自由帳12頁目「カメラ越しのお話」
1月24日、日曜日。
宣材写真を撮った。
宣材ってのはチラシに載せたり
SNSのアイコンにしたり、
要するに私のオフィシャルな写真。
ネットで拾ってきた画像を
しれっとチラシに載せる人いるけど
それはマナー違反、覚えといてほしい。
コロナで仕事も無い今、
商品のパッケージだけ新しくして
どうすんの?と思うかもしれない。
でも撮るなら今な理由が出揃った。
まず痩せた。
去年の今頃より約20㎏減。
そして髪型を変えた。
詳しくは上の記事からどうぞ。
今まで使用していた宣材との齟齬が
大分生じてきた。
そして決定打となったのはある先輩のお言葉。
一門の三遊亭兼好師匠のTwitterより引用。
ビフォーの私は「兵馬俑のような風貌」だったらしい。
この兼好師匠という方は、
常人が思いつく一番ひどい表現の
更に3割増しくらいの悪口をひねり出す
特殊な才能を持っている。
しかもそれが言い得て妙だから質が悪い。
兵馬俑自体は死者を弔う
とても大切な物であろうが、
兵馬俑のような顔と言われては喜べない。
脱兵馬俑の今こそ宣材刷新の好機である。
さてそうなると大事なのは、
誰に撮ってもらうか。
今まで何人か、プロのカメラマンに
撮影してもらってきたが
やはりプロは違うと毎回思う。
誰に頼もうかと思っていた正にその時、
一門の三遊亭好の助さんから
一緒に宣材撮りませんか?とお誘いが。
何と良いタイミングなんだろう。
彼は兼好師匠の弟弟子で、
常人が思いつく一番ひどい表現の
更に三倍増しくらいの悪口を
当人に直接言い放つ度胸と才能の持ち主だ。
好楽師匠は一体どういう風に
弟子を育ててるんだろう。
そんな好の助さんがTwitterで見かけて
撮影を依頼したのは
関根一秀さんという方。
私のご贔屓さんのお知り合いだそうで。
世間は狭い。
主に役者さんを撮ってるそうで
落語家は初めてとのこと。
ジャッキーチェンさんなども
撮ったことあるらしい。
今まで撮って頂いたカメラマンは
「私はこう撮りたい」
「こう撮ると良いと思う」
というアプローチが多かったが
今回撮って頂いた関根さんは
「どう撮りたいですか?」
を凄く丁寧に聴いてくれる感じ。
かといってこちらに丸投げではなく
要所要所でアドバイスをくれる。
その上で、カメラマンの撮り方以上に
被写体の「撮られ方」が上達するのを
じっくり待ってくれるような方。
同じようで違うというか、
こちらへのアプローチがどこか新鮮で
今までにない時間だった。
撮影という対話を何度も続けたら
もっともっと良く撮れる気がする。
そう思わせてくれた。
多分数回撮ったら
ヌードも抵抗無くなるな。
してみるとカメラマンって
人たらしじゃないと出来ないのかも。
沢山撮った中の一枚。
今までのどの宣材とも毛色が違う。
写真って面白い。
キリっと真面目な写真もアリだけど
そこはやっぱり芸人、
笑顔の写真の方が使い勝手は良いので
そういう写真が多くなる。
好の助さんが撮ってもらってる時、
関根さんが面白いことを言ってた。
「例えば1歳の子供を見守る親の笑顔と、
10歳の子供を見守る親の笑顔って、
全然違うと思うんですよ。
そういうのが表現できると良いんですけどね」
今の自分には凄いよく分かる。
もうすぐ2歳のうちの娘を見てる時は
基本デレデレ笑顔なんだけど、
危なっかしいしチョコマカ動くし
笑顔だけど余裕が無かったり
すぐそばで見ていたりする。
でも10歳にもなれば
そんな付きっ切りで見てなくても
ある程度は大丈夫だろうし
ちょっと遠巻きに見守ってるんだろうなと。
笑い方にも違いがあるはず。
そういう思い入れで
演じて撮られることが出来ると
写真の幅も広がるよと。
なるほどなるほど…。
自分が撮ってもらう番になり、
先程の話を思い出しつつ
頑張って笑顔を作る。
きっとこの関根さんも
子煩悩なお父さんなんだろうな。
聞くと14歳のお嬢さんが居ると。
「かわいいんですよ」と
相好を崩す関根さん。
それを聴くだけで作らずとも笑顔になる。
良いですねえー、と返答したら
「まあ妻と離婚して離れ離れですし
コロナのせいで全然会えてないんですけどね笑」
それからしばらく、笑顔が作れなくなった。
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