『ノルウェイの森』、やっぱりいい
気はあうけど嗜好があわない大好きな友人と、自分が一番好きな本の貸し借りをしよう!となり、わたしは村上春樹のノルウェイの森を貸すことに。
貸す前に、半年ぶりに読み返してみたのだけれど、やっぱりどう考えてもよい。それは当たり前だ。ベストセラー小説なんだから。みんながいいっていうものの多くは、大抵よい。
わたしはなぜこの小説にこんなにも惹かれるのだろう。
なぜ、大事な友人に貸す本にノルウェイの森を選んだのだろう。
わたしにとってのこの小説のいちばんの魅力って何なんだろう。
考えた結果、登場人物のキャラクターが魅力的だからなのではないか、という結論に至った。
主人公のワタナベ。人間としての芯の真面目さ。柔軟性、許容力のたかさ、選ぶ言葉、絶望感、虚無感。
直子。か弱さ、可憐さ、儚さ。
キズキ。明るさの中に潜む暗さ、身近なカリスマ性。
レイコさん。親しみやすさ、成熟さ、豊富な経験、自己分析力。
永沢。圧倒的な頭の良さ、容量の良さ、自信、力強さ。
ハツミ。ヒロイン性、女性らしさ。
そしてわたしが一番好きなのは緑。
まったく言語化しきれないけれど、圧倒的な人間としての魅力。
女性らしさと男性らしさをどちらも強く持っていて、
芯の強さを感じさせる反面、人間の儚さもきちんと持っている。
考えているようで、考えていない。考えていないようで、考えている。
わたしも緑みたいな女の子になりたいな、ちょうど同い年とは思えません。
これらの登場人物たちに共通するのは「光と闇」だなと思う。
表面的には明るい、でも接しているうちに見える暗さ。または、暗さのなかに垣間見える光。
その暗い/明るい度合いはひとそれぞれだけれど
この両面を持ち合わせているのが、人間らしさで、、、
このキャラクター達の魅力、「人間らしさ」を文字だけで表すことができる村上春樹はほんとうに天才だ。。。(当たり前すぎてわたしがわざわざ口にするほどのことじゃないかもしれないけれど)
わたしはそんな「人間らしさ」につよく共感して
この小説を彼に勧めるのだと思う。
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