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食中毒と手のシビレ

 手のしびれを訴える患者さんが来院された場合、まずは頚椎捻挫(むち打ち症)、変形性頚椎症、胸郭出口症候群、手根管症候群などを疑います。
 実際、整形外科の教科書にもそのように記載されています。

 しかしこのような症状を持つ患者さんが食中毒を原因としていることもあるのです。
 その食中毒の症状の一つが「シガテラ症」、「シガテラ中毒」、または単に「シガテラ」と呼ばれるものです。

 シガテラ症の症状の中には、ドライアイスセンセーションというものがあります。
 これは、冷たいものに手が触れるとまるで電気刺激を受けたように強い痛みを感じる現象です。

 このシガテラ症の原因となるのは、ある種の魚介類です。したがって、釣りが趣味という患者さんがこれらの症状を訴えた場合、そのことも頭の隅に置いおき、「ここ数日中に釣った魚を食べた」という経緯があれば、専門医の受診をすすめることも必要です。

 以下は厚生労働省のホームページに記載されている内容をまとめたものです。

《食中毒を防ぐ ・有毒魚に関する情報》

知っていると安全に海の幸を楽しめます!

  1. 有毒魚の一覧
    バラフエダイ、イッテンフエダイ(フエダイ科フエダイ属)
      イトヒキフエダイ(イトヒキフエダイ属)
      バラハタ(ハタ科バラハタ属)
      アカマダラハタ(マハタ属)
      オオアオノメアラ(スジアラ属)
      アズキハタ(アズキハタ属)
      イシガキダイ(イシダイ科イシダイ属)
      ヒラマサ(アジ科ブリ属)

  2. 中毒の部位
    主に魚の筋肉や内臓に毒が含まれています。

  3. 中毒の発生状況
    沖縄県では他の地域と比較して中毒が多く発生しています。
    1997年~2006年の沖縄県での発生件数は 33件、患者総数は 103名 ですが、これ以外にも多くの事例が存在する可能性があります。
    最近、九州や本州でのイシガキダイに関する中毒事例が増えてきています。

  4. 中毒の症状
      主な症状: ドライアイスセンセーション(温度感覚の異常)、掻痒、四肢の痛み
      その他の症状: 筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、脱力、排尿障害
       消化器系の症状: 下痢、嘔吐、腹痛、悪心
       循環器系の症状: 不整脈、血圧低下、徐脈
       神経症状の持続期間: 軽症で1週間程度、重症では数ヶ月から1年以上
       死亡例は非常に稀です

  5. 毒の成分
    シガトキシンおよびその類縁化合物が中毒の原因となります。

 もしこのような症状が出た場合は、すぐに医師の診察を受けてください。食中毒を予防し、安全に海の幸を楽しむために、正しい知識を身につけることが大切です。

https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_02.html

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