう心配は無用。

ここで服薬をやめちゃうひとも多いんだけど、まだ薬の力で元気を出している可能性があるのでもうしばらく様子を見ようと思う。

この件について書こうかどうしようか迷っていたんだけれど、もう山は越えたのと、同じように不調ながらまさか自分を「うつ」と思っていないひとや、家族や友だちがふさぎこんでいるひとに少しでも情報を伝えたいと思って書きました。

寝てばかりの私に理解を示してくれた夫、全面協力体制の母、腹も立つけど癒しの源でもある子供たち、可愛い猫たちに感謝。
何よりも苦痛を分かち合って山を越え、共に学んだ戦友とも言える友人に本当に感謝します。いてくれて本当にありがとう。
そして長文を最後まで読んでくれた方にも心からありがとう!

つづく

次回は「繰り返しを辞められないナオの話など」をアップします。

■当時をふりかえって補足 2021.10.13
うつのきっかけのは人間関係で、知人からのエネルギーアタック(恨みのなどの負のエネルギーをぶつけられる)を受けてしまったのでした。私は必要以上に相談に乗りすぎて、どっぷり共依存状態となり、抱えきれずギブアップしたら、エネルギーアタックを受けたという流れです。ひとの人生に介入しすぎず、線を引くことが大事と思い知った出来事でした。
・本人が自分の力で問題を解決できると信じること。
・常にポジティブな注目を注ぎ、見守ること。
・「助けて欲しい」と頼まれたときに、すぐ動ける体制を整えておくこと。
それが他人に対してできる最大限のことだといまは思っています。
あとは本当にもっと気軽に心療内科など、こころの話を気軽にできるようになったらいいのにな。いまでも強くそう思います。

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