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『GOAT』4 ガンディー

ガンディーは私が見てきたタラパティ作品の主役路線に沿ってはいるんだけど、でも大きく違う点もあるのよね。今回彼は[自分のチームを率いるリーダーとして采配を振るうのです]。何かちょっと『パターン』を彷彿としたりして。

完全に上司として部下を使うタラパティって、私初めて見たような気がする。

いえあの、ヤクザの親分として子分を従えるラーヤッパン氏もおりましたし、サッカーチームのコーチとして指導を行うマイケルもおりましたが、序列を伴う組織の中で(しかも多分公務員)中間管理職として部下を使いこなしているのを見るのはガンディーが初めてかなって。

基本的にタラパティはワンマンアーミーなのよね。軍や警察に所属していても大体一人で潜入してる。その場にいる人達を仲間にして即席のチームで戦ったり、友達に手伝って貰ったりもするけれど、後から応援要請したりもするけれど、大体一人で何でもやるのが常だった。

でも『GOAT』ではしょっぱなからチームが待機してて彼を支えてる。なんと同僚までいて、家族ぐるみで仲良くつきあってる。これはなかなか意外でしたね。だからこそすぐに不幸が起こるな、等とすれっからしの映画ファンは思うわけですがそれにしても展開が早くて呆気にとられましたわ。

で、クライマックスに向けてガンディーがチームの上司となって復帰する。16年のブランクも何のその、テキパキと指示を出す姿のかっこいいのなんの! またスーツがね、白髪交じりになった髪と髭に合わせた霜降りみたいな色合いのチェックでね、渋いのがまた彼に似合っててたまりませんでしたね♪

ガンディーの年齢は40代半ばぐらいだと思うのですが、心労のせいで白髪が多いという設定なんでしょうか。ジーヴァンとの区別を容易にするためもあるでしょうが、かつてない老け役だと思います。それなのにプロポーションが完璧だから何を着ても似合っちゃって……。

ここにガンディーが「酒をやめた」という伏線が効いてるんだと思うんですよ。なんでもインドの、特にタミルの方々が中年以降腹がでっぱらかるのは酒が原因という話なので。酒を飲まなければ若い頃の細さを保てる、という設定なのでしょう。

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