カメラノート。ハモンセラーノの事
バルセロナオリンピックは20世紀の終わりだったと思うがその関係でスペインに一月半ぐらい滞在してバスクからカタロニアまで行ったり来たりしていろいろなレストランの取材をした。
フランスでミシュランのレストランをいろいろ取材したこともあるが、スペイン料理は地域によってかなり違うしなかなか楽しめたのである。そこで私が勉強したのはマドリッドにあるHamon Museoと言う生ハム専門の飲み屋であった。仕事柄それぞれのクラスの生ハムを食べて赤ワインもいろいろ試してみてこれは最高の料理だなと感激した。
その時ハモンセラーノの工場に行こうといろいろ調べたのであるがこういうものを本格的に作っているところはスペインの本当の山の中にあって車で行っても2日ぐらいかかるところであることが判明したのでそれは諦めた。
バルセロナにはスペイン中の教会のインテリアを集めた素晴らしいミュージアムがあるのだが逆にハモンセラーノの工場が不便と言うのも文化的で良いなと思った。
その10年後位から私はポルトガルによく行くようになってあっちこっちでハモンセラーノを食べて帰りにお土産で日本に持って帰って満足していた。そこで止めておけばよかったのだがこのイラストにあるような枝肉を買ってそれを薄く切って食べようなどと馬鹿な考えを起こして手に入れたのである。
何が勘違いかと言うとスペインレストランで何十年も生ハムを切っている人の所作を見て自分が同じことができると言うのは考え違いと言うものである。その頃イタリアの食材を日本に輸入している友人から聞いたら、生ハムの枝肉は扱うのも非常に難しいと言うのである。
それでこの事件以降はスライスしたものを買うようになった。要するに何が勘違いかというと素人さんがいきなり8 × 10インチの大型カメラで撮影をするようなものである。私が長年8 × 10インチのデアドルフを使って撮影していたので古い友人の野々宮が自分でも使えると思って手に入れて使いこなせないで手放してしまったようなものだ。
ハモンセラーノはこの数年は成城石井で買うようにしている。1年半熟成と言うのを買っているがなかなかうまい。ところが所物価高騰で最近いつも買っているやつの値段がジリジリ高くなってきた。
フードロスを解消するための団体だか会社だか知らないが幕開けというのがあって最近そこを利用しているのは生活防衛のためである。そこにハモンセラーノが登場して私などでも買える値段なので注文した。
要するに一般小売店ではもうすぐ賞味期限が切れているから安くなると言うことなのであるが、ハモンセラーノは貯蔵期間が長いほど価格が高くなるのである。だからフードロスになりそうなものの方が味わい良いと言う皮肉な現象がある。
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カメラで本気出す。カメラに本気出す。ついでに写真芸術にも本気出す。2001年5月からスタートしたチョートクカメラ日記です。webマガジンは…
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